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台湾人としてのアイデンティティ、共通する信念。多様性ある社会のために、事業をもっと広めたい|BHメンバーインタビュー

誰でも社会を変える力を持っている。そう信じて、2015年にボーダレスハウス株式会社(以下、BH)に入社したTing。「ティンちゃん」の愛称で社内から厚い信頼を得ている彼女は、BHのマーケティング部門をゼロから立ち上げ、コロナ禍による事業への打撃も粘り強い姿勢で乗り越えた経験を持ちます。彼女の原点にあるのは、台湾人としてのアイデンティティや、BHと共通するという信念だと言います。

  • 台湾でキャリアをスタートしたTingがBHに入社した理由

  • 彼女が人生をかけて実現したいこと

  • なぜBHなら、それが実現できるのか

たっぷりお話を聞いてきました。


誰でも社会を変える力を持っている


——TingさんがBHに入社するまでの経緯を聞かせていただけますか。

BHには2015年9月に入社しました。
それ以前は、母国の台湾でアパレル会社に勤めていました。母が衣料品店を経営していたこともあって、私もずっとファッションに興味があり、大学時代からアルバイトしていたお店から店長として働かないかと声をかけてもらったんです。卒業後そのまま入社して、アルバイト時代から合わせて、5年ほど働きました。

仕事自体は楽しかったのですが、周りの友人がギャップイヤーを利用して新しい挑戦をしているのを見て、私も25歳になる前にもっと様々な経験をして視野を広げたいと思い、意を決して仕事を辞めました。そして日本語を学ぼうと、語学学校への短期留学で来日しました。

——留学先に日本を選んだのはなぜでしょうか。

それまでも何度か旅行に来ていて、日本の先進性と文化や伝統のバランスのユニークさに興味があったんです。日本で働きながら、そういった部分を体験することで、自分の成長やキャリアに活かせたらと思いました。

台湾に帰国後、たまたま旧友がBHで働いていることを知りました。BHのことは日本滞在中から知っていて、ウェブサイトを見て、会社の価値観と私の信念が一致していると思い、求人に応募して採用されました。実は当時、他社からのオファーもあったのですが、新しい分野に挑戦したいという意欲が勝ってBHへの入社を決めた、そんな経緯です。

——BHと一致してると感じた、Tingさんの信念について聞いてもいいですか。

はい。誰でも社会を変える力を持っていると私はずっと信じているんです。

異なる文化や価値観をもつ人々が共に生活することで、お互いに影響しあい、より良い変化を社会にもたらすことができる、そう確信しています。BHはまさにそういった環境を提供することで、人が自分の限界を超えて成長できる場を創っている。ここに強く共感しました。

——いつからそういった価値観を持つようになったんでしょうか。

幼い頃からですね。台湾の政治的背景が影響していると思います。台湾という国に生まれたことで、主権意識について考える機会が多くありました。子どもの頃からずっと、自分自身の自由と平等が守られていること、同じように全ての人にとっての権利や尊厳が守られる社会であることの重要性について考えてきました。

台湾では選挙の時に候補者を応援する大きなイベントがあり、幼い頃から親と一緒に出かけていました。両親や祖父母もそれぞれに考えが異なっていて、家庭内でディスカッションする場面もあり、その影響もあって私も弟も自分の考えを持つようになりました。異なる意見を聴き、互いの考えを理解し合うことがとても大切だと感じています。

自由で多様性を尊重し、包容力のある環境がいま台湾にあるのは、これまでの数多くの人が声を上げてきた結果です。私自身も選挙や社会運動を通じて、自分の声が社会に影響を与えられると実感して、多様性を尊重し合う社会に対する想いが強くなりました。

——自由や自分の当たり前の権利が脅かされるような危機感を持った経験があるということですよね。

そうですね。また留学した時に、自分がマイノリティとして扱われる経験をしたことも、差別や偏見の問題に対して、関心を強めるきっかけになりました。単に言語や文化の違いだけでなく、意見を発信しても聞き入れてもらえない場面があり、自分の権利や自由が他の人と同じように尊重されていないと感じたことがあります。

そういった経験を通じて、異なる国籍や価値観を持っていても、お互いを尊重しながら対話を重ねることで、共に成長していけるし、それが本当の意味で多様性が活かされた豊かな社会だと信じています。この思いは年々強くなっていますね。

自分が成長した分、事業も伸びて、理想が現実になっていく


——Tingさんは、現在はどんなお仕事を担当しているんですか。

今は海外市場向けのマーケティングとブランディングを担当しています。

ウェブサイト改善のためのプロジェクト管理、SEO対策、ウェブ解析を行うほか、英語でのブログの執筆や、英語・中国語への翻訳を担当するほか、海外の留学エージェンシーや語学学校と関係構築の役割も担っています。

国内市場のマーケティング戦略策定もサポートしていますし、韓国と台湾にはマーケティング担当者が不在のため、これらの地域のマーケティングもフォローしています。他にも、出身である台湾チームの運営やスタッフの管理のサポートも行っています。

——かなり幅広く担当されているんですね。これまではどんなお仕事をしてきたんでしょうか。

私はもともと台湾のメンバーとして入社し、入居者の体験価値を高めるハウスマネジャー(現コミュニティクリエイター)を2年、その後、CRM部門のリーダーとして各種お問い合わせや入居対応を2年ほどしていました。

当時のBHにはマーケティング部門がなくて、5年前に李さんと共に立ち上げました。ブランドガイドラインの策定や理想の顧客像の設定など、基礎から作り上げていって、現在のマーケティングチームに至ります。

住人のフェアウェルパーティ。他のハウスからもたくさんの参加者が

——マーケティング部門をゼロから立ち上げていかれたんですね。

この試行錯誤の過程でもすごく成長させてもらったと思っています。

CRMの時から、少しずつマーケティング業務も始めていて、キャンペーンの立案、コンテンツ制作、翻訳を担当していました。マーケティング領域で、自分の強みである英語や中国語のスキルが役立つことを実感して、私自身がマーケティングの専門性を高めることで、事業の成長にもっと貢献できるという思いが強くなっていったんです。

「マーケティングのスキルを高めて、もっとBHの魅力を多くの人に伝えていきたい。この事業をもっと伸ばしていきたい」と代表のりーさんに伝えると、未経験だった私の挑戦を後押ししてくれました。

コンテンツマーケティングには経験があったものの、それ以外の知識はなかったので、マーケティングを学べるオンラインコースに通い、学んだことを実践しながら身につけていきました。ハウスマネージャーやCRMの仕事を通じて入居者のインサイトを理解していたことも、今すごく活きていますね。

——色々な仕事を経験されていますが、一番印象に残っているお仕事はどんなことですか。

やはり、コロナウィルスの影響を受けた時期のことです。
BHは入居者の国籍比率を、日本と海外で50%ずつと定めているので、入国規制がしかれ、外国から日本に入国できない期間が続いていた時期が一番厳しい状況でしたね。その時期は、日本国内にいる外国の方を対象にした集客施策を打ちました。

課題はそれだけに終わらず、日本の方もシェアハウスという生活形態に不安を感じている状況でした。毎日、入居率の推移を見ながら、どうすればこの状況を改善できるか、みんなでアイデアを出し合い、考えられる打ち手を全て試しました。

シェアハウス内の感染対策や実際の生活の様子を記事にまとめてUPしたり、先を見据えてSEOやオンラインでのブランディングや、海外市場での認知向上に力を入れました。

その甲斐もあって、入国制限が解除されると同時にたくさんの問い合わせが届きました。先が見えない状況でも諦めずに続けていたことの成果が実感できた瞬間で、本当に嬉しかったですね。目の前ですぐに結果が出なくても、効果が期待できる打ち手は粘り強く続けることが大切だと学びました。

早稲田大学で開催した1日シェアハウス体験イベント

——お話を聞いていると、Tingさんはどんな状況下でもポジティブな人なんだと感じます。なにか秘訣があるんでしょうか。

一見難しいと思える状況でも、仕事をすることで解決していくタイプかもしれないです。ほかにはPodcastや本から力をもらっていますね。
でも一番は自分の信念かな。自分が信じていることがあるから、それに向かっていつもポジティブでいられるんだと思います。

メンバーそれぞれの目標に向かう挑戦を応援してくれる場所


——入社から9年。Tingさんが考えるBHの魅力はどんなところですか。

一つは、一人ひとりの目標や夢を大切にしてくれるところです。
BHでは年度の初めに、その年に達成したい目標を自ら設定し、四半期ごとの面談の場で、その達成状況を振り返ります。会社から一方的に目標を決められることも、与えられることもありません。

自分が取り組みたいプロジェクトや優先順位についてもオープンに議論できるし、自分が思うように自由に計画を立てて進めていけるところが、BHの好きなところです。この自由度のおかげで創造性を存分に発揮できるし、自分で学び、成長する機会がたくさん与えられていると思いますね。

こういう環境があるのも、代表のりーさんの存在が大きいと思っています。メンバーそれぞれの目標や夢、新しいことへの挑戦を心からサポートしてくれるんです。「昨日の自分を超える」というBHのスピリットがあり、失敗を恐れずまずチャレンジする姿勢を評価してくれるし、その過程自体が個々の学びの機会となります。私にとっては本当に魅力的な職場です。


もう一つは、働いている人。
会社のメンバーは、みな共感力があって温かく、様々な考え方に対してもオープンに受け入れてくれる人たちで、本当に素晴らしい仲間だと思っています。

——主体的に動く人にとっては、またとない環境ですね。

そう思います。人生の時間は限られているので、その時間をできるだけ有意義に使いたいし、仕事は人生の時間の多くを占めるので、その仕事に意義があれば、人生を通して自分の理想やビジョンにも近づいていけますよね。自分にとっても、周りの人にとっても価値があると思えることに時間を使うことが、私が大切にしていることの一つです。

——どんな人がBHに向いていると思いますか。

一つは、会社のビジョンに共感していること。自分の実現したいことと一致していれば、自然と仕事へのモチベーションも高まります。自主性が尊重されているので、ビジョンの実現に向かって、自分のアイデアを提案して実行していけるのは楽しいと思いますね。

二つ目は、積極性があって、自己学習を楽しめる人。現時点でスキルが十分でなくても、自分の目標のために常に学び続ける姿勢があれば、必ず達成できますよね。メンバー同士、お互いにいい刺激を与えあって、成長していけると思います。

最後に、この会社の魅力は「人」なので、今のメンバーのように、人としての温かみと共感力があり、人の意見を尊重し、異なる考えにもオープンな姿勢で接することができる人に来てもらえたらいいなと思っています。

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BHファミリー

「ちがう」を越えて、人と社会をつなぐ。ボーダレスハウス株式会社

私たちボーダレスハウス株式会社は、国籍やルーツ、生まれた場所、性別などのさまざまな「ちがい」に関係なく、一人ひとりの多様なアイデンティティが尊重され、つながっていく体験とコミュニティをつくりたいと強く思っています。
「“ちがう” を越えて、人と社会をつなぐ」というビジョンの下、出会いやつながりが多文化共生社会への一歩になると信じて、差別偏見と向き合うソーシャルビジネスを社会に広げていきます。


STAFF
TEXT:Naomi Ogawa
EDIT:Mami Shimura


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