短期免許組の予定が崩れる
凱旋門賞が終了し、いよいよ国内競馬が本格化しますね。今年は短期免許組も少なく、タイミング的にGⅠの騎乗もほぼありませんでしたのでしたので、ここはしっかりと傭兵を確保したいところです。
しかし、秋初戦のスプリンターズSでGⅠ初制覇を飾った荻野極のように、今年はGⅠを含めて今まであまり見聞きしなかった騎手が重賞を勝利しています。どの騎手にもチャンスがあるという事は、今後のGⅠ戦線を前に有力馬を抱える陣営は難しい選択を迫られるわけです。
短期免許組でお馴染みの傭兵を確保できれば良いが、そうでなければわざわざ短期免許組を乗っけるか?いやいや日本人のリーディング上位でも・・・しかし最近の傾向を見れば人馬一体の方が良い結果を・・・なんて考えるわけですからねぇ。
そんな中、天皇賞・秋に参戦予定の皐月賞馬ジオグリフに騎乗が決まっていたクリストフ・スミヨンが、9/30にサンクルー競馬場で行われたトーマスブライアン賞(芝1600m)でロッサ・ライアン騎手に肘打ちをして落馬させるという事件を起こしました。
この件に関し、スミヨンは10/14~12/12まで60日間の騎乗停止処分を受けました。今後、短期免許で来日しても乗れるのは2週間ほどですし、当然、ジオグリフに騎乗する事はできません。そのため、短期免許についてはキャンセルすることになると思いますし、陣営は新たな騎手を探さないといけませんが、これがなかなか難しいんですよね。
それまで騎乗していた騎手を降ろして違う騎手を用意したのに、その騎手が乗れなくなったというケースでは、降ろした騎手に再び騎乗依頼する事はあまり聞きませんので、福永に変わる騎手を探す必要があります。皐月賞馬とは言え、過度な期待を持てる馬でもありませんし、どこまで上位騎手を押さえられるか・・見ものですね。
なお、そのスミヨンは「みんなに謝罪したい」とコメントを発表しました。ただね、あの動画を見るといくらポジション争いをしていたとは言っても擁護できないレベルなんですよ。ジャスタウェイが勝った安田記念で三浦皇成が相談役に肘打ちかました事ありましたけど、あれは直線の激しい攻防の中でヨレた馬を制御中に起こった事ですし、スミヨンの肘打ちは意図的、かつ不必要なタイミングで行われたものですからねぇ。
腕は確かでも素行が悪ければ短期免許が発行されない、そんな制度になってほしいです。
また、同じく今秋の短期免許を予定していたミカエル・バルザローナ騎手も短期免許をキャンセルしたそうです。こちらは希望していた予定が合わなかったそうで、
「日程が合わなかったので今年は行かないことになりました。去年のリーディングジョッキーなので、2カ月間で申請しましたが、3週間+1週間しか認められませんでした。今年はもう遅いので、次行くなら来年くらいでしょう」
と本人がコメントしています。バルザローナ騎手は昨年、自身初となるクラヴァシュドール(金の鞭=フランス最多勝騎手)を獲得したゴドルフィンの主戦騎手です。なんで弾かれたんですかね。10/29の天皇賞ウイークからホリー・ドイル、トム・マーカンド、クリスチャン・デムーロなどが来日することは決まっていましたが、スミヨン入れてもまだ枠が余っていますよね。
先月中旬にライアン・ムーアやデヴィッド・イーガンといった名前も聞かれましたので、その影響かもしれませんが、さすがに1ヵ月は無いなぁ~と思います。というか3週間+1週間ということは、途中で一旦離れる予定があったということでしょうが、そういうところがダメだったんでしょうかね。
まぁ残念は残念ですが、来なくても構わないとも思います。やはり今の日本人騎手界隈は見ていて面白いですから、傭兵に荒らされる前に、ある程度のポジションを確立してほしいところです。そうすれば傭兵が来てもそうそう騎乗馬を失う事もありませんし、失ったとしてもコアな部分を確保しておけば重賞には乗れますからね。皆さん、頑張って下さい。
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