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「」のない、あたしの 20210801

こんな夢を見た。

私は精いっぱいのお洒落をして路地に立っていた。待ち合わせをしている。今日はデートなのだ。ほどなくして彼は現れた。

彼の髪は長毛種の大型犬に似ていて、ふわふわとパーマがかかっていた。挨拶をして、並んで歩く。他愛もない会話が私たちの間で交わされる。笑顔が素敵だ。街はそろそろ夜に染まりそうな時間だった。

私たちは食事をした。ウィンドウショッピングをした。楽しくて幸せでたまらなかったので思わず私は彼を抱きしめた。

彼には「腕」が無かった。

あったものがないのではなく、元から無いのだということを知っていた。腕という概念が存在しない事を知っているのは私だけで、愛おしさで胸がはちきれそうになった。



そして唐突に鳴り響く無残なアラーム音。地獄の朝が現実の私を殴りに来た。おはようございます。あたしの彼氏は幻でした。

普段であれば、「変な夢みたな」としか感じないが、その日嫌なことがあったときにふと、夢でおぼろげに見た彼氏を思い出したのだ。

すると、あふれるセロトニン!腹はポカポカ温かくなり、頬が緩んだ!

……え、いや、なんで?なんで変な夢の変な彼氏思い出して幸せになってるわけ?やば…?どうして?メンタル大丈夫?と自問自答を繰り返し、今後の為にも夢に現れた自分自身の深層心理を分析してみよう、そして色々対策を練ろう…と思いました。それをまとめたのが今回の日記の内容になります。前振りが長くてごめんなさいね。

最初に断っておくが、今回の話で現実世界において本当に身体の一部が無い事を良いとか悪いとか言いたいわけではない。それが好きとか嫌いとかでもない。分かって頂けるとは思うんですけども…。よろしくおねがいします。


まず第一の疑問はなんで彼氏に腕が無いの?という話だ。世界観としては、彼氏には「腕がない」のではなく、「腕という概念がない」というものだった。自分自身での解釈は「都合がいいから」じゃないかと思っている。

例えば今から誰かに危害を加えるとしよう。そしたらあなたはどうする?殴る?蹴る?投げる?刃物を持ちだす?それとも銃?

多くは物を手でつかむか、もしくは手を直接使うのが瞬発力があってすぐ選ばれるのではないかと思う。一回相手をダウンさせてから、追撃でキックが定石だろう。

つまり腕は暴力を発射しやすい、リスクたっぷりな部位となる。大胆にも私の夢はそれを取り除き、『なかったことにした』。オールフィクションしちちゃった。都合が良くて申し訳ない。

そして、腕がないと相手から触られることがない。これが最高だ。他人の体温って不意に感じると気持ち悪くない?満員電車の中とかゲロだよ。

こんな事言ってるから彼氏できねえんだって?うるせえ!その通りだ!明日はストレスの発散に散歩でもしようと思います。

みなさんも、「自分の嫌いな人間の部位が概念ごと無くなった世界」を想像すると、もしかしたら幸せになれるかもしれませんよ。ほんまか?知らねえ!自分で考えろ!また来世!

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