矢作先生GⅠ10勝到達

有馬記念をリスグラシューで勝利した矢作先生は、この勝利でGⅠ10勝目を挙げました。現役では14人目になるハズです。たぶん…

先に言っておくと、私はJRAのGⅠと海外の国際GⅠをGⅠと認めているので、コリアカップなどの韓国GⅠ(国際GⅢ)などはGⅠには含めていませんし、統一地方重賞もJPNⅠとしての価値は認めるもののGⅠではなくオープン競走(リステッド)扱いにしています。

矢作先生は2005年開業し、2007年スワンSのスーパーホーネットで初重賞制覇、2010年朝日杯FSのグランプリボスで初GⅠ制覇を達成しました。翌年に同馬でNHKマイルCを制し、2012年にはディープブリランテで日本ダービーを初制覇してダービートレーナーとなりました。

2014年には53勝を挙げて全国リーディングに輝くと、2016年にはリアルスティールでドバイターフを制して海外GⅠ初制覇を達成。そして2019年にラヴズオンリーユーをオークスを制すると、リスグラシューで宝塚記念、豪州のコックスプレート、有馬記念を制し年間4勝挙げて通算10勝の大台に乗せました。

やはり強い馬が一頭いると数稼げますね。上位の調教師も皆さん複数GⅠ勝利馬を多数抱えています。例えばGⅠ3勝以上の馬を挙げてみると

藤沢先生  タイキシャトル、シンボリクリスエス、ゼンノロブロイ
角居先生  ウオッカ、ヴィクトワールピサ、カネヒキリ
池江寿先生 ドリームジャーニー、オルフェーヴル
国枝先生  アパパネ、アーモンドアイ
石坂先生  ジェンティルドンナ
松田国先生 ダイワスカーレット
堀先生   モーリス
友道先生  アドマイヤマーズ
須貝先生  ゴールドシップ、ジャスタウェイ
安田隆先生 トランセンド、ロードカナロア
藤原英先生 ストレイトガール
矢作先生  リスグラシュー

となります。なお、掲載順はJRAのGⅠ数が多い順、同数の場合は海外GⅠの数が多い順に記載しています。音無先生と橋田満先生はGⅠ2勝馬はいますが3勝以上はいません。強い一頭で5~7勝を挙げても、次が続かなければ凋落していく世界ですから、コンスタントにGⅠを勝つ事もまた調教師の評価の一つと言えます。

また、引退した調教師では尾形藤吉先生が39勝でトップだと思いますが、古い記録が無いため正確な数字が分かりません。JRAも発足以前の成績については不詳としているケースがあるためです。まぁ当時は調騎分離が無い時代もありましたし、馬房数の制限も無かったので今と比較するのは難しいんですが。

そうした時代の御大を除くと、おそらくアドマイヤムーンやブエナビスタなどを管理した松田博先生の20勝がトップになると思います。続くのはメジロマックイーンやディープインパクトを管理した池江郎先生の19勝、オグリキャップを管理した瀬戸口先生は13勝となります。

さすがに近年のGⅠ増加や海外GⅠ挑戦の選択肢増加に伴って現役の先生の方が勝利数が多くなっていますが、藤沢先生の記録を抜くのは容易ではないようです。ちなみに藤沢先生はJRA29勝、海外1勝の計30勝ですが、角居先生はJRA26勝ながら海外5勝の計31勝となっており、JRAでは藤沢、海外込みだと角居の両巨頭という感じになっています。

ただ、藤沢先生は後2年で定年ですし、角居先生は来年で勇退しますので、GⅠ35勝に届くか、届かないかというところ。矢作先生は開業15年目、定年まで12年ですから、どこまで上積みできるか。もう一頭強い馬が現れれば一気に20勝近くまでいきますので、楽しみに応援しています。


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