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騎手の成績 2020年9月

中山・中京開催が終了し、いよいよ秋競馬が本格化する季節に入ります。意外と9月は短く感じたなぁ。歳を取ると時間が過ぎるのが早いし、ましてやはやり病で何も出来ない日々が続いたわけで、気が付けばもう10月ですよ。今年の3月から今日までの記憶があまりありません(笑)

さて、開催終了時恒例の騎手の成績ですが、もうほぼほぼ固まったリーディングはどう変化したのか。それは良い変化か、悪い変化か。早速見て行きましょう。

復調したルメール、乗り切れない川田

リーディングトップは復調したルメールでした。8月期は未勝利の週があるなど多少の異変がありましたが、9月期は重賞2勝を含む19勝を挙げ、川田との差を15勝に広げました。川田は残り3ヶ月で、3ヶ月連続で5勝以上の差を付けないと逆転できませんし。今年もリーディングはほぼ確定です。

また、数字だけ見ても年間最多勝を更新した一昨年を超えるペースで勝ち星を挙げている点は驚異的です。一昨年は9月期終了時で148勝でしたから、順調に行けば年間最多勝を更新する可能性が出てきました。はやり病の影響で約1ヶ月も休養を取っていたのにねぇ・・怖い怖い。重賞もしばらく勝てなかった時期もありましたが、何だかんだで二桁勝ちましたし、一強独裁はまだまだ続くようです。

5ヶ月連続で2位となった川田は16勝を挙げました。ローズSで半年振りの重賞勝利となりましたが、リーディング争いは苦しくなってしまいましたね。せめて9月期の勝ち星がルメールと逆だったら可能性はあったかもしれませんが、はやり病のハンデを貰ってこれならルメールが引退するまでリーディング取れないんじゃないですかね。某大手馬主グループも大きいところで勝負にならない川田に、有力馬を回そうとは思わんでしょうし、秋競馬の奮起に期待するしかないですね。

3位は11勝を挙げた福永がキープしましたが、特別戦の勝利はコントレイルの神戸新聞杯のみという落ち込みっぷり。中京巧者であるハズの福永がなんでだろうなぁ。2歳戦が6勝と相変わらず2歳に強い騎手ですし、今月中には100勝に届くでしょう。3着内率は0.449はキャリハイですし、残り3ヶ月で38勝を挙げれば勝ち星でもキャリアハイを更新しますので、そこは注目です。

4位は11勝を挙げた松山です。福永と同様に武さんを完全に振り切りましたね。福永と違い、3歳以上の勝ち星が多いのが特徴でしょうか。デアリングタクト、サウンドキアラ以外の重賞は1勝のみで、9月期も重賞を勝利する事はできませんでしたが、秋競馬では重賞で活躍する姿が見たいですね。

5位は福永と松山に突き放された武さんでした。凱旋門賞に乗りに行ったせいで実働日数が少なく、8勝を挙げたのみですが、相変わらず取りこぼしが多いですね。2,3着は12回(1~3番人気は9回)ですか。来週からは自主隔離で2週お休みですし、普通に考えればこのまま5位でフィニッシュする事になりそうです。ただ、取りこぼしが劇的に改善され、2歳戦で荒稼ぎするような事があれば、3位まで復帰する可能性はわずかながらあると思います。

戻ってきた平場王と逃げる若手No.1

6位の横山武は9月期わずか3勝の大ブレーキでした。2場開催の影響はもちろんあるのでしょうが、ここまでブレーキが掛かるとは思いませんでしたね。新潟・札幌の2場開催時には6勝を挙げていたのですが、2,3着は11回とそこそこ多く、2着は人気馬、3着は中穴が多い上に、着外も人気馬が少ないのを見ると、馬質が悪くなった事が分かります。自分のスタイルでは強いが、それ以外はまだ甘い部分がある騎手なので、10月以降はそうした点の改善に取り組む事が重要でしょう。

7位には11勝を挙げた三浦皇成が4ランクも上げてきました。平場王にも関わらず、半数以上の6勝が特別戦勝ち9年ぶりにGⅡ勝利をするなど波に乗ってる印象がありますね。年初に2ヶ月休みだった事もあって3着内率もキャリアハイを維持していますし、自身初の関東リーディングも視野に入ってきました。

8位の吉田隼人も横山武と同じく9月期に大ブレーキとなった1人です。ローカルの帝王とは言え、わずか1勝とは誰が思うのでしょうか。確かに関東騎手でありながら関西を拠点にしてはいるので、2場開催だと苦しい状況になるのは想像できますが、さすがにこれはねぇ・・・これから始まる6週間のローカル開催でどこまで勝ち星を伸ばせるか注目です。

9位の岩田Jrは6勝を挙げましたが前半はさっぱりでした。16番人気でも勝ったように、一時に比べて馬質は下がってきています。春先はあれだけ有力馬に乗っていたのに、7月期のドタキャン騒動の影響で8月期は14日間で4勝、9月期は6勝ですからねぇ。秋競馬はローカル回りかなぁ。中央四場に居たらもっと勝てないと思いますよ。

10位の藤岡佑介は、今年はGⅠに乗るためリーディング上位に入ると意気込んで2月のローカル参戦で荒稼ぎし、ずっとTOP10入りしてきたのですが、なんとTOP10から落ちそうです。年初からリーディング上位を確保し続けたにも関わらず、現在まで13レースあったGⅠには3レースしか騎乗できていませんし、重複するものの83日間で95レース行われた重賞にも26レースの騎乗に留まっているのは年初の野望とはかけ離れた結果となっています。それが日曜のスプリンターズSでの不可解な騎乗に繋がったのでしょうか。ただ、3着内率はギリでキャリアハイですから、秋競馬でどうなるか見ものです。

上位を狙える可能性と中位に落ちる可能性

11~20位はほとんど変化がありません。3つ以上の変化は北村友が21位から18位に上がったくらいでしょうか。

この辺りで気になるのは、やはり12位のミルコです。現在54勝(重賞4勝)ですが、一昨年は153勝(重賞15勝)、その前は171勝(重賞18勝)を挙げていた騎手がここまで落ちるとは、腕前と勝ち星が一致しない良い例ですね。

それから14位の団野大成も9月期は未勝利で、2着すら無く、3着は4回のみでした。秋のローカルでもう少し腕を磨く必要がありそうですし、20位の西村も中穴で逃げ切った2勝のみで勝ち星が伸びません。1~5月まで30勝でしたが、6月以降は7勝ですから、ローカルから中央四場に挑戦した結果がコレならまだまだ未熟だったという事でしょう。秋はどうするのかな。ローカルに行くならローカルの帝王の後釜になれると思いますが・・・まだ決断できないでしょうね。

逆に11位の田辺は6勝を挙げ、TOP10に肉薄してきました。7位の三浦と5勝差ですが2,3着が21回(1~3番人気は14回)ありますので、この辺を改善できれば6位の横山武にも肉薄できる可能性もあります。15位池添、16位ノリさんはいずれも3着内率が0.300を超えており、池添はキャリアハイに並び、ノリさんは6年ぶりの高水準となっています。18位の北村友は7勝を挙げ、3ランクアップとなりました。14~17位は1勝差でひしめき合っており、17位との差は5勝なので、さらに勢いを増せば10月期に12位くらいまで上がるかもしれません。

中位以下で気になる騎手

21位の坂井瑠星は置いておくとして、23位の松若風馬はなかなかTOP20に入れませんね。上がりそうで上がらない感じがヤキモキさせます。有力馬でのGⅠ騎乗も経験しましたし、秋は飛躍してほしいなぁと思うのですが・・・

26位の戸崎は7月期50位、8月期36位、9月期26位と着実にランクを上げています。夏競馬で15勝、秋競馬で8勝、重賞は8月から3勝と完全に復調したと見ていいでしょう。10月期のTOP20入りは間違いなく、秋競馬は重賞戦線で活躍してくれると思います。

32位の浜中は復帰後、目立った活躍は復帰直後の阪急杯のみで、その後はずっと低迷しています。さすがにこの程度の騎手ではないと思うのですが、未だに『もういいでしょう』を引きずっているファンやマスコミが多いようで悲しいですね。

35位の大野は9月期は未勝利で、8月期に続いてランクを落としています。7月期は28位でしたし、世代交代にはまだ早く、このまま落ちるて欲しくありません。

なお、41位以降はほとんど変化がないので割愛します。

どっちなんだ野中

そろそろ見限るぞと言った8月期から一ヶ月・・9月終了時にはダメか、と諦めかけましたが、10月に入り気が付かない内に8勝目を挙げていました。おかげて狂喜乱舞とはまでは行きませんが、若干希望が持てましたよ。こうなると見捨てたくなくなるのですが、どうせまた100連敗くらいするのでしょう?まるでダメ男に少し優しくされて、私が助けなきゃ!と思い込む女を見ているようです。野中ぁ!!お前はいつからそんな男になったんだ!!

まぁね、2,3着が多い野中君は1勝するだけでも順位ポンポンと上げれるのですよ。もう1勝したら5つ、2勝したら7つ、3勝したら13ランクも上がるわけですから、ポンポンッと勝って50位以内に入りたいところです。

分かってます、分かってますよ。それが無理な事ぐらい。上ばかり見ず、地道に二桁勝利を目指すべきだった事ぐらい分かります。しかしですね、同じ海外帰りの坂井瑠星と比べると、いくら師匠の違いがあれど、あまりにも差があるように思うのです。昨年の勝ち星は、坂井瑠星が30勝、野中君は25勝ですよ?誰だって今年は飛躍するかもって思うじゃないですか。

それが蓋を開けたら215連敗だと?なんじゃそりゃ!!両さんなら、なめんとんのかぁ!!と青筋立てて怒鳴られますよ。もちろん、師匠の違いはもちろん、東西の違い、修行先の違い、帰国後の求められる役割の違いなどはあります。でもねぇ・・私はそんなにダメだとは思わないのですよ。オセアグレイトを初めとして、お前何やってんのよ?という騎乗も散見されますが、それと同じくらい良くやった!!という騎乗もあるわけで、悪い所ばかりに目を向けず、良い所を探していく事が大切なんじゃないかなぁと思うわけですよ関東の調教師さん達。

まぁ小崎や富田に比べたらマシかもしれませんが、せめて20~30勝前後で年1回重賞を勝つか勝たないかくらいの騎手になってくれたらなぁと思いながら日々応援しています。2歳戦が本格化する秋競馬でバコンバコンと勝ってくれる事を期待します。



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