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【映画感想文】耳をふさげながら、「ソボク」を観る

 銃の音、それは私の弱点。映画見に行くとき、銃の音がありそうな作品は絶対観ない。時々判断ミスで、選んだ作品の中に銃が登場して、その一秒の音で、まるで自分が撃たれたように、体が急に震えている場合がある。 

 だから、「ソボク」上映される前、予告編を見た私は、おそらく映画館でこの映画を観るのは無理だろう。どう見ても銃の登場シーンがいっぱいありそうで。だが、いくつかの理由で、「ソボク」を観ることにした。 

 まず、韓国の俳優といえば、コン・ユーが演じた作品が結構好き。だが、映画館の大きなスクリーンでは、まだコン・ユーを観たことがなかった。そして、予告編でも感じられるクローンという斬新なテーマ。最後に、一人映画館好きの私、チケットを予約するとき、上映スケジュールの中で予約人数が少ない回しか選ばない。映画館と私とも空いている早朝、クローンという斬新なテーマ、しかもコン・ユー出演。銃の音がありそうな画面でたら耳をふさぐ覚悟を持ちながら、「ソボク」のチケットを買った。 

 韓国映画だからあふれている緊張感とストーリー性。コン・ユーだからあふれている冷酷でありながら心底のやさしさ。パク・ボゴムが演じた作品は観たことないとしても、クローンという特別な身分だからあふれている人間の生死にまつわる疑問に同感しやすい。 

 そして、何より恐怖の銃シーン。ギホンとソボク二人きりの時以外、銃の活躍はほとんどだった。ソボクを殺そうとしている人たち、その人たちを止めようとしている人たち、そして、黒幕の後ろにいる人たち。電話での遠距離指示、銃持ちながら車で尾行、いきなりの振り向く。銃の音は、ストーリーの進行に不可欠な一部。それに対して、私は、耳をふさげながら観るしかないのだ。 

 クローンであるソボクは、周りのなにもかもを信頼していない。最初護衛として登場したギホンのことも、本当はソボクを守りたいわけではなく、ただ自分が生き延びたいだけとしか思ってない。それは事実だが、二人は一緒にいる間、ますます心を開いた。途中ギホンはソボクをだましながらそのまま研究所に連れ戻そうとしても、嘘がばれて、大喧嘩をした二人は、海を向けて話し合って、お互いにやっと完全に信頼した。ソボクの行きたい場所に連れて行って、すでに死んだソボクの原型を観たら、研究所に行くことに抵抗しなくなった。 

 だとしても、研究所もソボクを利用したいだけ。ソボクの苦しい姿を見て、研究所の意図をやっと悟ったギホンは、研究所に向けて銃を挙げた。だが結局ソボクは、残り僅かの体力で、最後の反抗をした。人々の命を握っているソボクに、「やめてください、この人たちしんじゃうよ」っていうギホン。ソボクの意志で、ソボクを殺した。結局、ギホンは、お二人が心を開いたあの海辺に、一つの石を置いた。 

 耳をふさげながら観た「ソボク」。「逃げる?どこへ?」ソボクの疑問を思い出し、再度耳をふさげた。 

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