#映画レビュー
『ボヘミアン・ラプソディ』レビュー【緊急転載】
※鰯崎 友 個人noteの記事と同内容です。
エンドロールがおわって、劇場に明かりが灯った瞬間に、拍手がおこった。誰もがこの映画の余韻に、1秒でもながく浸っていたかったのだと思う。いい年したおじさんやおばさんが、涙でくしゃくしゃになった顔を、少し恥ずかしそうにうつむけながら、ゆっくりと席をたつ。
いや、泣いていたのは彼らだけじゃない。私も泣いていた。妻も泣いていた。クイーンの歌を素敵だとは思っ
大林宜彦『花筐/HANAGATAMI』【おそらく聞いたことがない話】
以前、大林宜彦監督と食事をご一緒させて頂いたことがある。『転校生』や『時をかける少女』『SADA〜戯作・阿部定の生涯』『この空の花 長岡花火物語』などの日本映画史に残る名作や前衛作品を拵えたマエストロに、学生だった私は、「映画を作るとき、いちばん大事にするのはどのようなことですか?」という稚拙な質問を投げかけた。監督はにっこりと微笑んで、言った。
「心臓の音を聞くんだよ」
ゆっくりと両手を
スター・ウォーズ・神話のゆくえ【おそらく聞いたことがない話】@ボーンフェス2018
『スター・ウォーズ』シリーズの生みの親であるジョージ・ルーカスが、この壮大な物語を構想するさいに、古代の神話を下敷きにしていることは有名である。その脚本作成にあたって、ルーカスは神話学者、ジョーゼフ・キャンベルによる神話の研究に強い影響を受けたと語っている。
キャンベルは、神話における英雄譚について「セパレーション」(英雄が元いたところから旅立つ)→「イニシエーション」(通過儀礼を受ける)→「リタ