百五年のあゆみ 富貴堂小史補遺

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2017年03月 007/120

百五年のあゆみ 富貴堂小史補遺

 『七十年のあゆみ 富貴堂小史』という本は実在する。A5判・219p。奥付によれば「発行 昭和四十三年三月十二日(富貴堂創業七十周年記念日) 非売品/発行所 株式会社富貴堂 札幌市南一条西三丁目」。
 ところが、この札幌の書店「富貴堂」の名前は、「小史」刊行から35年7ヵ月余り後、2003(平成15)年の10月26日限りで消えてしまう。
 奇しくも「北海道100年」の年である1968年に70周年を迎えた富貴堂は、創業者中村信以(なかむら・のぶしげ)の1898(明治31)年の独立開業に始った。その後105年の長きにわたった冨貴堂の歴史が終わってしまったのは、残念なことだ。それと同時に、70周年からその終末までの35年間の富貴堂の歴史が記述されないままであることも、私にはとても残念なことであると感じられる。
 2018(平成30)年に「北海道150年」を迎えるこの北海道の地で、誰かが「富貴堂盛衰記 1898~2003年」的な本を書くなら、歓迎したい。そんな本をずっと待っているのだが出て来る気配はない。それどころが、その誰かに一番近いのは、どうやら私自身らしいのだった(その辺の経緯は、この小文の中で、おいおい明らかになると思う)。
 「百五年のあゆみ 富貴堂小史補遺」は、そんな誰かがこの小文に与えた題名である。そしてその補遺が、「富貴堂盛衰記 1898~2003年」本に繋がっていく一文であることを願っている。その本を誰が書いたとしても、最後の三分の一、1969年から2003年の35年間は「衰退記」としてしか書きようがないだろうとは思う。そして、その衰退期の35年間について触れるのが、この小文を書く上での、一つの目標・目的となっている。
 (筆者注:「ふう貴堂」の「ふう」表記には「冨」と「富」の両方がある。この文章の中でも、引用等の場合原本に従う形で、両方を併記する)

 まずは、『七十年のあゆみ 富貴堂小史』(以下「七十年のあゆみ」)がどんな本であるのか、その内容に触れるために、その<あとがき>を引用する。ちなみにこの<あとがき>は、奥付のページに、上に紹介した奥付の記載事項の直前に小さな活字で掲載されている。書いているのは、「もりせんじ」氏。

「「七十年のあゆみー富貴堂小史」は、本書の主文であるが、発行所の希望として、「地域の商業人としてどのように発展し成功したか。」ということともに、次のことにとくに重点をおいてまとめてほしい。「一個人の創意、努力、信念が近親・社員の力強い協力にささえられながら、どのように社会的に成長し、地域の文化センターのひとつとして定着し、今後どのような姿勢で発展の路線をたどるだろうか。」
 この希望が本書の編集の基本である。
 この基本にもとづいて、すでに故人になった深沢靖弘(富貴堂監査役)が永年にわたって収集記録した資料を緯とし、五十余年にわたる富貴堂の知遇に深い示唆を受けながら、今も本道の教育・文化の底辺に活動をつづけている私(北海道教育文化協会理事長)の社会的蓄積を経とし、これに西田庄太郎(富貴堂専務取締役)の綿密な補正を加えて、この主文をまとめた。
 (中略)
 北海道百年を機として、今後に期待される「北海道文化史」「道民生活史」の研究の一資料として、本書が活用されることを衷心から念願するものである。                   (もり せんじ)」

 70周年前後の富貴堂は、その営業活動上の最盛期にあったと言っていいだろう。実際に、「七十年のあゆみ」においても、「昭和期 三 興隆期 昭和二十七年から四十二年まで」として、30頁近い記述がなされている。
 それに続くはずの、記述されない2003年までの約35年間の転変の一端を知るために、閉店時の新聞記事を引用するところから始めたい。
 北海道新聞・2003年(平成15年)10月25日付けの記事「文化育て105年 老舗書店が幕 札幌・冨貴堂 大手進出影響、あす」

 「「かつて「東北・北海道一」とうたわれた札幌の老舗書店「冨貴堂」の名が二十六日限りで消える。パルコブックセンター冨貴堂(札幌市中央区南一西三)は、親会社であるパルコ(東京)などが売り上げ低迷を理由に閉店を決めた。明治・大正・昭和と札幌の文化振興に貢献した老舗は、書店業界の再編の中、ひっそりと幕を下ろす。
 冨貴堂は京都出身の中村信以(のぶしげ)さんが一八九八年(明治三十一年)、現在の札幌市中央区南二西三で創業。貸本や訪問販売も手がけ、同区南一西二を経て一九〇六年に同区南一西三に移転。三階建ての大店(おおだな)を構え、全道の教科書販売を一手に担った。教材、楽器などを幅広く扱い、出版活動にも手を染め、多くの文化人を育てた。
 戦後も学習参考書販売で全国五指に入るなど存在感を示したが、七〇年代に東京の大手書店が相次いで札幌に進出。七五年、同区南一西三に進出したパルコ七階に移転。やがて「パルコブックセンター」を展開するパルコ子会社の傘下に入り、八一年、「パルコブックセンター冨貴堂」に。今年二月、パルコの大改装で、規模を縮小して八階に移転していた。旭川冨貴堂は、冨貴堂からのれん分けして創業した別な会社だ。
 札幌では、出版不況を背景に大手全国チェーン店の大型化が進み、歴史ある地場書店の縮小・廃業が相次ぐ。「アテネ書房」(同区北二西三)の城馬秀子社長は「戦後創業したころ、札幌駅を降りて来る客に冨貴堂はどこかと聞かれ、いつかはああなりたいと思った。寂しい限り」と話している。」
 写真は二枚掲載。上:1919年(大正8年)ごろの冨貴堂(「さっぽろ文庫78」から転載)。下:閉店するパルコブックセンター冨貴堂。」 ちなみに、「アテネ書房」は、2013(平成25)年6月30日をもって閉店している。

 インターネット上で拾った(「冨貴堂」で検索をした結果辿り着いた)。株式会社パルコの内部文書も紹介しよう。なぜそんなものがWEB上にあったのか、いまだに謎なのだが。
 日付記載は「平成16年2月25日」。「パルコブックセンター冨貴堂」閉店から約四カ月後である。

「各位
 
会社名 株式会社パルコ
 代表者名 代表執行役 伊東 勇
 問合せ先 常務執行役 コーポレート室長 小嶋一美

子会社の解散に関するお知らせ
本日(平成16年2月25日)開催いたしました取締役会において、子会社の解散を決議いたしましたのでお知らせいたします。


Ⅰ 株式会社クレストンホテルの解散について
(中略)
Ⅱ 株式会社冨貴堂の解散について
1. 解散の理由
株式会社冨貴堂は、札幌パルコにおいて書籍販売を行ってまいりましたが、マーケット変化による改装の一環として、平成15年10月をもって営業を終了しましたので、同社を平成16年2月29日付で解散することといたしました。
2. 会社の概要
名称 株式会社冨貴堂
所在地 北海道札幌市中央区南一条西三丁目6番地
代表者 代表取締役社長 小嶋 一美
資本金 15百万円(当社100%出資)
事業内容 書籍販売
3. 当社に及ぼす影響
 同社の解散による当連結会計年度(平成16年2月期)における影響は軽微であり、業績予想に影響はありません。
                              以上」

 株式会社パルコの「常務執行役 コーポレート室長」小嶋一美氏と、株式会社冨貴堂の「代表取締役社長」小嶋一美氏は、同一人物と考えてよかろう。
 登記上で子会社の代表取締役社長となっていた親会社の役員が、開拓期北海道に渡り立志伝中の人物となった創業者中村信以から始まった富貴堂の、最後の幕を下ろしたことになる。親会社の「当社100%出資」とあれば、創業者一族の意向など汲まれるはずもなかっただろう。ましてや札幌市民が老舗書店をセンチメントにまかせどれほど惜しもうが、それは一地方の少数住民の都合でしかなく、東京の資本家たちが斟酌する物事ではない。結果として、「軒を貸して母屋を取られる」のこれほどの好例もないだろう。
 1969年から2003年の35年間は長い衰退期ではなく、最後の25年ほどは「死に体」期であったと言ったほうが近いかもしれない。なにせ親会社にとって、解散しようがしまいが「影響は軽微」な一店子でしかなくなっていたわけだがら。
 そして、誰が富貴堂を殺したか、ということになると、善良なる札幌市民もまた下手人の一人ではなかったかという気持ちを拭い去ることができない。そしてその札幌市民の中には、もちろん自分自身も含まれているのだが。


「札幌「富貴堂」1913(大正2)年の新刊目録 ~この広告を纏めて書籍目録とせられたし~」

 さて、ここで少し遠回りして、富貴堂の歴史と対照させる形で、「ブックスボックス 田原書店」店主である私の自分自身の歩みを書いておきたい。なぜ私が、富貴堂について書いているのか多少なりともご理解いただきたいからである。しばし、お付き合いのほど。

 戸籍上はっきりしている限りでは、私の祖先は、1905(明治38)年福井県から北海道利尻島へ移住している。『七十年のあゆみ 富貴堂小史』によれば、その年、信以は開拓期札幌の先行営業書店であった進振堂の店舗を買い受けている。その翌年1906年3月に南一条西三丁目(つまりは現札幌パルコのある場所)に移転する。
 1958(昭和33)年に私は生まれたが、その年は「富貴堂会長中村信以、開道九十周年記念式典において北海道知事より開発功労者として感謝状を受ける」(『七十年のあゆみ 富貴堂小史』より)とある。「札幌市人口 四六七、八一四」(同書)。
 私が利尻島を離れ、高校通学のため札幌に出てきたのは1974(昭和49)年。その翌年1975年に札幌パルコ開店、富貴堂は自社建物を失い、店舗はパルコ内の一テナントとして存続していくことになる。ちなみに、高校時代の私の行きつけの書店は、国鉄を使っての「汽車」通学だったため、札幌駅ステーションデパート内の弘栄堂書店が主で、何か特別な探し物があるときは大通西一丁目の紀伊國屋書店を利用した。そんなわけで、パルコ内とはいえ、富貴堂書店にほとんど足を運ばなかったことが悔やまれる。
 東京圏での学生生活、関西圏での社会人生活を終え、独立開業を目指し北海道にJターンした1997年、富貴堂はすでに株式会社パルコの完全子会社「株式会社冨貴堂」だった(創業者信以の孫で三代目社長を務められた中村康氏は、1999年に亡くなられる)。
 1997年12月個人事業主として屋号「ブックスボックス」を創業し、冨貴堂閉店の年2003年の2月に法人化「有限会社ブックスボックス」を設立した。2006年に古物商許可を受け、インターネット古書店「ブックスボックス田原書店」を開業。
 不思議なことに、いつどこでそれを仕入れたのかまったく記憶にないのだが、『七十年のあゆみ 富貴堂小史』がいつの間にか書棚の片隅にあった。残念なことに「函欠」のため通常流通価格での売り物にもできず、放置しておいたのが逆に良かった。一読し、信以の創業時の奮闘の鮮やかな印象と、70周年時点ではずいぶん景気がいいようだがなぜ潰れたという疑問が、残った。
 そんな折、大正100年を迎えた年(2011年・平成23年)、100年前の地元札幌の新聞記事で、富貴堂と中村信以と再会することになったのだった。中村信以その人の人格に強い興味を抱いた私は、古書店主として小さな企てをし、その中で下の文章を書くことになる。

「札幌「富貴堂」1913(大正2)年の新刊目録 ~この広告を纏めて書籍目録とせられたし~

 「富貴堂」は1898(明治31)年創業、長らく札幌一番街で営業を続け、2003(平成15)年に閉店した書店です。
 創業者は、中村信以(なかむら・のぶしげ 1875‐1962 京都府生まれ)。信以が初めて北海道を訪れたのは1893(明治26)年、19歳のとき。札幌を永住の地と定め、1898年3月12日に狸小路三丁目に書店を開いたのが「富貴堂」の始まりでした。
 1906(明治39)年、南一条三丁目に移転し、以後閉店のときを迎えるまで、「富貴堂」はその地で営業を続けます。そこは、札幌の商業の発祥地ともいうべき、歴史を誇る札幌一番街の一角でした。

 1913(大正2)年2月から「富貴堂」は、日刊紙「北海タイムス」上に、「富貴堂の新着」という目録形式の広告を原則毎土曜日掲載します。「この広告を纏めて書籍目録とせられたし」というコピー文とともに。今からちょうど百年前のことです。
 果たして、その時代の読者の幾人が、実際に「纏めて書籍目録と」したものだろうか?と、マイクロフィルムで北海タイムスを閲覧しながら、頭に浮かびました。その時代に自分が生き、北海タイムスの読者であったなら、どうしたであろうか、とも。

 以下、2013年4月末日発行の「ブックスボックス 田原書店」古書目録 第4号」中に、「富貴堂の新着」1913(大正2)年2月から4月分の書籍データを転載し、2013年現在の書誌データを必要に応じ追加記載し、100年後に纏められた「富貴堂の新着」目録といたします。

 この目録の目録を通して、100年前の札幌の書店の書棚の様子と、開拓者精神に溢れた書店主・企業経営者の選書眼と、本を通して100年前の世界とその時代とこの土地の姿が、浮かび上がってくることを望んでいます。

 なお、この新聞紙上の「富貴堂の新着」目録形式がいつまで継続されたのか、現在調査中です(1913年内の掲載は確認しています)。次号からの「ブックスボックス 田原書店 古書目録」で、100年前の広告目録を随時目録化して掲載する予定です。

 ご高覧の上、ご感想・ご意見・ご助言等いただければ幸いです。また探究に努めますので、目録中の書籍の入手をご希望される場合は、どうぞご一報くださいませ。
  2013年4月30日
               ブックスボックス 田原書店店主 
                        田原ヒロアキ」

 この古書目録の富貴堂記述を目にされた、北海道新聞記者K氏より、同紙面で富貴堂について書いてみないかとお誘いを受けた。こちらの帰道から程なく、知遇を得たK氏には、和綴じ手製本限定100部(実際は50部ほどしか製作できなかった)のうちの一冊を献呈していたのだった。(ちなみに、この目録の現物は、札幌市中央図書館で閲覧可能。「ブックスボックス」で検索されたし。)
 その寄稿文の題名は「冨貴堂1898~2003年」。上下に分けて、上:2013(平成25)年12月18日夕刊、下:2013(平成25)年12月19日夕刊、にそれぞれ掲載。以下に引用する。

「筆者プロフィール「田原洋朗 たはら・ひろあき 58年宗谷管内利尻町生まれ。高校時代を札幌で過ごし、専修大学卒業後、大阪での会社勤めを経て、コンテンツの企画制作販売を行う有限会社ブックスボックスを設立。現在は、インターネット古書店の運営・手製本の制作も手掛ける。札幌在住。」

(上)

「「冨貴堂は、北海道の中央首府札幌にありて、あまねく内外の書籍・楽器・文房具・運動具を始め学校用器具・理化学器械に至るまで、すべて教育上必要の機関を最も低廉に最も迅速に全道に供給するを使命と信じ、事業の発展に伴い、有益なる図書を発行して、顧客の殊遇に酬いん事を期す」
 今からちょうど100年前、1913年(大正2年)に発行された「内村先生講演集」(内村鑑三、札幌農科大学基督教青年会編、東京・警醒社書店/札幌・冨貴堂書店)巻末に、この標語が掲げられている。
 冨貴堂は、1898年(明治31年)創業、2003年に閉店した札幌の書店で、明治・大正・昭和・平成にまたがる105年の間に、一書店としてだけではなく、地方出版の担い手として、また文化振興の拠点として、歴史をかたちづくってきた老舗中の老舗だった。札幌近郊にお住まいの本好きの方には、また記憶に新しい「町の本屋」かもしれない。
 創業者中村信以(のぶしげ)は、1875年京都の生まれ。初めて北海道を訪れたのは93年。渡道後、近江長浜出身ですでに油屋を営んでいた「大丸藤井」創業者の一人藤井太三郎のもとで修業を重ねた。熱心で敬虔なクリスチャンであった藤井の影響を強く受け、信以は自らもキリスト教に入信。内村鑑三らが創設した札幌独立教会での受洗だった。
 太三郎の教えは「商売はもうけようと考える前に、ある所からない所へ、一日も早く、一銭でも安く届けて、客の便宜を計ること」であったと、冨貴堂3代目で信以の孫の中村康は連載記事「本と冨貴堂」(北海タイムス、1981年7月~8月)の中で述べている。
 その信以が、札幌を永住の地と定め、藤井商店からの独立を果たし、1898年3月12日に狸小路3丁目に貸本屋を開いたのが冨貴堂の始まりである。
 1906年、冨貴堂は南1条西3丁目に移転する。現在札幌パルコが建つその地は、札幌の商業の発祥地ともいうべき、一流店が軒を並べることで「巨商街」と呼び習わされた、「札幌一番街」の一角だった。
 1913年2月からは、「北海タイムス」紙上に「冨貴堂の新着」と題された目録形式の広告を、毎土曜日に掲載しはじめる(当初は日曜)。その謳い文句にいわく、「此広告を纏めて書籍目録とせられたし」。
 折しも、2013年春、札幌の古書店主でもある私は、自店の古書目録を製作中で、ちょうど100年後に、その目録広告を見つけてしまった奇縁を思い、自分の作る目録の中にこれを再現してみようと思い立った。そして4月、当時の「冨貴堂の新着」を付録として収録した、「ブックスボックス田原書店 古書目録 第4号」を発行した。
 「冨貴堂の新着」には「此広告を纏めて書籍目録とせられたし」「毎土曜掲載」「札幌南一条西三 電話二五七 振替東京一七二二」などの表記があり、十数冊の新刊書の、題名、著者名、出版社名、商品代金、送料が掲載される。それをベースに、私が知りうる範囲で書誌データを追加・修正して、2013年版の1913年版目録とした。
 例えば、1913年3月15日掲載分の一部。「科学小説 ?之人 堀口熊二訳 東亜堂発行 定価八十銭 送料八銭(以下田原の追加注=H・G・ウェルズ『The Invisible Man』 東亜堂書房 1913)」
 掲載されている本のほとんどはまったく未知の書籍だった。しかしながら、インターネット検索の工夫を重ねれば、その存在に辿り着けない本もまたほとんどない。自分自身の知識の無さに古書店主失格ではないかと自問しながらも、100年前の札幌の新刊書店の書棚をより正確に再現していく作業は、興味深く面白いものだった。
 この「目録の目録」製作を通じて、漠然とした概念でしかなかった「100年前」が、今現在と変わらぬ側面を持った「つい最近」と感じられるようにもなった。内地の各所から配送された本が札幌の一書店の書棚に納まり、それを薦めて売る人と興味を持って読む人と購う人がいて、商売と文化活動と日々の生活が続いていく。なんの変わりがあるのだろう、と。
 目録形式の広告は1914年末まで続き、15年以降は(以降「も」というべきか)「此広告を纏めて書籍目録とせられたし」とは謳わない「冨貴堂新着週報」として、少なくとも18年(大正7年)2月までは新着書籍広告が続いた。」

(下)

「 冨貴堂の創業者中村信以は、勤勉実直な努力の人であったと同時に、目録広告に垣間見られるように、先取性・先見性に富んだ挑戦者でもあったのだろう。
 1901年(明治34年)には、出版事業を始めた。「北海道旅行唱歌」が初めての出版物で、「当時、唄われた鉄道唱歌に刺げきされたものだが、師範学校国語科教諭、石森和男(童話作家石森延男の父)の作詞、音楽教諭玉川瓶也の作曲になるものであった」と、中村康「本と冨貴堂」の中に記されている。
 以後35年(昭和10年)頃まで、書籍販売と並行して出版事業が続く。北海道周辺地図、観光絵はがき、開拓や兵営の手引、受験問題集から、内村鑑三「内村先生講演集」、イギリス人宣教師でアイヌ文化研究者ジョン・バチェラーの「アイヌの炉辺物語」まで、多種多様で旺盛な活動だった。
 また、楽器部が札幌の音楽界に果たした役割も大きなものだったようだ。
 北海道を代表する建築家であった田上義也は、関東大震災直後に東京から札幌へ渡り、偶然出会ったバチェラー師の紹介で、まず音楽家として、冨貴堂2階でバイオリン教授を始める。やがて、フランク・ロイド・ライトの元で建築を学んでいたと知れると、冨貴堂の一大顧客であった医師関場不二彦の邸宅を設計することとなり、建築家としてのキャリアを積んでいく。
 黒澤明監督作品の音楽を多く担当した早坂文雄(北海中学出身)も、冨貴堂楽器部の常連であり、田上と早坂は、札幌新交響楽団で、指揮者と楽団員として邂逅することになる。
 戦前の早い時期には、冨貴堂主催の音楽会も数多く開催された。藤原歌劇団を創設したテノール藤原義江の「帰朝独唱会」と銘打った演奏会が行われたのは、27年9月のことで、冨貴堂も中心的に関わった。

 このように、いまだ開拓地の色を強く残していた北海道で、信以が持ち合わせた開拓者精神は、冨貴堂という一大ブランドを生み、その存在は札幌・北海道に大きな実りを与えた。
 信以の死から6年後の68年、冨貴堂は創業70年を記念し、「七十年のあゆみ 富貴堂小史」を発行する。くしくもそれは、明治100年・北海道100年を記念する年だった(ちなみに「冨貴堂」の表記には「冨」と「富」の両方があり、目録広告でも混在している。70年史は「富」だが、閉店当時の社名は「株式会社冨貴堂」である)。
 それによれば、2代目中村富蔵の応召に始まり、入荷商品の激減、社員の応召・徴用による売り場縮小等、戦時下の多大な困難を乗り越え、日本全体の景気が回復し始めた51年には、富蔵長男の康が入社、祖父・父・子3代が協力して経営に当たったという。
 52~67年にかけての15年ほどが、冨貴堂の経営的な隆盛期ともいうべき時期だったらしい。売り上げが約束されている教科書供給所としての業務を収益ベースに、東京以北の文化センターの地歩を固め、会社組織の近代的改組、売り場拡張と新店開店を続けている。その間、信以は開拓功労者として表彰され、富蔵は出版物小売業界内で全国的な役職を歴任していく。
 しかし、札幌の老舗として安定した営業を続けているかに見えた冨貴堂も、大きな時代の変化の波に飲み込まれずにはいられなかった。70年代以降、東京の大手書店が相次いで札幌に進出し、広い売り場と合理的な経営で、地場書店を圧倒していくことになった。
 「七十年のあゆみ」発行からわずか7年後の75年、南1条西3丁目に「札幌パルコ」ビルが新築され、冨貴堂は自社ビルを失う。一テナントとして営業を続けていた77年、パルコの完全子会社となり、約四半世紀後の2003年に「パルコブックセンター冨貴堂」という名のもと、閉店の日を迎えるに至った。
 2013年は、札幌の老舗書店閉店の報道が相次いだ。冨貴堂消滅から10年、この間のインターネット販売の進展を考えれば、当然の成り行きかもしれない。小規模・小商圏での書店業はもう成り立たないのではと予測せざるを得ない。と同時に、この時代に信以が生きていたら、何をどうするだろうと思わずにはいられない。そして自問する。札幌の書店主として、自分は信以ほどの情熱とアイディアをもって、事に当たっているだろうかと。
 100年前の信以が夢想だにできなかった今をわれわれは生きている。一つ確実に言えることは、今がそうであるように、われわれから100年後も誰かが、本を読んでいるということである。その本がどんな形であれ、場所が札幌であれ世界のどこかであれ。
 その100年後の読者のために、信以の精神に倣い、日々の営業を続けていくことにしよう。冒頭に掲げた、北海道の地平を切り開いていこうという信以の冨貴堂標語に呼応して、100年後にも読む価値と製本の質を兼ね備えた本を選書し続けるしかあるまい。
 「目録の目録」を作る旅はこれからもまだまだ続く。」


「富貴堂」が「パルコブックセンター冨貴堂」に変わった1981年に中村家姉弟が書き残したもの

 さて、寄稿記事に対する反応は、数はそれほど多くはないが、充分すぎるものであった。
 紆余曲折の末、冨貴堂3代目社長、故中村康氏のご令姉上出志津氏と未亡人中村隆子氏の面識を得たのである。ともどもに、北海道新聞の当該記事を読まれ、書いたのは一体何者なのだ、と思って噂をして下さってもいたらしい。
 志津氏は1927(昭和2)年生まれのご高齢ではあるものの、記憶も確かで明朗快活かつ談論風発な女性だった。現在は札幌市清田区のケアハウスに単身入居されている志津氏を、札幌・山鼻地区から隆子氏を車の助手席に乗せ、何度か訪ねた。昭和期のほぼ全部を生き冨貴堂の社員でもあった志津氏と、康氏との結婚で1960年に初めて北海道の地を踏みそれ以来半世紀を札幌で暮らし二人の娘さんを育てた隆子氏との会話は楽しいものだった。
 そして当然、冨貴堂の最後の35年間周辺の事どもも話題に上り、その歴史の内幕について多くを知ることもできた。その事どもをここに書くことはしない。自分の中で、まだその機は熟していないと思われるからだ(メモは残しておく)。「小史」でもその「補遺」でもない、正史を、「富貴堂盛衰記 1898~2003年」を書く日が来ることを願っている。
 それは、もりせんじ氏が『七十年のあゆみ 富貴堂小史』のあとがきに書いているような、「北海道文化史」「道民生活史」の側面を持つことは間違いないだろう。

 さて、奇しくも「富貴堂」が「パルコブックセンター冨貴堂」に変わった1981年に、上出志津氏と故中村康氏の双方が、富貴堂に関する記事で北海道の主要新聞紙面上に登場する。
 康氏のものは、北海道新聞寄稿の拙文にも登場する「本と冨貴堂」で、志津氏のものは、北海道新聞が募集した読者のノンフィクションへの応募原稿を、北海道新聞渡辺克己記者が、志津氏へのインタビューを交え再構成した記事となっている。

 中村康氏、北海タイムス・昭和56年8月26日(水曜日)夕刊6面「本と冨貴堂」20

「20.「光栄ある家業」「 祖父のくせであった『もう話す時間はないが…』と言ってから、一向に熱のさめない話がよく続いた事を思い出すが、この連載もここまでくると、もう紙面に余裕はないが…と書きながら次々と、いろいろな話がつきなく出てきそうである。
 明治、大正、昭和の長い歴史の歩みを緻密に追っていくと、その時々の教育や文化、社会、地域社会の動向と共に膨大な記録をつづらねばなるまい。初代信以が仕事に情熱を燃やす一方で、キリスト教精神を柱とする店員教育に特に力を入れていた指導力は、当時の流れからみて正解である。自ら学び、そして語り、教え、行動し、正しいと信じたその生き方を相当強引に、朝の集まりや店頭の現場で教え込んでいったその教え方は、創業者ならではの強力な指導力でなかったかと思う。
 少年時代、藤井太三郎から受けた『商売はもうけようと考える前に、ある所からない所へ、一日も早く、一銭でも安く届けて、客の便宜を計ること』という奉仕の精神を貫き商道を歩んでこれたことは、ある意味で信以にとって幸せであった。何故なら、何人といえども信以のその一貫した精神を砕き、あるいは挫折させることは出来なかったし、良い方向へ方向へと時代の波と共に成長できたからである。
 朝起きてから床につくまでのすべてが信以の商いの活動の場であり、朝の集まりの言葉の材料でもあったように思う。最近は唱和することはないが、冨貴堂の堂歌をみると、冨貴堂の在るべき姿や、地域社会での存在理由を示す言葉が随所に表現されていて、身が引きしまる。その一部『精神(こころ)の糧を輸(おく)るべき 貴き使命我にあり 思えば光栄ある我が家業 思えば重き我が任務』『神の御言を守りつつ 奉仕の心ゆるめずば いよいよ栄えん冨貴堂 ふるいて立たん諸共に…』と。
 時は流れ、歴史は変革していく。信以夫妻、冨蔵夫妻は今、神のもとでこの札幌を、ゆれ動く経済界の様に見つめているだろうか。九月九日には冨貴堂はじまって以来初めての同窓会が催され、十月九日には祖父母没後二十年、父の死後十年、母が逝って一年、その記念の会を持とうと思っている。」

 上出志津氏、北海道新聞・昭和56年(1981年)1月18日(日曜日)12面[家庭]・「北海道に生きて 読者のノンフィクションから19」「涙箱の行商から 上出志津さん(五十三)=札幌市西区山ノ手三条六丁目」

「(前略)「大型書店が進出」「祖父が他界した三十六年ごろから、中村家には相続税がのしかかってくる。さらに四十七年、紀伊国屋が札幌に店を出したのを手始めに東京の三省堂、弘栄堂、大阪の旭屋などの大型書店が相次いで札幌に進出し、環境が一変する。これはホテル、デパート、スーパー、キャバレーなどでの資本攻勢と軌を一にするものだった。冨貴堂は四十五年に三代目が引き継ぎ、店を合名会社から株式会社に変え、労組も誕生した。五十年に西武パルコに土地を提供し、自らは新装成った大型店舗ビルの五―六階に収まり、守りの態勢を固めた。いま。店内を一巡してみると、往年の店と比べて、楽器、スポーツ用品、理科学器材などが見当たらないことがわかる。営業を書籍雑誌・文具、教科書に絞ってわきを固めているのだ。

 「神は愛なり」という聖句を、聖書にかたどった石に刻み込んだ祖父母の墓が円山にたち、隣に父の墓もたった。毎年私はそこにもうでる。そして移り行く時代の中で、「呼吸している店」のことを報告する。そこに眠る祖父母の願いをかみしめながら。
 私は北海道に生まれ、育ち、これからも生きていく。北海道弁をつかい、仕事をする。円山から見はるかす札幌の風姿の変化を感じながら、四季折々にこの美しさを持つ札幌の町を愛し続けていける、と確信する。

 本社事務室が入っているビルの地下喫茶店で、志津・康さん姉弟と、しばし語らった。三代目は言葉を選びながら熱っぽく、明日の経営を論じる。「姉の娘時代は、わが家は北海道の富貴堂だった。いまはそうでなく厳しい商売をしている。時代の変わりめなのだと思う。私は先祖が築いてきた灯をともしながら、急成長し進出した新しい企業との調和点を探し続けて行かねばならない」と。姉と弟は、互いに納得し合う目で、うなづき合っていた。」


百五年のあゆみ 富貴堂小史補遺 ブックガイド

ブックガイド凡例 『書名』・著者編者訳者などの名前・(出版社名 初版刊行年)・[コメント][随時、追加・追記・修整します]

『七十年のあゆみ 富貴堂小史』
 発行 昭和四十三年三月十二日(富貴堂創業七十周年記念日) 非売品
 発行所 株式会社富貴堂 札幌市南一条西三丁目
 A5判・219p

[ 日刊紙「北海タイムス」上の、目録形式の広告「富貴堂の新着」、の目録完全版 はまだできていない。
 また「北海道の出版社」としての富貴堂の出版物の書誌リストも目にしたことがない。
 双方、作っておきたいところ。
 叩き台として、このスペースに、メモ的に情報・データを、記載・追記・追加しておきたい。

以下、引用。

「ブックスボックス 田原書店」古書目録 第4号」付録
札幌「富貴堂」1913(大正2)年の新刊目録
~この広告を纏めて書籍目録とせられたし~

凡例:
【 1913年4月5日(土曜日)3面
「富貴堂の新着」「此広告を纏め書籍目録にせられたし」「毎土曜掲載」
「毎土曜カワリマス」「切手代用不苦」
「札幌南一条西三 電話二五七 振替東京一七二二」

最近解説 たまつき術 小和田嘉一著 博文館発行 定価一円二十銭 送料八銭 (撞球図解)                     】
   ↓
【 掲載年月日 (曜日) 掲載面
 表題・コピー文・店舗情報等

「北海タイムス」掲載文 ※漢字体・仮名遣い等一部変更あります (追加書誌データ ※2013年4月 ブックスボックス 田原書店 田原ヒロアキによるものです) 】

1913年5月3日(土曜日)3面
「富貴堂の新着」「此広告を纏めて書籍目録にせられたし」
「毎土曜カワリマス」「日曜日夜間休業」
「札幌南一西三 電話二五七 振替東京一七二二」

教育の生理的基礎 塚原政治著 弘学館発行 定価一円十銭 送料十二銭 (ルーベン・ポスト・ハレツク 1913)

昨年の欧米 第二巻 原勝郎著 富山房発行 定価七十五銭 送料八銭 (1913?)

読画楼間話 竹越与三郎著 二酉社発行 定価一円三十銭 送料十二銭 (1913)

ジュリヤスシーザー 坪内逍遥訳 富山房発行 特価一円卅五銭 送料八銭 (シェイクスピア)

現代名家一人一景 泉斜汀著 応来社発行 定価五十銭 送料六銭 (1913.4 348p 16cm)

陸文学講話 横山又次郎著 早稲田大学出版 定価一円九十銭 送料十二銭 (早稲田大学出版部 1913.4 314p 23cm)

フアウスト 町井正路訳 東亜堂発行 定価一円 送料十二銭 (ゲーテ)

人間学 続篇 村上浪六著 大江書房発行 定価八十五銭 送料八銭 (居家処世人間学 1913)

日本人長所短所論 佐藤正著 東亜堂発行 定価一円四十銭 送料十二銭 (東亜堂書房 1913.4 23cm)

妊娠十ヶ月 指田たね子著 弘学館発行 定価六十五銭 送料八銭 (大友道之監修)

お医者論 青風白雨楼著 東亜堂発行 定価七十銭 送料八銭 (青風白雨楼主人 東亜堂書房 222p 23cm)

論理学要義 千頭清臣著 金港堂発行 定価一円五十銭 送料十二銭 (金港堂書籍 1913 436p 22cm)

曾呂利新左エ門 八木白村著 大屋書房発行 定価四十五銭 送料八銭 (「曽呂利新左衛門」 八木白村編著 1913.9 253p 19cm)

1913年5月10日(土曜日)3面
「富貴堂の新着」「此広告を纏めて書籍目録にせられたし」
「毎土曜カワリマス」「日曜日夜間休業」
「札幌南一西三 電話二五七 振替東京一七二二」

明治天皇御聖徳 土方伯謹著 鍾美堂発行 定価一円五十銭 送料十二銭 (土方久元,・伊東祐亨著 鍾美堂書店 1913.4  23cm)

小品文集 椿 田山花袋著 忠誠堂発行 定価三十五銭 送料六銭 (現代小品叢書 第1編)

英訳独歩集 アーサーロイド 英語研究社発行 定価一円二十銭 送料十二銭 (国木田独歩 1913 参照:黒岩比佐子 「古書の森日記」2008年03月04日「国木田独歩、アーサー・ロイド訳『英訳独歩集』(1913)」blog.livedoor.jp/hisako9618/archives/51304948.html )

巨人 星亨 伊藤痴遊著 東亜堂発行 定価一円五十銭 送料十二銭 (東亜堂書房 1913)

青年思想論 黒岩涙香著 朝報社発行 定価二十五銭 送料六銭 (講話叢書)

怪傑袁世凱 関谷越山著 実業之日本社 定価一円 送料十二銭 (関谷,充郎 1913 410p 23cm)

ホシナ大探偵 押川春浪著 本郷書院発行 定価六十銭 送料八銭 (険奇探偵小説 1913)

最新 育児のをしへ 瀬川医学博士著 至誠堂発行 定価八十銭 送料十二銭 (瀬川昌耆 至誠堂書店 1913)

少女文庫 桃割れ 東俊造著 実業之日本社発行 定価二十銭 送料四銭 (東草水 1913)

人形の家(ノラ) 島村抱月訳 早稲田大学出版 定価九十銭 送料八銭 (「人形の家 イブセン傑作集」 イプセン 早稲田大学出版部 1913)

営業開始案内 二巻 石井研堂著 博文館発行 定価一円三十銭 送料八銭 (「独立自営営業開始案内」)

印度探検 関露香編 博文館発行 定価九十銭 送料八銭 (「印度探檢 本派本願寺法主大谷光瑞伯」 關露香 1913.4 326p 23cm)

ナイチンゲール 高橋正熊著 内外出版発行 定価五十銭 送料八銭 (名婦伝 第1編 内外出版協会 1913 178 p 19 cm)

1913年5月17日(土曜日)3面
「富貴堂の新着」「此広告を纏めて書籍目録にせられたし」
「毎土曜カワリマス」「日曜日夜間休業」
「札幌南一西三 電話二五七 振替東京一七二二」

世界傑作短篇叢書 岡田実麿訳 北文館発行 定価五十五銭 送料六銭 (※ 各冊の情報はなし エドガー・アラン・ポー「甲虫・渦巻・没落」1913か)

小説 暁 黒瀬二水著 興楽房発行 定価九十銭 送料八銭

小学校内容改善に関する実地研究 末武政一著 目黒書店発行 定価一円十銭 送料十二銭

名花写真図説 梅邑右源治著 実業之日本発行 定価六十銭 送料八銭 (森田喜平 実業之日本社 1913)

経済財政横義 堀江帰一著 実業之日本発行 定価一円二十銭 送料十二銭 (※「経済財政講義」と思われる)

柑橘栽培 高橋郁郎著 成美堂発行 定価一円七十銭 送料十二銭 (成美堂書店 1913.5 452p 23cm)

善行表彰録 続編 武田仁恕著 博文館発行 定価八十銭 送料八銭 (「明治国民善行表彰録 続編」 1913 344p 23cm)

芭蕉句選講話 沼波文学士著 東亜堂発行 特価六十銭 送料八銭 (※「春の巻」か 沼波瓊音 東亜堂書房 1913)

遊女の文学 井淵柳影著 辰文館発行 定価六十銭 送料八銭 (1913 242p 19cm)

幼年教育百話 田村直臣著 警醒社発行 定価一円二十銭 送料十二銭 (警醒社書店 1913.5 770p 20cm)

新理科教授法 棚橋源太郎著 宝文館発行 定価一円二十銭 送料十二銭 (1913.5 326p 23cm)

農業教授の理論及實際 大塚孫市著 六盟館発行 定価二円八十銭 送料十六銭 (「小學校に於ける農業教授の理論及實際」 加治屋哲合共著 1913.4 780p 23cm)

実用家政の整理 味岡,貢著 博文館発行 定価四十五銭 送料八銭 (家庭百科全書 第47編 1913 332p 23cm)

1913年5月24日(土曜日)3面
「富貴堂の新着」「此広告を纏めて書籍目録にせられたし」
「毎土曜カワリマス」「切手代用不苦」
「札幌南一西三 電話二五七 振替東京一七二二」

文藝叢書 膝栗毛全集 饗庭篁村校訂 博文館発行 定価一円 送料十二銭 (「道中膝栗毛全集」 文藝叢書 第4冊 1913.5 814p 23cm)

淬励録 平田東助述 実業之日本社 定価七十銭 送料八銭 (勝屋英造編 1913 252p 22cm)

世界の新しいふらんす女 青柳有美著 東亞堂発行 定価七十銭 送料八銭 (東亞堂書房 1913 290p 20cm)

名僧奇僧怪僧 武侠世界社編 興文社発行 定価四十五銭 送料八銭 (武侠世界社編輯所編 1913.5 224p 19cm)

産褥婦と初生児の看護法 緒方正清訳 丸善発行 定価一円卅銭 送料八銭 (Walther, Heinrich.「Leitfaden zur Pflege der Wöchnerinnen und Neugeborenen.」 ハインリッヒ・ワルテル著 緒方正清・梅山英俊訳 1913.4 279p 22cm)

古今相撲評話 武侠世界社編 興文社発行 定価七十銭 送料八銭 (※出版社は武侠世界社か? 1913 392p 19cm)

社会問題の根本観念 飯島幡司著 宝文館発行 定価一円廿銭 送料八銭 (国民経済叢書 津村秀松編纂 第二册 1913.5  370p 23cm)

小説 女の一生 森田草平著 春陽堂発 定価一円 送料十二銭 (1913)

通人物語趣味の東京 湯浅竹山人著 鈴木書店発行 定価六十五銭 送料八銭 (湯浅観明 1913 412p 15cm)

童話の研究と其資料 高木敏雄著 宝文館発行 定価五十五銭 送料八銭 (「修身教授童話の研究と其資料」 1913.5 130p 23cm)

文藝叢書 奈良と平泉 黒田鵬心著 春陽堂発行 定価二十五銭 送料四銭 (1913)

七擒八縦 中野耕堂著 東亜堂発行 定価七十銭 送料八銭 (「七擒八縦 与ふる書十篇」 東亜堂書房 1913.5 288p 19cm)

新訂増補 暁鐘 土井晩翠著 岡崎屋発行 定価三十銭 送料四銭 (土井晩翠(林吉) 岡崎屋書店 1913.5 195p 15cm)

1913年5月31日(土曜日)5面
「富貴堂の新着」「此広告を纏めて書籍目録にせられたし」
「毎土曜カワリマス」「切手代用不苦」
「札幌南一西三 電話二五七 振替東京一七二二」

鉄道工学講義 四巻 坂岡先生著 裳華房発行 定価一円五十銭 送料十二銭 (最新鉄道工学講義 坂岡末太郎 1913)

日本水産動物学 下 藤田経信先生 裳華房発行 定価三円 送料十六銭 (増訂3版 1913 27cm)

お伽活動画噺 岩谷小波著 芙蓉閣発行 定価六十五銭 送料八銭 (※出版社は岡村書店か? 「活動画噺」 巌谷小波 1913 274p 19×13cm)

和洋家庭簡易料理 赤堀峯吉著 東亜堂発行 定価一円 送料十二銭 (赤堀菊子 東亜堂書房 1913 452p 19cm)

オイケン 新理想主義哲學 波多野精一訳 老鶴圃発行 定価二円五十銭 送料十二銭 (新理想主義の哲學 : 原名 精神的生活内容の為めの戦 波多野精一・宮本和吉共訳 内田老鶴圃 1913.4 585p 23cm)

書方教授の研究 山口徳三郎著 廣文堂発行 定価七十銭 送料八銭 (山口徳三郎・岡田重次郎共著 廣文堂書店 1913 215p 23cm)

高等小学地理実際的研究 野口吉郎治著 廣文堂発行 定価七十銭 送料八銭 (高等小学地理実際的研究 上・下 野口吉郎治・本田甚平著 廣文堂書店 1913 23cm)

スタンダード 英語辞書 丸善書店発行 大特価五十銭 送料八銭

日本精英 幸田露伴編 聚精堂発行 特価四円 送料二十四銭 (上・下巻 1913.3 23cm)

新動中静観 茅原華山著 東亜堂発行 定価九十五銭 送料八銭 (東亜堂書房 1913 478p 19cm)

日蓮上人自叙伝 国友日斌著 文王閣発行 定価七十五銭 送料八銭 (1913 16cm)

聴松堂語鏡 閔度 原著 民友社発行 定価六十銭 送料八銭 (並木仙太郎訳 1913 146p 18cm)

来世の有無 新仏教同志会 丙午出版発行 定価七十銭 送料八銭 (「来世之有無」 大正文庫 第3編 高島大円編 丙午出版社 1913 252p 18cm)

1913年6月7日(土曜日)3面
「富貴堂の新着」「此広告を纏めて書籍目録にせられたし」
「毎土曜カワリマス」「切手代用不苦」
「札幌南一西三 電話二五七 振替東京一七二二」

続 経済学講義. 福田徳造著 大倉書店発行 定価七十銭 送料八銭 (※「福田徳造」は「福田徳三」と思われる 「経済学講義 続 第1編(流通総論)」 1913 173p 23cm)

囲碁虎の巻 関源吉著 大倉書店発行 定価六十銭 送料八銭 (1913 122p 23cm)

歴史の内容的教授法 齋藤斐章著 目黒書店発行 定価一円四十銭 送料十二銭 (「歴史の内容的教授法 実証的見地心理的思索に據れる」 1913.5 425p 23cm)

矢野二郎伝 島田三郎著 実業の日本社 定価一円卅銭 送料十二銭 (※出版社は「矢野二郎翁伝記編纂会」か? 島田三郎編 1913 403p 肖像 22cm)

現代欧洲之憲政 小野塚博士著 博文館発行 定価一円五十銭 送料十二銭 (小野塚,喜平次(1870-1944) 1913.5  422p 23cm)

女五人 伊藤銀二著 便利堂書店発行 定価七十五銭 送料八銭 (1913 236p 19cm)

ジエヴンス 経済学純理 小泉信三訳 同文館発行 定価一円五十銭 送料十二銭 (内外経済学名著 第1冊 Jevons, William Stanley, 1835-1882 小泉信三, 1888-1966 1913  23cm)

改正 所得税法摘要 松村孝■郎著 実業の日本社 定価二十五銭 送料二銭 (※検索ヒットせず)

謡曲物語後篇 和田万吉著 富山房発行 定価二円 送料十二銭 (和田万吉編 1913 449p 22cm)

武器と人 坪田逍遥訳 早稲田大学出版 定価六十銭 送料八銭 (※「坪田逍遥」は「坪内逍遥」の誤記と思われる Shaw, Bernard, 1856-1950 坪内逍遥,・市川又彦訳 早稲田大学出版部 1913 188p 19cm)

近世無機化学原論 桜井虎之助著 宝文館発行 定価五円 送料二十銭 (※「桜井虎之助」は「桜井寅之助」と思われる 桜井寅之助,・原田長松編 東京宝文館 1913 22cm)

英雄豪傑論 煙山,専太郎著 東紅書院発行 定価一円五十銭 送料十二銭 (煙山,専太郎, 1877-1954 1913 23cm)

小説 生霊 正宗白鳥著 文淵堂発行 定価一円銭 送料八銭 (金尾文淵堂 1913 425p 19cm)

1913年6月14日(土曜日)3面
「富貴堂の新着」「此広告を纏めて書籍目録にせられたし」
「毎土曜カワリマス」「切手代用不苦」
「札幌南一西三 電話二五七 振替東京一七二二」

大阪冬夏之役 本間徳次郎著 目黒書店発行 定価一円五十銭 送料十二銭 (1913.5 510p 22cm)

海軍叢談 若林中佐著 春陽堂発行 定価九十銭 送料八銭 (若林欽 1913 231p 22cm)

布片細工教授書 市橋なみ子著 松邑三松堂発行 定価五十銭 送料八銭 (「小学校女児手工布片細工教授書」 1913.6 160p 23cm 和装)

近世名文解剖 大町桂月著 新潮社発行 定価三十銭 送料八銭 (作文叢書 第10編 大町,桂月,1869-1925 1913.6 208p 19cm)

名将武田信玄 羽皐隠史著 嵩山房発行 定価五十五銭 送料八銭 (羽皐隠史述・,稲垣稲村筆記 1913.6 255p 19cm)

遊女生活 吉原夜話 宮城野著 文湖堂発行 定価六十銭 送料八銭 (高野菊子(角海老楼宮城野) 木津文湖堂 1913)

水彩画自由自在 石川欽一郎 博文館発売 定価六十五銭 送料八銭 (※検索ヒットせず)

財海時雨 田尻稲次郎著 同文館発行 定価一円八十銭 送料十二銭 (田尻稲次郎,1850-1923 1913  609p 22cm)

小説 女一代 柳川春葉著 金尾文淵堂発行 定価一円 送料八銭 (女一代 上・下 柳川春葉,1877-1918 1913 21cm)

ファウスト評論 皷■谷著 北文館発行 定価二円 送料十二銭 (「ファウスト評論 ゲエテ作自伝劇曲」 皷常良 1913.5 19cm)

常識辞典 岡田照雄著 光玉館発行 定価一円廿銭 送料十二銭 (岡田照雄等著 1913 600p 18cm)

体力精力増進法 樫田十次郎著 実業の日本社 定価四十銭 送料六銭 (実業之日本社 1913 268p 15cm)

豊臣秀吉 筑前守巻 後編 緑園生著 東亜堂発行 定価一円廿銭 送料十二銭 (渡辺霞亭著 22cm)

1913年6月21日(土曜日)3面
「富貴堂の新着」「此広告を纏めて書籍目録にせられたし」
「毎土曜カワリマス」「切手代用不苦」
「札幌南一西三 電話二五七 振替東京一七二二」

漢文叢書 七書 博文館発行 定価一円 送料十二銭 (校註漢文叢書)

日本魂の新解説 堀江秀雄著 博文館発行 定価七十五銭 送料八銭 (堀江秀雄,1873-1959 1913.6 268p 23cm)

講談 さくらや梅吉 細川風谷著 文芸書院発行 定価六十五銭 送料八銭 (「新講談 さくらや梅吉」 1913  438p 19cm)

色情思想の解剖 北川正惇著 隆成堂発行 定価九十五銭 送料八銭

少年文学 気紛れ少年 竹貫佳水著 博文館発行 定価卅八銭 送料八銭 (「少年少女文学 気紛れ少年」付 気紛れ船長 竹貫,直人 1875-1922 1913  276p 19cm)

語学教授法新論 前田太郎訳 東亜堂発行 定価一円卅銭 送料十二銭 (「エスペルゼン教授語学教授法新論」How to teach a foreign language Jespersen, Otto, 1860-1943 東亜堂書房 1913 288p 22cm)

西鶴一代男物語 石川巌著 東京書院発行 定価七十銭 送料八銭 (※「東京書院」は東紅書院か? 井原西鶴著・石川巌訳 井原西鶴,1642-1693・石川巌,1878-1947 1913 144p 22cm)

胎教 下田次郎著 実業の日本社 定価五十五銭 送料八銭 (下田次郎,1872-1938 実業之日本社 1913 206p 19cm)

講話資料 月曜訓話 四川三五郎著 以文館発行 定価六十銭 送料八銭

趣味の伝説 五十嵐力著 二松堂発行 定価一円二十銭 送料八銭 (五十嵐力,1874-1947 二松堂書店 1913 456p 19cm)

初等英文法講義 宮井安吉著 裳華房発行 定価八十五銭 送料八銭 (宮井安吉述 1913 365p 19cm)

小説 不生女の一生 真山青果著 春陽堂発行 定価二十五銭 送料四銭 (「現代文芸叢書 第26編」真山青果,1878-1948  1913.6 215p 肖像 16cm)

実録赤穂義士 植田均著 高山房発行 定価八十五銭 送料八銭 (1913 382p 19cm)

1913年6月28日(土曜日)3面
「富貴堂の新着」「此広告を纏めて書籍目録にせられたし」
「毎土曜カワリマス」「切手代用不苦」
「札幌南一西三 電話二五七 振替東京一七二二」

洋行土産談 谷本富博士著 六盟館発行 定価三円七十銭 送料十六銭 (「洋行土産談 教育宗教社会経済」 1913  1071p 22cm)

小説 はだか 根本吐芳著 春陽堂発行 定価一円 送料八銭 (1913 430p 23cm)

世界偉人の最期 榎本秋村著 実業の日本社 定価一円五十銭 送料十二銭 (実業之日本社 1913  672p 22cm)

油絵階梯 印藤真楯著 嵩山房発行 定価五十銭 送料八銭

新撰才媛文集 二巻 石川正作編 東洋社発行 定価四十銭 送料六銭 (「新撰才媛文集 巻1(四季之部)・巻2(雑之部上)」 東洋社編 1913 19cm)

国民修養坐談 加藤咄堂著 明誠館発行 定価一円廿銭 送料八銭 (加藤咄堂・八木白村著 加藤咄堂,1870-1949 1913  357p 22cm)

若き男女へ 藤井白雲子訳 正文館発行 定価七十五銭 送料八銭 (マツクス・オーレル著・藤井白雲子訳 O'Rell, Max, 1848-1903 正文館書店 1913 267p 19cm)

小説 遊行車 泉鏡花著 尚栄堂発行 定価九十銭 送料八銭

刑法詳論 神谷神原共著 清水書店発行 定価三円卅銭 送料十二銭 (神谷健夫・神原甚造 共同刊行 講法会(京都) 1913 1119p 22cm)

人文地理学 長谷川賢一郎著 芳流堂発行 定価二円三十銭 送料十二銭 (金刺芳流堂 1913 586p 22cm)

思想問題 上田敏著 近代文藝社発行 定価一円卅銭 送料八銭 (上田敏,1874-1916 1913 490p 20cm)

明治代表的人物 高須梅渓著 博文館発行 定価一円廿銭 送料八銭 (高須芳次郎 1880~1948)

欧州文芸界の逸話 西澤富則著 大同館発行 定価一円廿銭 送料八銭 (「歐洲文藝界之逸話 : 文豪の部」 1913.6 490p 20cm)

1913年7月5日(土曜日)3面
「富貴堂の新着」「此広告を纏め書籍目録にせられたし」
「毎土曜カワリマス」「日曜日夜間休業」
「札幌南一条西三 電話二五七 振替東京一七二二」

皇室 池辺義象著 博文館発行 定価一円五十銭 送料十二銭 (1913.6 254p 22cm)

我等の祖先 中村徳五郎著 東亜堂発行 定価一円二十銭 送料八銭 (東亜堂書房 1913.6 274p 23cm)

国民商業辞典 同文館編纂 定価二円五十銭 送料十六銭 (同文館 1913 20cm)

高山樗牛と日蓮上人 姉崎博士編 博文館発行 定価一円 送料八銭 (姉崎嘲風,1873-1949・山川智応,1879-1956 編 1913 436p 19cm)

近代人の信仰 内ケ崎作三郎著 警醒社発行 定価一円廿銭 送料八銭 (警醒社書店 1913 615p 19cm)

改訂 国民読木参考 大隈家編修局 森脇紫逕著 宝文館発行 定価四十銭 送料八銭 (※「改訂 国民読木参考」は「改訂 国民読本参考」と思われる)

犬養毅 清水仁三郎著 太閤堂発行 定価一円 送料八銭 (1913 18cm)

攷証今昔物語集 芳賀矢一纂訂 富山房発行 定価二円卅銭 送料十二銭 (※「攷証今昔物語集.」上 か 芳賀矢一 1867-1927 1913)

カーネギー詳伝 阪本国三郎訳 内外出版発行 定価一円廿銭 送料八銭 (無冠の帝王カーネギー詳伝 ウヰリアム・ステッド Stead, William Thomas, 1849-1912 坂本国三郎 内外出版協会 1913 406p 19cm)

最新理科辞典 郁文舎編輯 特価一円八十銭 送料十二銭 (郁文舎 1913 20cm)

小説 女一代 下巻 柳川春葉著 文淵堂発行 定価一円 送料八銭 (女一代 上・下 柳川春葉 1877-1918 金尾文淵堂 1913 21cm)

漫画漫筆 ねむりぐさ 吉井勇著 大屋書房発行 定価八十五銭 送料八銭 (吉井勇 1886-1960 大屋書店 1913  173p 22cm)

ナショナル 第二読本講義 長谷川康著 建文館発行 定価九十銭 送料八銭

1913年7月12日(土曜日)5面
「富貴堂の新着」「此広告を纏め書籍目録にせられたし」
「毎土曜カワリマス」「日曜日夜間休業」
「札幌南一条西三 電話二五七 振替東京一七二二」

アラビヤンナイト 本間久訳 東亞堂発行 定価一円九十銭 送料十六銭 (「アラビヤンナイト 全譯」 東亞堂書房 1913.6 778p 23cm)

改訂 教育大意 河野清丸著 目黒書店発行 定価一円 送料十二銭 (1913.6 305p 21cm)

ワグ子ル 軍純生活 文部省発行 定価四十五銭 送料八銭 (※「軍純生活」は「単純生活」と思われる ワグネル)

澱粉製法及製粉 河南休男著 博文館発行 定価六十五銭 送料八銭 (1913.6  296p 23cm)

質屋の研究 小笠原繁夫著 良明堂発行 定価七十五銭 送料八銭 (「質屋之研究」 良明堂書店 1913.5 228p 19cm)

夏期休暇日誌 尋常各学年 定価各五銭 送料各二銭

短篇叢書 理想郷 岡田守■著 北文館発行 定価五十五銭 送料六銭 (※■は「鷹」か 「世界短篇傑作叢書 第2編」シェンキーウヰッツ作 岡田実麿訳 Sienkiewicz, Henryk 1846-1916 岡田実麿 1878-1943 1913 271p 16cm)

初等英文法新解 紀太藤一訳 芳進堂発行 定価五十五銭 送料八銭 (武田芳進堂)

ツルゲネーフ 煙(スモオク) 大貫昌山訳 新潮社発行 定価一円 送料十二銭 (近代名著文庫 第4編 ツルゲーネフ Turgenev, Ivan Sergeevich 1818-1883・大貫晶川 1887-1912 1913 448p 19cm)

西洋文芸叢書 サラムボオ 生田長江訳 博文館発行 定価一円 送料十六銭 (近代西洋文芸叢書 第2冊 フロオベエル Flaubert, Gustave, 1821-1880・生田長江 1882-1936 1913.6 568p 22cm)

沢庵和尚奇談 八木白村著 有文堂発行 定価五十銭 送料八銭 (「沢庵和尚奇談 番茶一杯」 有文堂書房(共同刊行 百楽書房) 1913 270p 19cm)

1913年7月19日(土曜日)3面
「富貴堂の新着」「此広告を纏め書籍目録にせられたし」
「毎土曜カワリマス」「日曜日夜間休業」
「札幌南一条西三 電話二五七 振替東京一七二二」

小説 雲の響 佐藤紅緑著 新潮社発行 定価九十五銭 送料八銭 (1913.7 336p 21cm)

豚肉調理二百種 田中宏博士著 博文館発行 定価六十銭 送料八銭 (※「田中式豚肉調理二百種」か)

日米開戦 (夢物語) 国民軍事協会 中央書院発行 定価八十五銭 送料八銭 (附 全欧洲大乱の真相 1913 23cm)

邦語速記術 田鎖綱紀著 博文館発行 定価一円廿銭 送料八銭

小野小町論 黒岩涙香著 朝報社発行 定価六十銭 送料八銭 (黒岩涙香 1862-1920 1913 19cm)

小説 赤き死の仮面 谷崎精二訳 泰平館発行 定価一円 送料十二銭 (Poe, Edgar Allan 1809-1849・谷崎精二 1890-1971 泰平館書店 1913 373p 19cm)

活人剣殺人剣 鵜崎鷺城著 東亜堂発行 定価一円 送料八銭 (東亜堂書房 1913 378p 19cm)

日本美人論 青柳有美著 明治出版社発行 定価七十銭 送料八銭 (青柳有美 1873-1945 1913  229p 20cm)

新式水泳術 才藤六衛著 東亜堂発行 定価五十銭 送料六銭 (斎藤六衛 東亜堂書房 1913 168p 19cm)

予が婦人観 黒岩周六著 丙午出版社発行 定価六十銭 送料八銭 (大正文庫 第5編 黒岩周六(涙香) 1862-1920 1913 261p 17cm)

柔道教範 横山作次郎著 二松堂発行 定価一円五十銭 送料八銭 (横山作次郎 1869-1912・大島英助著 二松堂書店 1913 278p 20cm)

内外逸事譚 千頭清臣著 嵩山房発行 定価七十銭 送料八銭 (千頭清臣 1856-1916 1913 336p 19cm)

ABC文庫 続々到着 英語研究社発行 定価各十銭 送料各二銭

1913年7月26日(土曜日)3面
「富貴堂の新着」「此広告を纏め書籍目録にせられたし」
「毎土曜カワリマス」「日曜日夜間休業」
「札幌南一条西三 電話二五七 振替東京一七二二」

日露未来戦 原田中尉著 武侠世界社発行 定価一円三十銭 送料十二銭 (遺恨十年日露未来戦 原田政右衛門 1913.7)

今の女 磯村春子著 文明堂発行 定価八十銭 送料十二銭 (磯村春子 1877-1918 1913 23cm)

養生錬身の実験 忽滑谷快天著 東亜堂発行 定価八十銭 送料八銭

独診自療 花柳病院 澤田博士著 中央書院発行 定価一円 送料十二銭 (澤田順次郎)

兎糞録 和田垣博士著 至誠堂発行 定価一円二十銭 送料十二銭 (和田垣謙三 1860-1919 至誠堂書店 1913 345p 19cm)

結婚に関して 本荘了一訳 内外出版発行 定価四十銭 送料六銭 (Hardy, E. J. (Edward John) 1849-1920)

伝説の時代 野上弥生子訳 尚文堂発行 定価二円 送料十六銭 (原タイトル「Age of fable」 Bulfinch, Thomas 1796-1867・野上,弥生子 1885-1985 1913 723p 22cm)

元良博士と現代の心理学 博士追悼学術会編 弘道館発行 定価一円 送料十二銭 (故元良博士追悼学術講演会 1913 23cm)

家庭物語 松本雲舟編 婦人の友社発行 定価五十銭 送料八銭 (松本雲舟 1882-1948 婦人之友社 1913 238p 19cm)

小説 弘法大治郎 竹の島人著 大屋書店発行 定価四十銭 送料六銭 (大川屋書店 19cm)

英訳 自然と人生 徳富先生原著 弘学館発行 定価八十銭 送料八銭 (徳富蘆花原著 アーサーロイド・ボンフヮロット・小野秀太郎訳 弘学館書店 1913 311p 19cm)

小説 爛 徳田秋声著 新潮社発行 定価五十銭 送料六銭 (徳田秋声 1871-1943 1913 303p 15cm)

小説 独身華族 本間久訳 日東堂発行 定価七十銭 送料八銭 (Doyle, Sir Arthur Conan 1859-1930 日東堂書店 1913 334p 19cm)

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