Marinaの英会話講座#2.「英語は口を使ったスポーツ」
「英語は、口を使ったスポーツよ」
先週(英会話講座#1)、「英語で留学生と話している姿を、気になるあの子に目撃される」という不純度100%の動機で、Marinaから英会話を習い始めたYuji。
無事に宿題を終え、いよいよ英語が話せる雰囲気を作りだすレッスンに突入する時に、勉強もスポーツも語学もできる彼女はそんなことを言った。
それでは、MarinaとYujiの英会話講座#2のはじまりはじまり・・・
* * *
Marina「英会話は雰囲気、という話をしたでしょ。
さて、ミスター・ヒデムラ。ここで質問です。
雰囲気はどの三要素で構成されているでしょうっ?!」
Yuji「え~、えーと・・・」
Marina「そう!【発音】【表情】【ジェスチャー】だよね~~よくできました!笑」
Yuji「・・・。(できの悪い生徒ですんません。。)」
Marina「Yuji、いい事教えてあげる。英会話を学ぶ時は長く考えるよりも、すぐに答えを得る方が良いのよ。できれば2秒以内にね。」
Yuji「どうして?」
Marina「どうしても!・・・まあ、理由はいつか説明するとして、早速最初の【発音】からやるね。」
Yuji「お願いします!」
Marina「『ネイティブの発音』と聞いてYujiはどう思う?」
Yuji「やっぱりネイティブの人の発音は格好いいな~と思うよ。なんであんな発音ができるんだ??遺伝子が違うんじゃない?って思ってた時期もあったな。」
Marina「うんうん。分かる分かる。」
Yuji「いやいや、Marinaは最初からできたんじゃないの?」
Marina「ところがどっこい!私も最初はYujiと同じように考えてたの!」
Yuji「マジで?」
Marina「全くネイティブっぽくなかったの。でも、今から伝える練習方法で、私は2ヵ月程でネイティブっぽく話せるようになったわ。」
Yuji「・・・マジで??」
Marina「そ。私って可愛いだけじゃないの。笑」
Yuji「・・・。(こういう時ってどういう返しが正解なんだ??)」
Marina「ちょっと、反応してよっ!
・・・とにかく、発音はトレーニングすれば、ほぼ誰だってネイティブみたいな発音が手に入るの。」
Yuji「うーん。そう言ってもなぁ」
Marina「って思うよね。
・・・ということで、はい、ここで今日のポイント!【発音は、口の形で全てが決まる】の。」
そう言って彼女は、こんな表を私に見せてくれた。
Yuji「これって・・・発音記号だ。」
Marina「そ。私も中学生の時習ったけど、なんかややこしそうだったから無視しちゃったやつ。
でも、この発音記号と口の形をマスターしたら、ネイティブの発音ができちゃうんだな~。
さて、とにかく実践してみよ。先週の宿題の一文目を見よっか。
まずこの2行目までの「Hey Kevin, how are you? Not too bad - but I'm feeling a bit dull today. What about you?」の文章を言えるようになるのに、一カ月ぐらいかなー。」
Yuji「こ、この2行だけで3週間か。先は長そうだな・・・。」
Marina「大丈夫!それができたらあとは楽だから。まず発音してみて。」
Yuji「Hery Kebin, hawaa you?」
Marina「おっけー!じゃあHeyから行こうか。発音記号はheiで、ここにr(アール)の発音は入っていないわ。
逆にare youの方のrがあまり聞こえないわね。
まず、Yujiは英語を話す時、何かとrの発音を入れてしまいがちなので、その癖をまず直すと良いかも!
というわけで、heyって何度か発音してみて」
Yuji「hey, hey, hey…」
Marina「うん、良い感じ!じゃあ次はKevinね。」
Yuji「Kebin…」
Marina「・・・Yujiはvの発音を、bのような発音で言ってるわ。このvの発音をするときの形を図で見て。前歯が下唇に少し当たってる状態ね。」
Yuji「ふむふむ」
Marina「次に私の顔を見て。「唇を噛む」んじゃなくて、下唇の少し濡れてる部分・・・、分かる?」
Yuji「お、おお・・・。(落ち着け落ち着け落ち着け落ち着けっ!Marinaは真剣に英語を教えようとしてくれてるだけだ・・・唇に惑わされるなッ・・・!)」
こんなんだから日本人はむっつりとか言われるんだろう。
Yuji「Kevin…」
Marina「そう、Vの発音パーフェクトーーーー!あと、Kevinの発音は「kevən」。曖昧母音の「ə」っていう、この発音はできる?口から全て緊張を無くして、ただ声を出すだけだから簡単よ。ちょっと例を見せてみるね。私の唇の空き具合を良く見て。ə~」
Yuji「(おいおいおいっ。落ち着けオレ!)」
よし、一旦落ち着こう。
Yuji「ə~」
Marina「そうそう、そんな感じ」
Yuji「kevən」
Marina「パーフェクト!!Yuji、いいカンジじゃん」
Yuji「Marina、褒めるのうまいな」
Marina「じゃあ次は・・・」
・・・
・・・そんな感じで、60分のレッスンはあっという間に終わった。
私は「Hey Kevin, how are you?」の発音を、その日はゆっくりであればはっきりと言えるようになっていた。
Marina「どう?今日やったこと、あまり勉強って思わなかったでしょ?」
Yuji「うんおかげさまで・・・じゃなくてそうだね。【英会話は口を使ったスポーツ】とMarinaが言ってるのがなんとなく分かったよ。」
Marina「筋肉に覚えさせること。実践に向けた反復練習をすること。
いつその発音を使うチャンスが来るか分からないけど、そのチャンスが来た時には確実にできるようになるまで、何度も繰り返すこと。
そういう練習を繰り返していくうちに、動作が自然に、スムーズに動いてくれるようになること。どう?これ、スポーツでも一緒でしょ??」
Yuji「なるほどね~。なんか、英語の勉強としてはあまりやらなかったことだな。」
Marina「というわけで発音はパーフェクトね!あとは【リンキング】と【イントネーション】ね!」
Yuji「ちょい待って!他の二つの要素って表現とジェスチャーじゃなかったっけ?」
Marina「そうそう、正解!ごめん、説明が足りてなかったね。
まず、「発音」の中に、【発音記号】【リンキング】【イントネーション】があるの。
これをマスターしたら、発音は完璧。
で、【発音】の他に【表情】と【ジェスチャー】があるの。」
Yuji「マジかー!やっぱり長い道のりだな!自分がやってる範囲が小さいってのが分かったけど、同時に何をしたらネイティブっぽく話せるかが分かってきた気がするぞ!!」
Marina「そんなわけで、向こう3、4回はこの「発音」「表情」「ジェスチャー」についてのレッスンを続けるわ!」
Yuji「お願いします!」
Marina「で、宿題なんだけど。」
Yuji「どんとこい」
Marina「この発音をするとき、自分の声を録音して、そしてできるだけネイティブっぽい発音に近づけていってね。」
Yuji「げげっ。録音??自分の声聴くの、嫌だなぁ・・・」
Marina「ミスター・ヒデムラ。質問です。
あるところに、野球を上手になりたい人が2人いました。
一人は自分のフォームを見ずに、ただバットの素振りを続けた人。
もう一人は自分のフォームを録画して素振りをして、後で確認を見て、プロのような素振りができるように矯正していった人。
・・・どちらが上達するでしょう?」
Yuji「・・・ですよねー!やります!」
Marina「必ず録音して、自分で矯正してね。」
Yuji「おっけーおっけー」
Marina「・・・必ずよ。」
Yuji「お、おお・・・。」(え、そこまで大事なんだ)
※大事です。
恐らく、ここまで念を押さないと、私がやらない人間だと理解していたのだろう。うん、その通りだ。
翌週、そして翌々週と、彼女は「表情」「ジェスチャー」についてもしっかりと教えてくれた。
「発音」「表情」「ジェスチャー」の自主練方法を授けられた私は、毎日トレーニングを行った。
2ヵ月後・・・
私は以下の4行分の文を、ネイティブのような雰囲気で話すことができていた。
たったこの4行の文だけだったが、この4行に関してはネイティブのように話せるようになっていた。
本日の結論:美人から教わる発音は反則。
* * *
いかがでしたか?
英会話は、口を使ったスポーツ。
このことは、発音だけに当てはまらず、英会話学習全体について言えることです。
そのような認識を持つだけでも、スキル取得にあたってのアプローチには大きな違いを生み出します。
机に向かう「お勉強」とは、性質がずいぶん違うものだと感じないでしょうか。
英会話学習に、ぜひ参考にしてください。
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今日は「表現力」の一部分をストーリー形式でお伝えしました。
私達のレッスンでは、まさにこのようなやりとりがされます。
意味があるレッスンとは、正しい学習方法を学ぶ場のことなのです。
私達は、「発音・表情・ジェスチャー」をまとめて「表現力」という指標で表しており、それぞれの項目ごとに段階を設け、スキルアップを確実にするためのトレーニングを用意しています。
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