調教師試験の結果
12/10、JRAは来年度の新規調教師免許試験の合格者を発表しました。今年は7名が合格しましたが、その中にあの蛯名正義騎手が含まれています。昨年は一次試験で失敗しましたが、見事リベンジを達成しましたね。
蛯名騎手と言えば、バブルガムフェローが思い出されます。藤沢和先生のところの若駒は3連勝で朝日杯を制した2歳王者で、翌春のスプリングSも勝って一躍クラシックの大本命となりましたが、骨折のためにクラシックを棒に振る事になります。秋に復帰にした同馬は毎日王冠で3着に食い込むと、距離適性を考慮して3歳馬ながら天皇賞・秋に挑戦します。
ところが、主戦騎手だった岡部さんは同週のBCにタイキブリザードと遠征する事になり、鞍上がポッカリ空いてしまいます。その時、リーディング上位で空いていたのが、近年頭角を現してきた蛯名でした。
そして見事バブルガムフェローを史上初の3歳馬による天皇賞・秋制覇に導くとともに、自身初のGⅠ制覇を達成しました。この勝利で蛯名は名を広める事に成功し、以後トップジョッキーとして活躍する事になります。それが翌々年のエルコンドルパサーに繋がるのだから、チャンスをモノにしてきたんですよね。エルコンの時も、的場さんがグラスワンダーを選んで、他に都合が合わなかったために、関東リーディングだった蛯名が選ばれたという話もあるし、リーディング上位に居ればチャンスが貰えた時代で運が良かったね。
その後、マンハッタンカフェやトロットスター、アパパネ、フェノーメノ、イスラボニータなど多くの名馬で活躍し、重賞129勝、GⅠは26勝を挙げました。来年の2月で引退となりますが、ダービーが獲れなかった事だけが悔やまれますね。名騎手は名調教師となれるのでしょうか。来年以降の蛯名に注目です。
さて、騎手出身の合格者は蛯名以外にも西田雄一郎、畑端省吾、村田一誠の3名がおります。西田雄一郎は1999年にスピード違反で摘発され、騎手免許を自主返上したお方。山元トレセンで働き、6年後に騎手免許試験に再合格して騎手に復帰するなど、きちんと筋を通したイメージがあります。自分の子供交通事故で亡くしているのに、無免許でスピード違反をして半年の騎乗停止で反省しましたという騎手より責任の取り方がしっかりしていると思います。復帰後はアイビスサマーダッシュを2勝するなど、新潟1000の名人として活躍しました。
畑端省吾は2000年にデビューし、翌年の13勝がキャリアハイ。21年間で通算49勝、重賞未勝利と騎手としては苦戦していますが、調教師で活躍してもらいたいところです。
村田一誠は秋山や幸四郎と同じ13期生。一時は30~40勝を挙げる中堅騎手でしたが、徐々に成績が低迷すると自身のブログで短期免許の外国人を貶したりして問題になりました。私の位目0時ではロゴタイプで凡走した騎手というイメージが強いです。同馬は2歳の北海道シリーズで4戦し、全て村田が騎乗したのですが、掲示板には載るものの1-0-1-2という残念な結果に。一息入れた秋にミルコの乗り替わると、いきなりレコードで快勝、返す刀で朝日杯も獲り、勢いに乗って皐月賞もレコードで勝利するという騎手の重要さを教えてくれました。その後、3歳と4歳の札幌記念で指名されるものの、5,8着と結果が残せず、なぜコイツを乗せるんだという声が上がったのを覚えています。調教師では問題を起こさないようにお願いしますね。
徐々に年寄りが引退していきます。寂しい気持ちが強いですね。良い時代を知っている騎手ですから。若い騎手も伸びてきませんし、このまま年寄りの上位騎手が軒並み引退したら、メインを張れる騎手は残りませんぜ。分かってます?JRAさん。
一強独裁を許すような真似は制限するべきですし、広く公平公正な競争を促す事ができない組織は、大きな綻びを生みますし、いずれ亀裂が入って崩壊しますよ。短期免許制度も、エージェント制も、若手騎手制度も合わせて変えていかないと、10年後は不安でしかないですね。