モレイラが来る?!いや来んでええ!!
18日のデイリーの報道によると、ジョアン・モレイラ騎手が今夏に短期免許を取得する方向で調整を進めているそうです。今秋のGⅠシリーズでも騎乗する意向があるとのことで、モレイラ本人は
「(フェブラリーSで)久しぶりに日本で騎乗できてすごくうれしかったです。近年は新型コロナの制限などもあってかないませんでしたが、また短期免許を取得して日本の皆さんに会えることを楽しみにしています」
とコメントし、併せて引退報道ついて
「そんな話はありません。今後は凱旋門賞やブリーダーズCなどの国際レースにもチャレンジしたい。来年も短期免許取得の条件はクリアできていますし、もちろん来る予定です」
と言っています。いやぁ~~・・・ぶっちゃけ来ないで欲しい笑 個人的には人柄的に信用できないというか何というか・・・やはりあの通年免許試験での対応が悪い印象しかなく、その直前の夏競馬で荒稼ぎしたことと相まって傭兵というイメージを非常に強く印象付けた感じですね。
■モレイラの成績
モレイラが短期免許で初来日したのは2016年8月です。わずか3週間の滞在でしたが、いきなり騎乗機会7連勝を飾り、武さんと並ぶJRA最多タイ記録を叩き出します。その後、2017年、2018年も来日しましたがその2018年にはナックビーナスで重賞初制覇、秋にはアエロリットで毎日王冠、リスグラシューでエリザベス女王杯を制覇し、ついでに初騎乗から294戦目での史上最速通算100勝達成(勝率0.340、連対率0503、3着内率0.608)とやりたい放題です。
2016年 17ー12ー7ー17 勝率0.321、3着内率0.679
2017年 12ー 6ー 3ー20 勝率0.293、3着内率0.512
2018年 67ー31ー24ー77 勝率0.337、3着内率0.613
これだけでも恐ろしいのですが、こと1番人気になると
2016年 11ー 8ー3ー 3 勝率0.440、3着内率0.880
2017年 8ー 5ー3ー 5 勝率0.380、3着内率0.762
2018年 40ー14ー8ー32 勝率0.425、3着内率0.659
と川田も真っ青の数字を叩き出しているのです。こんなんされたら日本人騎手は目も当てられない惨状に陥ることは明白ですよ。ちなみみんな大好きレーンはというと、
2019年 15ー 1ー8ー14 勝率0.394、3着内率0.631
2020年 27ー14ー9ー36 勝率0.313、3着内率0.581
2022年 18ー 8ー4ー20 勝率0.360、3着内率0.600
2023年 14ー 5ー5ー18 勝率0.333、3着内率0.571 ※5/18現在
パッと見てもモレイラの足下にも及ばないですよね。蝶よ花よと好待遇を受けるレーンでもこれなんで、短期免許組の歴代最高と言っても過言ではないほど優秀なモレイラならどれだけ好待遇、好成績になるか。恐ろしいです。
■短期免許の要件
モレイラ曰く、「来年まで短期免許の要件は満たしている」とのことなんですが、あれ海外GⅠ勝ってたっけ?と思い、調べてみても情報は無く、香港リーディングを見てみれば、2020/2021年は1位、2021/2022年は2位でしたので、おそらくこの要件で申請するのでしょう。この場合、香港競馬は6月でシーズン終了なので、申請できるのは2024年6月までであり、申請後は60日以内に騎乗を開始しなければいけませんので、GⅠ勝利の要件を満たせなければ2024年の秋に騎乗することはほぼ無理でしょう。
この申請っての厄介なもので、過去に色々な誤解を招いています。例えば、2019年1月にブロンデルが来日した際は2016年フランス4位で、2020年1月にミナリクが来日した際は2017年ドイツ1位で取得要件を満たしています。
2019年に騎乗するなら2017年、18年に、2020年に騎乗するなら2018年、19年に要件を満たさないといけないと考えている方も多いと思いますが、正確には申請日から遡って2年という括りなんですね。そのためブロンデルは2018年中に申請して2019年1月から、ミナリクは2019年に申請して2020年1月から騎乗することができました。
それに引っ掛かったのが悪役令嬢と揶揄されるミカエル・ミシェルです。彼女は2018年女性リーディング1位の要件で来日する予定で、2020年12月に申請し、許可が下りていたのですが、その頃ははやり病の真っ最中で、外国人の入国制限、来日した場合でも隔離期間がありました。
短期免許が交付されるには面接を含めて日本国内で手続きを終えないといけませんが、申請後60日以内に騎乗を開始するためには2月28日(日)に騎乗しなければならず、そのための出走登録締め切りである2月25日(木)までに短期免許が交付されている必要がありました。ところが前述した隔離期間と入国制限が重く圧し掛かり、結局、短期免許を取得することができませんでした。これが前2人とは違い、ギリギリの申請でアウトだったパターンです。
※その時の記事はコチラです。↓↓↓
閑話休題
話は戻ってモレイラの取得要件ですが、世界中を飛び回っているので現状はどこから騎手免許を受けているのか分かりません。そのため、母国リーディングでの来日は難しいのではないでしょうか。そうなるとGⅠ勝利による要件ですが、指定外国競走2勝は意外と難しくて、お得意の香港はチャンピオンズマイルしか認められておらず、ドバイも豪州も狭き門ですし、英仏愛米は伝手がなければ騎乗することもままならないのですよ。
となると、モレイラが継続して短期免許を取得するためにはJRA・GⅠを勝つしかないんですね。ただ、関係者が躍起になってそれを目指して失敗したのがレーンです。蝶よ花よと多くの騎乗馬をあてがったものの、海外GⅠはおろか国内GⅠのみならず、重賞すら勝てていません。さすがにモレイラがそうなるとは思いませんが、ただチャンスは多くありません。
おそらく春先は日本に来ないでしょうから、今秋と来春のドバイ、めちゃくちゃ頑張って24年6月末申請、8月末騎乗開始、11月末まで3ヵ月という形しかないんですね。レーン以上に騎乗馬を集めて固め打ち・・できますかねぇ。5年前とは状況が違いますし、活きの良い若手もいますし、そう簡単にはいかないような気もするんですが。
■レーンはクビ?
というかですね、今回の来日はレーンの代わりのような気がします。数字見てもそうなんですが、今年のレーンの成績は良くなくて、簡単に言えば1番人気でしか勝てず、その1番人気もかなり飛ばす、という状況です。
そもそも1番人気の勝率は約3分の1、3着内率は約3分の2と言われており、上手い騎手であればあるほど、その数字は上がっていくのですが、彼の前年までの累計は勝率0.345、3着内率0.598とギリギリ及第点であり、今年は勝率0.333、3着内率0.571と割り込んでいます。大活躍した初年度2019年でも勝率0.304、3着内率0.536ですので、今年の評価は高くありません。
また、重賞未勝利というのも勝負弱い印象がありますし、このまま何事もなく短期免許期間が終了してしまったら、母国リーディングも、GⅠ勝利数も満たすことができず、また一からやり直しです。
なんだか関西若手3年目のジンクスみたいですね。レーンは初年度のインパクトが強かったためそのバイアスも大きいと思いますが、2年目以降はそこまで優秀な成績を残せているわけではなく、日本人騎手で言えば調子のいい戸崎くらいでしょうか。3年目も成績は下降して傭兵として期待されたほどではありませんし、正直、レーンじゃなくてもいんじゃね?と思うレベルです。
一方のモレイラは現状フリーで世界中を飛び回っています。免許取得要件が怪しいものの、どこかの国が騎手免許を発行し、指定外国競走を2勝すれば来日できるのであれば、レーンよりも実績のあるモレイラに傾注するのは当然ではないでしょうか。またバカスカ勝ったら通年免許も~なんて声が聞こえてきそうで怖いです。
まぁルメールも44歳ですし、後釜を考えたら40歳のモレイラは難しいでしょうなぁ。というかルメールが移籍したの36歳の時ですから、それくらいの騎手じゃないと引っ張れないんじゃないかな。そういう意味では前回の通年免許受験の時が35歳でちょうど良かったんですね。残念。
何はともあれ、また傭兵が一人やってくるそうです。個人的には一瞬だけ来る短期免許なら許せるんですよ。ムーアみたいに11~12月だけとかね。ただ、ガッツリ3ヵ月乗って20勝、30勝した上で重賞バンバン勝たれたら、日本人騎手はノーチャンスじゃないかと思うのです。
そもそも若手とベテラン、コネの有無ってだけでもかなりの差があるのに、そこに各国の一流騎手がコネ付きで来たら、その差はそれらの比じゃありません。やっと福永が片付いて上の整理が始まったので、若手の芽を潰さないでほしいなぁ。コナコースト鮫島克みたいな事は絶対に止めて欲しいね。
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