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The Kinks/Muswell Hillbillies

初めに

皆様お久しぶりです。ボルピンです。

前回のブログから1年以上空いてしまって申し訳ありません。

一応XなどのSNSでは活動していたんですけど、すっかりnoteの存在を忘れていたようです。

今後はまた不定期になるとは思いますが、ちょくちょくこちらの方の活動もやっていく予定でありますので、その時はどうぞ宜しくお願いします。

さて今回の記事内容は、アルバムレビューの第2回目です。

前回はイギリスのロックバンドThe Beatlesの7th AlbumのREVOLVERを取り上げましたが、今回はイギリスのロックバンドThe Kinksの10th AlbumのMuswell Hillbilliesを取り上げていこうと思います。

アルバムの概要

1971年リリース。バンドの10枚目の作品です。

前作のPercyというアルバムまでは彼らはPye Recordsというレーベルに所属していましたが、本作からはRCA Recordsというレーベルへ移籍した後の最初の作品です。

一般的にこのアルバムでThe Kinksの黄金時代はひとまず終了という風に言われています。

英国のバンドですがどちらかというとアメリカンチックな味付けがされているものが多いです。

一聴すると他の黄金期のアルバムに比べると地味と思うかもしれませんが、ロックンロール、カントリー、ブルース、バラードなどといった音楽性の広さは勿論の事、メロディラインのポップさ及び美しさ、歌詞の悲劇さや滑稽さ、更に無駄の無い上質なアレンジはまさに圧巻の出来と言えるでしょう。

聴けば聞くほど味が出る。そんなアルバムだと思います。

収録曲解説

(全曲 作詞,作曲 Ray Davies)

①20th Century Man ★★★★☆

アコースティックギターによる軽快で耳に残るカッティングが印象的なロックンロールナンバー。

20世紀の現状に対しての非難について歌われています。正直このアルバムに収録曲は大抵皮肉っぽい歌詞が特徴的です笑

アルバムとほぼ同じ時期にシングルリリースもされています(B面はSkin and Bone)。正直B面の方が好みだったりするんですけど。

間奏のエレクトリックギターのアルペジオだったり、あとは後半部分のボーカリストRay Daviesの歌唱といったツボなポイントが沢山あるのは事実ですが、他のアルバムのオープニング曲(僕が好きなのはFace to FaceのParty Line)に比べるとややパンチに欠けるというというのもあります。

でもまあ好きな曲であるのには勿論変わりませんが。

②Acute Schizophrenia Paranoia Blues ★★★★★

ピアノやホーンセクションなどと言った楽器が使われおり、田舎的で陽気なサウンドが印象的なカントリーナンバー。

歌詞はなんと総合失調症について歌われています。ええ。。。

このような内容が暗い曲調で歌われているのならともかく、かなり明るい曲調で歌われているというのが驚きでしかないです。

こういうRay特有の独特のポップセンスだったり、皮肉を帯びている感触というのは聴いてて面白いですね笑

今でもお気に入りの1曲です。

③Holiday ★★★★☆

良い意味でRayの気怠げな歌い方が癖になりますね。

タイトルからして休日について歌われいるのですが、どうやら仕事をクビになってしまった後の事を歌っているようです笑

ただどちらにしろポップな物なので、歌詞の内容は関係なく休みの日に思いっきりリラックスしている時に聴きたい1曲ですね。

④Skin and Bone ★★★★★

とにかくポップでキャッチーで、思わず踊りたくなってしまうような雰囲気を持った1曲です。RayとリードギタリストDave Daviesのギター2本の絡みも洒落ています。

先ほども述べました通り、アルバムとほぼ同じ時期に'20th Century Man'のB面曲としてシングルカットされています。

軽快なドラミングによりリズムが楽しいし、サビのメロディなんてふいに口ずさんじゃうくらいのレベルなんですけど、この曲もまた歌詞が面白い笑

主人公の太った女性が過度なダイエットによりまさに"皮膚と骨"状態になってしまった事を歌ってます。

この曲でRayは何を伝えたかったのでしょうか。。。。
僕個人的には'何をするのも無理をしてはいけない'という事を表していると思うんですけど。

ただ先程も言いました通り、曲調はご機嫌でノリノリなのでこのアルバムの中でも特に大好きな曲の1つです。

⑤Alcohol ★★★★★

マイナー調かつだれるような雰囲気が印象的なバラードナンバー。

この曲もまたまるで早口でまくしたているようなかのAメロや、美しく切ないサビのメロディと言った、Rayの作曲能力の高さが伺えます。

そういえばこの曲について'Kinksの中で一番好きな曲'としている人も見かけました。特にファン人気の高い曲でもありますね。

ピアノや金管楽器も良いアクセントになっているんですよね。kinksはアレンジが良い曲が多いですけど、この曲は特にそれを感じさせてくれます。

歌詞は富と名声を手にしている男が様々なプレッシャーで酒に溺れ、没落していく人生について歌ってます。シンプルに悲しいですよね。

やっぱりお酒って美味しいかもしれませんがあんまり得はないですよね。
現に芸能人の不祥事とかってお酒が絡んでいること多いじゃないですか。

後は健康に悪いって言うのはよく聞きますね。
恐らくタバコとかもそういう部類には勿論入ってくるとは思うんですけど。

Rayはこの曲を通してそういった教訓を伝えたかったのかなあって思います。多分違うとは思いますけど笑

因みに僕はまだ未成年なのでお酒は飲めませんが、赤ワインはいつかは飲んでみたいですね。美容とかに良いとよく聞くので。

ちょっと関係ない話が続いてしまいましたが、どちらにしろ詞もメロディラインも素晴らしいので大好きな曲ですね。

⑥Complicated Life ★★★★★

来ました!大名曲!僕がこのアルバムで一番好きな曲です。

この曲はシンプルにサビのメロディが良い。
Ladi dah di dahdah~のメロディが癖になります。

このアルバムのジャケットで見る限りおそらくレストランとか酒場だと思うんですけど、そういう場所で他のお客さん達と合唱したいですね笑

ただ歌詞の内容は相変わらずで。。
借金を抱えて自堕落な生活を送っている主人公について歌われています。

要するに今の言葉で言うとニートみたいな事です。
たしかに曲調ものんびりとしていますね。

とにかく聴いてて楽しいブルースロックナンバー。
このアルバムの中では特におすすめな楽曲です。

⑦Here Come the People in Grey ★★★★☆

前曲までがレコードで言うA面だったので、この曲からB面となります。

アップテンポでご機嫌なブルースロックナンバー。
Rayのボーカルは勿論の事、Daveのハモリが聴いてて心地良いです。

またどこからかアメリカンな雰囲気も醸し出しています。
そういう意味ではこのアルバムにぴったりかもしれません。

⑧Have a Cuppa Tea ★★★★★

こちらも大好きな曲!Rayのメロディメイクの上品さを堪能出来る曲です。
特にサビのhalleluiah~のメロディが印象的に癖になります。

僕自身音楽はJ-POPから入ったので、こういうメロディがキャッチーな曲がやっぱりお好みかもしれません。

歌詞の内容は主人公の身近な人とお茶との関係を模写したかのような内容。
そうは言っても本曲もシビアな表現は結構多いです笑

他のKinksのお茶についての曲には'Afternoon Tea'というのもあります。
やはりこういうテーマはいかにも英国の一般庶民的な雰囲気で面白いです。

⑨Holloway Jail ★★★★☆

サウンドとしては恐らくこのアルバムで一番暗い物となっているかな。
気怠くも儚げく耳に残るメロディが秀逸です。サビ頭なのも良い。

歌詞に関しては犯罪をした女性の刑務所での生活について歌われています。

他の収録曲に比べると地味なイメージがありますが、悲劇チックなのにも関わらず独特のポップセンスも残しているのは流石Ray Daviesという所です。

⑩Oklahoma USA ★★★★★

およそ2分半の短い曲ですがとにかく美しい。その1言に限ります。
メロディもアレンジも本当に素晴らしいバラードナンバー。

歌詞に関しても今までのようなイギリス人らしい皮肉たっぷりの物というよりかは、抽象的に表しているイメージです。

特にIf life's for livin' what's livin' for(人生が生きる為にあるなら、何の為に生きているのか。)という詞は深いですね。考えさせられます。

⑪Uncle Son ★★★★★

こちらも⑩と同様短めな曲ですが大名曲です‼
いかにもこのアルバムらしいブルージーでカントリーチックな曲。

途中に顔を出してくるスライドギターがイかしています。
またこの曲も⑦と同様Daveのハモリが良いですね。

こちらも気怠いようなメロディもたまりません。
個人的にもっと評価されても良い隠れた名曲だと思います。

⑫Muswell Hillbilly ★★★★★

遂にラストの曲です!ここまで長かった。。。。
とにかくポップでキャッチーな曲。聴いているだけで感動を誘います。

2番に入ってから曲が転調する所だったり、イントロやアウトロで繰り返されているギターフレーズなどツボな部分が多いです。

もしかしたらOasisのDon’t Look Back in Angerが好きな人はハマるかも。
メロディとかは全然違うんだけど何故か似たような雰囲気を感じます。

アルバムを締めくくるには本当に相応しい大名曲です。
マスウェルヒルビリーズよ永遠に!!

終わりに

ここまで長かったですが最後まで見てくれた皆さんありがとうございました!

これを書く際改めてアルバムを聴き直しているけど本当に大名盤ですよね。
まだ聴いてないよという方は是非聞いてほしい作品です。

あとこのアルバムを調べている時に恐ろしい事実を知ってしまいました。

Daveが後年このアルバムについてインタビューで話していたのですが、
収録曲の歌詞の人物は全て実在しているらしいです。ええ。。。

このような方が実際に存在しているのも怖いし、それをわざわざアルバム1枚出来ちゃうくらい曲にしちゃうRayも怖いです笑

このエピソードを聴くと更にこのアルバムへの考え方が変わるかもですね。

それではまた次の記事で会いましょう!!

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