
寅さんを観て龍野へ(2025/01/26)
前回の投稿は「これからは寅さんシリーズを観ていく」で締めた。さっそく有言実行に移し、NHK・BSで放送されて録画していた第17作の「寅次郎夕焼け小焼け」を視聴した。以下はNHKのサイトに載っていたストーリー (一部抜粋)
『寅次郎は飲み屋でちょっと変わった老人と知り合うが、じつはその老人は、日本画の大家・池ノ内青観だった。数日後、寅次郎は旅先の兵庫県龍野で青観と偶然再会、招待された料亭で出会った“ぼたん”という美人芸者に一目ぼれしてしまう。』
良い話だった。芸者・ぼたんと寅さんとの掛け合いは、男なら憧れるもの。そして、背景に映る龍野の町の美しいことといったら…。龍野は20代の頃に行ったことがあるが、当時は寅さんに興味がなかったし、しょうゆの町を観光する安易なものだった。よし、久しぶりに行こう。そう思ったのは、私もぼたんを好きになってしまったからかもしれない。

現地には朝9時過ぎに到着。まずは龍野のシンボル・鶏籠山(けいろうさん)を眺めながら、揖保川のほとりでカップ酒を呑む。

気分を高めた後、いよいよ町の中へ。すぐに私は小声で感嘆の声を上げた。寅さんの公開からもう半世紀近くが経つが、雰囲気は当時とあまり変わっていないのではないか。ちなみにこの町並みは、5年ほど前に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。

「夕焼け小焼けは、寅さんベスト5に入っているんですよ」
こう話して下さったのは、何軒目かに訪ねた「たつの市武家屋敷資料館」の女性ガイドさん。資料館の内部をしげしげと眺めていた私に、たくさん話しかけてくださった方だ。話の流れで、私が寅さんきっかけで龍野へやって来たと言うと、ロケ地マップを出してくれた。

それがきっかけで話がはずみ、芸者さんが多くいた頃の龍野のことから、劇中人物の池ノ内青観の名前がたつの市の隣にある相生市に実在する地名(池之内)から取っていることなどを教えてくださった。何やら、このガイドさんの知り合いが当時の映画スタッフの1人だったらしく、ロケハン中に山田監督が道路標識にあった池之内という地名に興味を示しただとか。
この資料館では、実に有意義な時間を過ごさせてもらった。龍野へ来て良かったと思えた瞬間だった。

せっかくマップを頂いたので、少しだけロケ地巡りをしてみた。映画公開時から現存する「梅玉旅館」を見に行き、マップにある写真の定点観察を試みたが、建物が写真と変わっていたり、元来、方向音痴な私なので、完璧にはいかなかった。

また、辺りは普通に人が暮らしている場所なので、あまりジロジロ見る訳にもいかず、キリを付けて巡るのは止めた。朝から資料館を四ヵ所も巡って疲れもあったし、充分龍野の町は歩いたと思う。

晴れ間が広がって、寒さも和らいだ良い気候の中、良い休日を過ごすことが出来た。私は満足して、JR本竜野駅へ向かった。
追伸
私のもう一つのブログ https://ameblo.jp/boro-door68 でこの後、食事処へ行った様子を記しているのでよろしければご覧下さい。