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ジャパンCのアーモンドアイを見て思う

今回のジャパンCは、JRA史上初めて三冠馬三頭が揃う唯一のレースとなりました。グリチャの情報によると、三冠馬三頭が同時に現役だった事自体が初めてであり、しかもアーモンドアイがこのレースで引退するという事で、三冠馬三頭が同時に現役であった期間はコントレイルが三冠達成してから今日まで35日間しか無く、そのタイミングで同じレース出走するというわけですから、どれほど大きな事が理解できると思います。1941年セントライトが初めて三冠馬となってから79年間、唯一の35日間に同じレースを使うと考えたら感慨深いものがありますよねぇ。


さて、勝ったアーモンドアイはお見事としか言い様がありません。しかしですね、これで同馬の評価が難しくなったのも事実です。まず、一番大きな問題はご存知ヴィクトリアマイルを勝っている点です。GⅠと称される事すら憚られるような格の牝馬限定レースを勝って積み増しした点は、評価の上ではマイナスです。私の記憶が確かなら、ヴィクトリアマイルはパート1の昇格直前に慌てて作った牝馬限定GⅠであり、過去のレースレーティングがGⅠ昇格基準の115ポンドを超えた事はありませんからね。

次に、国内GⅠ8勝の内、6勝が東京競馬場のGⅠという点です。海外を除いて10戦連続で東京を走り、その間GⅠ5勝を挙げたウオッカと被りますねぇ。ウオッカはダービーを含めると東京でGⅠ6勝していますが、アーモンドアイも香港を回避していなければ有馬記念を使う事もなく、7戦連続で東京を走り、GⅠ5勝を挙げていた事になりますから同じレベルですね。

ちなみに、GⅠ最多勝で並んでいた他の6頭の内、中央四場全てで勝利を挙げているのはオペ、キタサン、ジェンティルの3頭で、ディープとルドルフは宝塚が京都、もしくは回避していますが、他の三場で2勝以上しています。そうなるとアーモンドアイは有馬記念の惨敗も相まって、特定の競馬場でしか能力を発揮できない名馬、というレッテルを剥がせそうにもありません。

しかも、3歳のジャパンCは1番枠、4歳の天皇賞・秋は2番枠、5歳のジャパンCは2番枠と、ありえないくらい確率で内枠を引いている点も見逃せません。内枠天国とさえ言われる東京競馬場でのみ走り、そこでどんな忖度があったのか分かりませんが内枠ばかり引いて、それで勝利を挙げる・・不思議ですよね。今アメリカで問題となっている大統領選と同じく、明らかにおかしいけど、マスコミ含めてみんなスルーしている問題であり、これは大きなマイナスです。キタサンブラックの時も天文学的な確率と言われましたが、それと同じくらいどうなの?と思わずにはいられませんね。

最後に、使い分けによる後押し問題です。これは陣営云々の話じゃありませんが、明らかにアシストだよね?と思われるケースが散見されるのですよ。
レイデオロ、サートゥルナーリア、ラッキーライラック、クロノジェネシスなど、火の無い所に煙は立たないと言いますが、強い馬同士で戦って勝ち得た勝利だったかと言われれば非常に微妙です。

同じ様な意味で、ジョッキーも厳しいレースをしなくなりましたよね。昨年の天皇賞・秋ではアエロリット、サートゥルナーリア、スティッフェリオ、ダノンプレミアムが壁を作って完全に内に閉じ込めたのに、逃げたアエロリット戸崎は完全に内を空けてしまいましたし、今年のヴィクトリアマイルではせり掛けるどころか、誰もプレッシャー掛ける事なく4番手から好位抜け出しを許し、今年の天皇賞・秋では4角で外に付けたジナンボーは締める事すらせずに進路譲ってしまい、今回のジャパンCでは4角でガッツリ外を押さえていたクレッシェンドラヴが直線を向いたらスーッと離れて外を空けました

テイエムオペラオーの時の和田の苦労を教えてやりたいくらいですね。ルドルフの記録を抜かせるなと思ったのかどうか知りませんが、相当厳しいマークをされていましたよ。武さん、河内さん、岡部さん、アンカツ、蛯名、 後藤、藤田漢、 的場など名立たる名騎手が襲い掛かってきたのを返り討ちにしたわけですから、それと比べるとどうしても楽なメンバーで楽に走って積み上げた勝利と見えてしまうのですよ。それが残念で仕方ないです。

まとめると、アーモンドアイおめでとう、でも君が最強だとは思えない、ですね。JRAも関係者も、こうした意見を真摯に受け止め、忖度その他を考え直してほしいと思います。



続いて、2着のコントレイルですが、正直、1角回ったところで負けたと思いましたね。うまく言えないのですが、後ろ過ぎのように感じましたし、アーモンドアイより速く、かつ差を詰めるだけの脚を使えるか?という疑問が浮かび、福永なら後ろから行って脚を伸ばせばいいとか考えるんだろうなぁと思ってしまったのです。

実際、直線坂下で一気に差を詰めてきた時はオッ?来たか?!と思いましたが、坂で止まり、坂上でアーモンドアイの脚が鈍ってから差を詰めたので、ぶっちゃけ鞍上の差かなぁと思いました。負かしに行くではなく、自分らしく走って負けたら仕方ないというような福永らしい競馬に見えました。

アンカツがツイッターで菊花賞から中4週でダメージがあったとコメントしていましたし、思った以上に力のいる馬場になったのもマイナスだったと思いますが、ここ一番というレースでは福永は見劣りしてしまいますね。福永に池添の勝負勘があれば、武さんと追いつけるかもしれないのに。

いずれにせよ、万全じゃない体調でここまでやれたので、今後は休養を挟んで来年に備えて欲しいですね。間違っても体調良さそうだから有馬記念に行きますなんて嬉しい事言わんで下さい。来年は海外が待ってますからね。頼みますよ前田さん!!



もう一頭の三冠馬、3着のデアリングタクトは、ようやった!!普通にそう考えますよね。正直、2400mがキツイのではなく、東京の2400mがキツイように感じました。有馬記念のように、長くてもコーナー6つ回って直線が短いコースなら力を発揮できると思います。

レースではもっと後ろから行くかと思いましたが、思った以上に前からの競馬になりました。コントレイルと位置が逆じゃないかなぁと思いながら見ていましたが、この大一番でいつもと違う競馬をできる松山は大したもんですよ。

直線ではコントレイルに寄せられ、内内に逃げるような形になりましたが、諦めずにグイグイ伸びて3着に粘りこむわけですから、根性は素晴らしいものがあります。こういう馬は海外向きじゃないかな。ドバイとか行かずに、欧州転戦しても良いと思いますよ。ただ、ノルマンディー初のGⅠ馬で三冠牝馬ですから、そう簡単に海外に行きます、しかも転戦ですとは言えないところが悩ましいところです。

しかし、来年、ヴィクトリアマイルを使うなら応援するのは難しいですね。国内なら馬場が向く大阪杯宝塚記念はマストでしょう。凱旋門賞は行くなら来年しかないでしょうが、春の結果次第では行けませんからね。またコントレイルとバチバチするレースが見たいですね。


それ以外で気になったのは、やはりカレンブーケドールでしょう。相手なりに良く走ります。ただ、それが良い方向に向きません。しかし、これ津村の責任というのは難しいんじゃないですかね。負けた相手も一線級ばかりですから、このまま津村で突っ切ってほしいですが・・次はどこになるかな。天皇賞・秋からジャパンCなら一休みと言えますが、オールカマー、ジャパンCですからねぇ。行く?有馬記念?京都記念とか見てると向くんじゃない?


あとワールドプレミアは一年ぶりにしては上々の成績ではないでしょうか。淡々とレースに入り、後方でじっくりと進むと、3~4角は荒れた内を通って距離を短縮し、直線では一番良いところを通って脚を伸ばしますが、さすがに順調に使ってきた前の5頭は強かったですね。掲示板に乗れたら万々歳ですが、6着でも十分な結果です。



こんな感じで世紀の一戦は無事に終わりました。面白いと思う部分もありましたが、決して世紀の名勝負となったわけではないのが残念です。また、ヨシオとキセキの暴走や、ウェイトゥパリスのわがままっぷりといった頭を抱える事態も、正直、邪魔だなぁと思う部分もありましたね。特にウェイトゥパリスはゲート入りに5分も掛かりましたから、わざわざ呼んでこれかよと思った人は大勢いたと思います。

また、ジャパンCのあり方について、以前の記事で述べました。

ここで書いたとおり、ジャパンCはほぼほぼ役割を終えています。東京競馬場2400mの古馬GⅠとしてはまだ価値がありますが、国際招待競走としては終わっているとしか言えませんね。今回の馬場もタイムは速かったですが、2場開催の最終日の最終レースという事で荒れた馬場が目に付きましたし、8日間1開催時代の名残である大レースは開催最終日という考えに捉われすぎると、レースの質を落とす事になりますので、JRAにはしっかり考えてほしいところです。




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