にほんの田舎ぐらし【Apple Arcade三昧#007】
このゲームが果たして日本人仕様、はたまた海外向けのものであるかは分からないが、ちまちまと遊ぶには楽しげな『にほんの田舎ぐらし』を紹介しよう。
⬛︎日本人でも“日本”を感じる、感じさせるゲーム
ダウンロードした時、アイコンのタイトルが『田舎ぐらし』となるので、すっかり忘れてプレイを始めてしまったが、このゲームは『にほんの田舎ぐらし』が正式タイトルなのだ。
主人公は、ある日本の田舎にやってきて、古い空き家を建て直し、「住みやすい田舎」をつくっていくストーリー。ここで大事なのは、あくまで「田舎を」つくるということ。
『どうぶつの森』や『牧場物語』のように木の枝や石を拾って何かものづくりするのは変わらないが、出来上がる姿は「いつかの日本の田舎」。石を庭に置いて並べて敷石をつくったり、障子を貼り替えたり、ドラム缶に水を入れて湯を沸かしたり。あぁ、こんな田舎あったよな。と思わせるようなTHE・田舎な要素を次々と組み立てていく。そんなアドベンチャーゲームだ。
⬛︎単純な操作や決められた作り方にハマる
そんな、「日本の田舎」を再現していくにあたって、複雑な操作はいらない。目標もそこらじゅうにたくさんあるので、こなしていけばいい。カンタンで単純なことの連続だ。
倉庫から道具を探してきて、薪を割る、畑を耕す、井戸をつくる、木を植える。
こういったことも『にほんの田舎ぐらし』では、それぞれ作業できる場所・木を植えられる場所などが決まっていて、正直なところ自由度は少ない。
だが、それが変にレイアウトを考えて悩むなんてことがなくストレスにならず、個人的には良い。
これらの作業は、ハートを消耗しながらワンタップでどんどん進められるから、カンタンで楽しくなってくる。(ハートはすぐに無くなるが、すぐに自宅に帰って寝れば回復する。)やればやるほど体力がつくのかハートも増えていく。
そして、せっせと働いて完成するものは、イマドキ祖父母の家に行ったくらいじゃ出会えない、“昔ながらの日本”、なのである。
⬛︎コツコツがクセになる「侘び寂び」の学び
ご紹介したように、毎日毎日起動する必要があるわけでもないが、コツコツと素材を集めれば、いつかはお金になったり、物が出来上がったり、成功体験がそこにある。そしてさらなるマップ開拓を目標にして、家や庭を建て直していくのだ。
全体的に見ても、ドット絵が一見古めかしい装いをしていて、30代以上の我々は、スーパーファミコンのそれらを思い出す。そのノスタルジーも含めてプレイしたくなるのも、このゲームの魅力のひとつだろう。
最後に、これまたご存知の通り、『にほんの田舎ぐらし』も当然Apple Arcadeのアプリなので、数時間も出来上がりを待つことや、課金をして解決することも、誇大広告に30秒付き合わされることもしなくていい。やれることをコツコツとやっていればいつかクリアできてしまうだろう。
ただクリアを求めるより、いち日本人でも、日本に住んでいたとしても、「かつての日本」が懐かしく、恋しく、寂しくなる。そんな時にたまーに起動して、ホッコリするのも良いかもしれない。日本人向けに学びの要素としてもお勧めしたい一作だ。
write by こたろ
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