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ボルボラ日記 vol.12~超大金持ちの闇魔法:食肉の帝王、陰謀論はぶっちゃけある~

 ぜんぜん休みがありません。ボルボラです。週休1日制になってからどれくらい経った? 4ヵ月くらいか? もう勘弁してください。給料はともかく休みが欲しいですね。「大学院と比べたら楽」という無敵の呪文を使わなくていい生活がしたいです。それと比べて忙しくてたまるか。精神壊すわ。

 まあ仕事のほうは対して変化がないので、読んだ本の話でもします。

 この本には『食肉の帝王』こと浅田満(あさだ・みつる)氏のことが書かれています。食肉を主とした様々な事業税務申告フリーパスなどの闇魔法を使って、推計で何百億円も荒稼ぎしました。豪邸に住み、政治家や芸能人、暴力団を自宅に呼びつけては指示しまくってたそうです。フィクサーというやつですね。すごいです。

 さて。浅田氏のもっとも目立つエピソードはBSE、いわゆる狂牛病の騒動に便乗してお金を儲けまくったことでしょう。ある程度の年齢の人なら憶えていると思うのですが、これはウシの飼料にしていた肉骨粉によって狂牛病になってしまい、牛肉食べられへんやん、ってなった事件です。

 当然、食肉業者はこんな騒動が起きたら巨額の損失が出るはずなのですが、そのピンチを大きなチャンスに変えたのが浅田氏です。BSE騒動のとき、政府は食肉業者を助けるため、国産牛肉を買い取ることになりました。あくまで損失補填のための施策ですが、浅田氏は自らの権力を使って「国産牛かどうか?」という政府のチェック体制を事実上無効化することに成功。ルール改変をしたわけですね。

 そして、在庫として抱えていた海外産を含む牛肉 約2200トンを政府に売りつけ、超絶儲けました。偽装した牛肉は通常ありえないほどスピーディに焼却廃棄とし、証拠を隠滅しました。ウハウハです。マスコミにもきっちり口封じをしたので、世間的には日本ハムくらいしか叩かれず、氏のハンナンフーズについては無風状態でした(関西ローカルで少しだけ報道された模様)。ちなみに日本ハムが同じ方法で政府に売りつけた牛肉は約900トンです。2倍以上やらかしてても、怒られない人は怒られません。

 このBSE荒稼ぎ事件は2004年にバレてしまい、詐欺等を含めた複数の罪状で逮捕されましたが、提示された保釈金20億円をあっさり支払って余裕の脱出をキメています。その後、2016年に実刑判決を食らって今は塀の中ですが、懲役6年8ヵ月なので再来年には出てくる感じです。

 本書を読んでいると「そんな方法があるのか……」と驚くことが連発されており、「あ、陰謀論ってマジのやつもあるんだ」と知れる点で非常に有益だと思います。想像よりずっと闇です、日本。学びが得られますね。

 ちなみに現在、Kindle Unlimitedに登録されています。加入している人は無料で読めますのでいかがでしょうか?

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