弱さを持ったヒーロー
最近「弱さ」って?と考えさせられることが多かったのですが、弱さは強さと表裏一体でもあり、ヒーローって強さより弱さを持っているんじゃないかと感じる。
弱いヒーロー、と聞いてふと思い浮かんだのは子供達のヒーロー、アンパンマン。作者のやなせさんもアンパンマンのことを世界一弱いヒーローと語っていた。
リアルアンパンマンなる山崎製パンの記事。現代のリアルなヒーローです。
東北の震災の時に子供達がアンパンマンの歌を歌い出した、というエピソードはアンパンマンスピリットを胸に秘めた子供達が自然に自発的に歌い始め、その事自体では被災中の方々のお腹は満たされずとも、きっと心が震えた人たちがいると思う。本当に辛い時に人からの慰めや励ましの言葉は心に入ってこない事もあるけど、真っ直ぐな歌は、すうっと届いたりする。
私は子供の時にアンパンマンを観ていたのかも覚えていないけど、多くの子供達(特に園児達くらいまでかなあ)にとってアンパンマンはヒーロー。その熱狂ぶりに私もアンパンマンについてもっと知りたくなった。
アンパンマンの歴史は、長い。ロングセラーすぎる。このサイトには簡単にしか描いてないけど、やなせさんの本「やなせたかし 明日を開く言葉」を読むと、売れっ子作家になるまではなかなか大変だったよう。戦争で飢える経験もし、なかなか漫画の仕事はできず、アンパンマンの人気が出たのも70歳になる頃。
ギネスの記録がすごい。アンパンマンのキャラクターの数って20くらいかと思っていたら、1,768体もいるんですか!?(2009年の時点でなので、現在はもっと多いらしく、2300位もあるとか!?)
ニューヨークタイムズの記事で、以前に読んでシェアしたいな、と思っていたのだけど、日付を見たら、もうこんなに月日は経っているのか!!
西洋ではThe Gingerbread Man というストーリーがあるが、アンパンマンはそれと正反対だ、とこの記事のライターのAndrewさん。ジンジャーブレッドマンは、自分を救うために逃げるが(最後は食べられてしまうけど)アンパンマンは他を救うために自らを他に食べさせる。すごく日本っぽい、と。
名古屋市博物館で、「やなせたかしとアンパンマン展」があった時に、チケットもいただいたし、行きたかったのだけどコロナで中止に…(涙)行った人たちは、「子供向けというより大人向けで、子供はちっとも楽しんでいなかった」と。それ聞いて余計に行きたかったんだけどな。やなせさんは、大人向けの絵本とかも描いてたし。
長島のアウトレットモールに行った時に、隣接しているアンパンマンミュージアムで、あんぱん買ってきて、と頼まれた。他のパン屋さんで売っているものよりクオリティが高いんだと。
ちょっと高め(ひとつ300円〜400円くらい)ですが、クオリティは確かに高かった。しかし、パンを買うためだけに入場したっていう(笑)
アンパンマンつながりな話で、知らなくて教えてもらったんだけどBTSが、Anpanmanという曲を歌っている!
韓国にはあんぱんらしき物は無いらしいけど、あんまんっぽい物があるらしい。
振り付けはRiehataさんで、アンパンマンの拳を上げるようなダンス。
もう少し前なら、アメリカではこういう感じのはウケなかったかもしれないけど、強いだけみたいなのはもうちょっと違うみたいな。Marvelのムキムキキャラ達も、弱さも持っているから、世界で受け入れられているのだろう。
いろんなアーティストがカバーしている曲で、マライアのHeroという曲がある。
There's a hero if you look inside your heart.
You don't have to be afraid of what you are.
自分の中を見つめれば ヒーローがいるのがわかる
自分が何者かなんて恐れなくてもいい
…
Look inside you and be strong.
And you'll finally see the truth
that a hero lies in you.
自分を信じて強くいて
そうすれば本当のことが見える
ヒーローはあなた自身の中にいるって
他人にヒーローを求めるのでなく、一人一人の中にいるって、勇気づけられる詩。
アリシアの自伝の中にも、弱さをさらけ出すことについて書かれている。
ラストのパート。どこを取ってもアリシアの言葉は歌みたいだ。
I want to know who I am and accept every part of that identity. I am frightened and I am fearless. I am weak and a warrior. I am uncertain and I am confident. And by learning to embrace the paradox in all of it, I am more myself.
私は自分がどんな人間なのか知りたいし自分のアイデンティティの全てを受け入れたい。私は恐くなることもあるし、恐れない時もある。私は弱いけど戦士でもある。私はよくわからない面もあるけど自信もある。矛盾を受け入れ方がわかってくるほど、わたしはもっとわたしらしくいられる。(日本語版でどう訳されているかわからないけど意訳です)
絵の課題で、「弱さ」をテーマに描いてみる、というのがあったのだけど、私の中から出てきたのは、
花たち、鳥たち、風船たち、小さな魚たち、人間が地球を支配しているようで、小さな生き物たちは弱い存在なようで、でもそれぞれがたくましく生きていて、イロトリドリの美しい世界が広がっていた。
他の人たちが描いた「弱い」のイメージも見せてもらうの楽しみ。
自分の弱さと向き合える強さを持っていると、他人の弱さを攻撃しなくてよくなるのだそう、完璧な人間でなく弱さを持った人を愛するのが人だから。
10月3日は、アンパンマンの日だったそう。その日にアップできればよかったな!(涙)
ちょびっと英語めも
vulnerabilities (vulnerability) 弱さ、もろいこと
vulnerable 弱い
Aliciano本の中で、weak という単語も使われていたけど、これらの単語も使われていて、よりアートな感じがした。vulnerabilityこそ、アートかもしれません。