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ジャパンCより面白い?マイルCSの展望
競馬ファンの多くは、既に目線が来週のジャパンCに向いていると思いますが、私個人は今週のマイルCSも同レベルで面白いレースになると思っています。その理由は、ジャパンCと同様に強い3歳馬と古馬の初対決にあります。
現在、1番人気が予想されるのは昨年の桜花賞馬で、今年の安田記念、スプリンターズSを制したグランアレグリアです。2倍切りそうな雰囲気が漂っていますが、このタイミングで管理する藤沢先生から『使う所(1200m戦)を間違えた。マイルは上手に走っていたし、来年は天皇賞・秋を視野に』という発言がありました。これはマイルに自信があるからこその発言でしょう。
そもそもグランアレグリアは降着劇があったNHKマイルCを除けば全て馬券圏内という安定した成績を持っていますし、ディープ産駒は阪神マイルGⅠを11勝(桜花賞5勝、朝日杯FS3勝、阪神JF3勝)していますし、何よりマイルではアーモンドアイより強いわけですから、軸はこの馬になるのは間違いないでしょう。
一方、対抗馬の一番手に挙がるのは昨年の朝日杯FSの勝ち馬で、今年の皐月賞、ダービーで2着だったサリオスです。ぶっちゃけ同馬はマイラーではないと思います。完全に使い分けの被害者ですよ。どうして三冠馬が誕生した皐月賞とダービーで2着の馬が、秋緒戦の毎日王冠で古馬相手に完勝したにも関わらず、菊花賞どころか天皇賞・秋にも向かわずにマイルCSを目標にするのでしょうか。
姉のサラキアは先週のエリザベス女王杯で2着でしたが、その父はディープでした。ディープより距離の融通が利くハーツクライ産駒であるサリオスが2000mより1600mの方が能力を発揮できるとは、これいかに?ですよ。血統面から見ても、成績面から見ても、そう考えるのは難しいでしょう。仮に、来年に大阪杯、QE2、宝塚記念あたりに出てきたら、嘘つきと声を大にして言いたいですね。
まぁ参戦すると決まった以上はどうこう言っても仕方ないのですが、取捨は悩みどころです。2歳なら能力差でマイルでも・・と思いますが、得意というより守備範囲と言った方が適当な距離で、古馬のスペシャリスト相手に勝負になるかって言うと微妙ですよね。配当的にも旨味は少なく、避けるのが無難かなぁと思います。
あと、同じ3歳馬のラウダシオンとレシステンシアですね。前者はNHKマイルCは人気薄での勝利でしたが、富士Sはそこそこの人気を背負って2着と、3歳の秋緒戦としては十分な内容。一度使ったここは上積みを見込めますし、人気と実績のバランスから見れば面白い存在です。後者は昨年の阪神JFの勝ち馬で、骨折明けの一戦。さすがに割引が必要かと思いますが、前に行ける脚質と斤量、ラウダシオンとの物差しで考えると、こちらも人気と実績のバランスが美味しい存在ですね。
それから古馬勢では、昨年のマイル王インディチャンプは今年は精彩を欠いているように見えますが、グランとアーモンドアイを相手にした安田記念で3着ですし、マイラーズCを完勝しているようにまだ衰えは感じません。ただ、間隔が空いた時の成績にも疑問符が残るので、安田記念からぶっつけなのは心配です。
また、昨年に史上初の3歳馬の海外GⅠ制覇を達成した若きマイル王アドマイヤマーズは、今年は春は安田記念6着、秋はスワンSで3着と精彩を欠いていますが、安田記念は久々の分とのコメントがありましたし、スワンSは58キロで初の1400mなら止むを得ない部分もあります。実力をそのまま発揮できればブッコ抜いても不思議じゃない不気味な存在です。
それ以外にも今年上期に重賞3連勝したサウンドキアラや、前哨戦の富士Sを勝ったヴァンドギャルド、3年前の勝ち馬で毎年マイルCSになると復活するペルシアンナイトなども見逃せません。ここまでくると、レース面からも、馬券面からもジャパンCと同じくらい面白いレースになると思います。
やっぱり面白い使い分けより強い馬同士が戦うレースが見たいですよね。某大手馬主グループさん、いい加減それに気付いた方が良いですよ。JRAさん、数字だけの存在よりそっちの方が売上は上がりますよ。日本競馬界のために何ができるか良く考えてもらいたいですね。