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騎手の成績 2020年4月

皐月賞も終わり、第2回、第3回の中山競馬が終了しました。楽しい楽しい中山競馬が終了し、淋しい気持ちで一杯です。また暗黒の東京競馬が始まるかと思うと憂鬱になりますね。次の中山開催まであと4ヶ月以上も待つのかと思うと・・しんどいねぇ。

日本の競馬場は画一的な形ばかりで、変化があるとすれば内外コースや高低差、芝の種類くらいです。昨日の記事でも書きましたが、もっと色々な形の競馬場があっても良いと思いますけどね。そうすればもっと楽しめると思います。

さて、愚痴は置いておき、区切りの開催が終了したので騎手の成績を見て行きましょう。4ヶ月で大勢が決したと言えなくもないですが、リーディング下位ではまだまだ大きく変化しそうです。

リーディング上位に若手騎手が?

4月になってもリーディング上位に変動はなく、1~8位までは相変わらずの面々です。ただ、9位と10位には若手騎手が食い込みました。

まず、リーディングトップは3ヶ月連続(JRA所属に限定すれば4ヶ月連続)で川田。安定しているように見えますが、3月期は19勝を挙げたのに対し、4月期は10勝に留まっている点が気になります。皐月賞の週も、移動制限のおかげで裏開催の阪神で引っ込んだにもかかわらず3勝止まりとブレーキが掛かっています。1ヶ月の休みがあったルメールとの差は12勝ですが、全くセーフティーじゃないですね。3着内率0.611はお見事ですが。

反対に、2位のルメールは皐月賞の週に7勝を挙げ、一気に川田との差を詰めます。ルメールにはコレがあるんですよね。週に5勝、7勝する爆発力は川田には驚異でしょう。4月期はドバイ旅行+2週間の隔離で3週間(3月期から1ヶ月)も居ませんでしたが2週間で12勝もすれば、そりゃ勝率も3着内率もマーフィー並に高いですわな。

3位の武さんは3月期に続いてサトノの馬で重賞制覇。一時はクラシックの騎乗馬ばかりと言われたもんですが、フタを空けたら皐月賞はマイラプソディに騎乗して13着と残念な結果に終わっています。マイラプソディを所有するキーファーズには苦しい時を助けてもらった恩がありますし、キーファーズも武豊に凱旋門賞を獲らせると言って投資を続けてくれているのですから、ここは捨てられないのでしょう。ジャンダルムみたいだ。

ただ、それほど武豊という騎手を応援するのであれば『どうぞ好きな馬に乗って下さい』と言える気概が欲しいですよね。私ならどうかって?そりゃ武さんにお願いしますよ(笑)まぁそれは冗談としても、勝負にならないレースにはそもそも使わないでしょうね。武さんに凱旋門賞を勝たせたいなら、日本のクラシックではなく、日本産馬を海外に持っていってデビューさせる方が早いと思いますが。

なお、ダービーの騎乗馬についてはマイラプソディで継続するようです。移動制限の関係でNHKマイルCの週に行われる京都新聞杯にアドマイヤビルゴで挑戦する事は出来なくなりました。友道先生もトライアルと本番をセットで乗れる騎手を探すそうで、仮に制限が解除されてもダービーにアドマイヤでの参戦は限りなく少ないと言えるでしょう。

また、底が知れたかもしれないし、そうではないかもしれないけど東京に変われば可能性は十分にあるサトノフラッグもルメールが手放すとは思えませんし、毎日杯を制したサトノインプレッサはダービーではなくNHKマイルCを選択するのでこちらもナシ。こうなるとキーファーズは応援ではなく呪いになっちゃいますね。

4位の松山は4月期16勝を挙げてやっとマーフィーを抜きました。重賞でもサウンドキアラで阪神牝馬Sを、デアリングタクトで桜花賞を制するなど活躍が著しく、平成唯一のGⅠジョッキーの称号は無くなったものの次世代を担う騎手のポジションを確立し始めています。まだ30ですもんね~10年後にはリーディング取ってるかもしれませんよ。

5位の福永はドバイ遠征拒否、GⅠで1番人気の強奪からの大敗、ワグネリアンを潰す謎騎乗など話題に事欠きません。また、皐月賞では1番枠から後方に置かれ、中山の荒れた馬場を大外ぶん回しで勝つなど、好騎乗?何それおいしいの?という状態を維持する名人芸は健在です。前年比の3着内率が▲0.041で下から数えて11番目と落ち込んでいるのも分かります。

6位のミルコは4/15の記事『若手騎手ばかりじゃない 』
(https://note.com/boost_quinty/n/na6247cbc8688)
で書きましたが大一番での強さに注目していきたいですし、移動制限を逆手にとって重賞で騎乗馬を集めたいところです。そういえば皐月賞のダーリントンホールは木村先生が「エージェントの方からデムーロでなく丸山で行くとの連絡があった」と話していましたけど、結局ミルコに落ち着いてました。レクセランスやアメリカンシードに騎乗予定の関西騎手が移動制限で阪神に居たせいで、乗り鞍が玉突きのように回ってきたのかな。推測ですが。

そして9位には3月期に続いて岩田Jrが入りました。ただ、勝ち星は3月期の12勝から半減して5勝に留まりました。というか3月期の勝ち星は全て中京なんですね。そうなると中央四場で騎乗してるのでまだまだ簡単に勝てませんし、減量が☆になった事で勝ち星を減らした可能性もあります。それでも期待はしていいと思いますが。

10位の西村は人気薄でちょいちょい勝ってますし、たまに一日何勝もしますが、実は今年の中央四場での勝ち星はわずかに2つで、残りの21勝は全てローカルで挙げたものです。あれ?どこの中舘英二ですか?昨年も55勝の内、中央四場では10勝(夏の中京4勝を含む)しか挙げていませんし、あと6勝で減量が取れる事を考えると、このまま吉田隼人の後継になりそうな予感がします。

入れ替わりが激しいリーディング中位

リーディング10位以下は下に落ちた者、這い上がってきた者で変動が激しいです。リーディング一覧はExcelでまとめているのですが、色分けしてなかったら分からなかったかもしれません。

11位岩田と12位田辺は3月期にもここに居たのですが、13位の横山武は23位から大きく上げてきました。3月期は落馬負傷などで2勝に留まりましたが、4月期は10勝を挙げ、NZTではウイングレイテストを3着に持ってくるなどの活躍を見せます。3着内率も0.272と上げており、順調に行けば今年中に0.300に迫り、重賞を勝ってもおかしくないですね。

14位団野大成は3月期に10位から15位まで落ちましたが、そのままズルズルと下がる事なくキープしている点は見事です。しかし、特別戦の勝利はなく、人気馬で2,3着になるケースは改善されていません。5月期こそは改善したいところです。

15位吉田隼人は22位からジャンプアップ。横山武と同様に3月期3勝と低迷したのを4月期9勝と見事なリカバリー。高松宮記念の裏開催の阪神でリスデットを勝つなど、今年も中舘御大の後継者の地位を守るようです。

16位和田は3月期10位から下げてしまいました。高松宮記念の降着で2週間の騎乗停止がありましたし、それ以前に勝ち星は3/28の2勝のみですからこれは仕方ないところ。巻き返しを期待しましょう。

17位幸英明は1月期は6位でしたが、その後は9位→13位→17位とゆっくりと下げていきますね。定位置といえば定位置ですが、若手が奮起すれば20位以下に落ちるんじゃないかな。

19位には3月期に復帰した三浦皇成が入りました。3月期は8勝で32位でしたが、4月期は11勝を挙げる活躍。やはり平場番長は伊達じゃありません。戸崎が復帰するまで関東の有力馬の大半が彼とルメール、ヒューイに行くでしょう。

それから坂井瑠星が24位まで上げてきました。4月期は先週末4勝の固め打ちを含む7勝を挙げましたが、彼ならコレくらいはできると思います。5月期はGⅠ戦線真っ只中ですが、地方の東京スプリントを制し、固め打ちで評価を上げて今、一気に上位を狙いたいですね。

逆に21位以降には下げた騎手が多く、20位→21位藤岡弟、16位→22位大野、18位→25位菱田、24位→26位津村、21位→27位丸山、25位→30位松若などが並びます。特に5つ以上落とした大野、菱田、丸山、松若は若手に食われている印象を受けます。3場開催が続く5月期にはさらに広がるかもしれません。

30位以下の混戦は緩和された?

3月期は混戦だったリーディング30位以下ですが、少しは落ち着いたようです。大きく上げたのは池添が39位→32位、丹内が50位→36位、秋山が42位→37位で、逆に下げたのが亀田26位→33位、鮫島克30位→40位です。ただ、ここは2勝もすれば大きく順位が変わる団子状態なので、こんもんと言えばこんなもんでしょう。しかし、2月の小倉大賞典で初重賞制覇を果たした鮫島克が4月期に未勝利で心配です。大阪杯のカデナなど良い騎乗なんですが、なかなか次に繋がらないですね。

40位以降は木幡巧、酒井学、浜中、北村友などが5つ以上順位を挙げており、川須、内田、川又が下げています。浜中は復帰した3月期に5勝、4月に4勝は少なすぎますね。特別戦には騎乗するもののちょいちょい人気馬を着外に飛ばしていますし、リーディング2位、3位+期待の新人を相手に馬を回してもらうのは厳しいか。エージェント変えるのも一考だと思います。北村友は開催4日の騎乗停止が響いて3月期は1勝のみ、4月期は4勝を挙げましたが、有力馬での2,3着が多く、完全に昨年の勢いを失ってしまいました。内田は37位→49位まで下げましたが、3月期は5勝を挙げて上昇しただけで、1月期は2勝、2月期は1勝、4月期は未勝利なので戻ったと判断できます。

注目騎手の変化は?

上記以外の注目騎手として、35位の江田照は前年比の3着内率の伸び率が0.067で全体3位となっています。25位の菱田も0.059と全体5位の伸び率、山田や武藤といった若手も0.054で全体6位、0.042で全体11位の伸び率を見せており、馬券を買う上で注目したいですね。逆に、先月注目として挙げた太宰は3着内率0.163と例年通りに戻っており、前年比の3着内率の伸び率も15位までのランクから外れましたし一瞬の注目でした。残念。

我らが野中君も▲0.049の急降下で伸び率は下から数えて7番目。1月末から全く勝てないし、毎週馬券に絡めば御の字という結果には危機感しかありません。得意の中山で未勝利は厳しく、先週末にレーンを手玉に取ったような内を突く好騎乗を見せれば関係者の目にも留まるんでしょうが、中山開催終わりましたし、東京開催は地力勝負なので状況はますます厳しいです。

それから先月にデビューした新人達ですが、生き残りそうなのが泉谷のみ。3月期3勝から4月期4勝ならまぁまぁでしょう。ルメール、武さん、浜中と同じエージェントでバックアップは期待できますし、馬券に絡んだ18回中、1~3番人気はわずかに5回のみでそれ以外は中穴人気をバンバン持ってきてます。馬券を買う側としては、しばらくヒモに彼を入れておきたいですね。


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