【RPAビジネスAIカンファレンス190926】RPAの本格導入に向けた実証実験及びプロジェクト推進の一事例 ~日本取引所グループの取組について~
東京証券取引所:神倉 隆 氏
◆RPA導入の背景・目的
日本取引所グループ→
証券市場の開設者として、公共性が高い役割を担っている。
(止めてはいけないマーケットインフラ)
そのため、
・オペレーショナルリスクに対する高い意識
・複数の担当者によるチェックプロセス
・「少量多品種」な業務を多く抱える
【RPA導入の位置付け、目的】
・人間を支援する簡易ツールという位置付けで導入
・業務プロセスの見直しを前提とした自動化を進め、
業務の質的改善や高度化を図りたい
・間違いを侵してはならないというストレスからの解放
◆RPA導入スケジュール
製品検証(7ヶ月)→試験導入→本格導入(5ヶ月)まで
1年かけて行ってきた。
【製品検証内わけ】
・RPA活用可能性の検証
・社内LAN環境における動作検証
・RPA製品の選定
・RPA導入効果の見積もり
【試験導入内わけ】
・社内説明会
・ハンズオン研修
・RPA化対象業務の選定
・一部業務への試験導入
・ガバナンス体制、運用体制の構築
【本格導入の内わけ】
・全部書への本格導入
・RPAロボの運用・保守
◆RPA製品の選定
・機能性
-入力した操作の出力の正確さ
-業務の自動化が可能な範囲
-シナリオを実行中の他操作の可否
・親和性
-作成した環境と異なる環境での実行可否
・操作性
・将来性
-複数の端末の一括管理の可否
(クライアント型 or サーバ型)
・コスト
◆社内説明会とRPA需要調査
RPAとは何かを説明した上で、
対象業務についてアンケートをとったところ、
・Excelデータを特定のシステムに打鍵したい
・メールを自動で振り分けたい
・特定のシステムから帳票を自動出力したい
→小さなことから取り組んでいって、
RPAの有用性を現場に理解してもらいたかった。
◆ハンズオン研修
1日で簡易なロボを作れるようになる
ハンズオン研修を開催。
レベルを底上げすることで品質のばらつきを防いだ。
◆ガイドラインの制定
早い段階で整備した方が良い。
制定をしないことにより、以下の懸念がある。
・ロボを過度に過信することによる業務影響リスク
・「野良ロボ」や「属人化ロボ」発生の抑制
・良質なロボを効率よく会派するためのナレッジ共有
◆ロボ開発状況
・単純な作業の自動化(効率化)
・業務プロセスの見直しを伴う自動化
◆RPA活用事例1
適時開示資料(PDF)ファイルからの情報取得
【これまで】
Webサイトの情報を取得する場合は、
人力で
1.Web検索
2.PDFから情報取得(目視)
3.情報をExcelに入力し業務利用
【今】
1.Web検索、対象ファイル取得、情報抽出、
Excel編集、メール送信まで全てロボが行う
2.担当者が結果を受領し、確認。
→複数の担当者、複数の部署を経て行っていたものが
1人もしくは1つの部署で完結するようになった。
◆RPA活用事例2
セミナー参加者の手書きアンケート集計
【これまで】
手作業で
1.アンケート用紙の回収
2.Excelに入力・集計
3.業務利用
【今は】
1.人がアンケートをPDF化
2.選択項目の識別、手書き文字部分の画像の抽出を
ロボが行う
3.人が業務を利用する
◆RPA利用者アンケート
満足度も高かったが、
不満とする声もいくつかあり、
解決しなければならない課題もある。
・ロボが止まる
・ロボ開発やメンテナンスに際して、
当初思っていたよりスキルが求められる。
・ロボの制約事項が多く、期待していたほどには
自動化が進まない印象。
【まとめ】
リストラツールではなく、業務を支援するためのツール
という位置付け。
大きな改善ではなく小さな成功体験から
社内のツールに対する信頼性を獲得することが大事。
しかし、有用性を認識してもらった後に
よく起こるのがなんでもRPAに頼るという問題。
本当にRPAで解決すべき課題稼働かを見極める必要がある。
大事なのはツールに振り回されないこと。