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今週の野中君2020-30

我らが野中君は今週4鞍に騎乗します。予想はしていましたが、さすがにこれは酷い・・というか厳しいですね。私が追っている他の若手騎手、松若も4鞍、武藤雅は6鞍ですから、若手はみんな厳しいのでしょう。鮫島克も5鞍ですし、斎藤新も7鞍、関西期待の若手と言われた西村でも8鞍です。

考えてみれば、そりゃそうか。例年なら小倉にいる騎手が新潟に参戦しているんですから。札幌参戦組もあおりで新潟に移った騎手もいるでしょうし、札幌以上に激戦区ですよね。リーディングの上から見ると、川田、松山、福永、岩田Jr、和竜、西村、松若、北村友、鮫島克、斎藤新などが新潟に参戦しているんだから。

もちろん、勢いをキープしている若手もいます。チョンボを繰り返していてもなぜか岩田Jrは15鞍に乗れますし、関東リーディングの横山武は19鞍、団野大成や亀田は14鞍、菅原は12鞍などそこそこの実績のある減量騎手には依頼が集まってます。

にしても、これがあと3週も続くなんてやってられないですよね。坂井瑠星のように、いっそのこと騎乗停止でバカンスでも取った方が心身ともにリフレッシュできるかもしれません。

ただ、今年の開催日割は昨年と比べて開催日数(各競馬場の開催日数)に変更はないものの、節(土曜、日曜などの開催日)は減少しています。これはリーディング下位の騎手にとっては有利なのです。

    昨年      今年
初春 15節40日間  17節46日間 +2節+6日間
春  33節88日間  31節84日間 -2節-4日間
夏  24節72日間  26節72日間 +2節±0日間
秋  35節88日間  34節86日間 -1節-2日間
      288日間    288日間 
※計算を分かりやすくするため、函館開催の週から夏競馬としています。

こんな感じで見ると分かると思いますが、例えば8節24日間で日程を消化するのと、9節24日間で消化するのでは、後者の方がリーディング上位の騎乗する機会が多くなります。三場開催なら2節しか騎乗できませんが、三日間開催なら3節騎乗できますからね。つまり、同じ日数を消化する場合、節が少なければそれだけ分散して開催しているため、リーディング下位の騎乗機会は増えるわけですね。

ところがどっこい、今年は夏競馬で減った日程は上期で消化していますが、節自体は増えています。そのため、今週からの3週のようにリーディング上位騎手の騎乗機会は多く、リーディング下位は騎乗機会が少なくなります。

となると、我らが野中君は非常に厳しい立場に置かれる事になりますね。今年はただでさえ215連敗が尾を引いていますし、活きの良い若手がガンガン結果を出していますし、さらに騎乗機会まで奪われれば浮上のきっかけは見出せないでしょう。

それでも私は野中君を応援します。だって可哀相ですもん。菜七子の兄弟子という立場は本当に苦しいと思いますよ。海外遠征してもビザの関係で競馬に乗れず、その間に他の若手がオセアニア地区で結果を出し、世界トップクラスの厳しさのアイルランドで牧童まがいの生活ですからね。バリードイルでの調教経験は日本人騎手では誰も経験したことのない貴重な時間だったとはいえ、それだけでは単純な結果を目にした関係者には届きませんし、日本で騎乗数を増やす事は難しいでしょう。加えて再度の武者修行の希望はあったものの、コロナでそれもできず、八方塞の現状です。

でもね、そういう人間を応援するのが日本人の心意気ってやつですよ。弱い阪神がなぜあんなに応援されるのか、甲子園で負けているチームに声援を送る視聴者が多いのはなぜか、お荷物クラブと言われた時代のレッズにあれだけのファンが付いたのはなぜか。逆境を乗り越えようとする人に心を打たれるからです。

騎手界という自身の実力以上に繋がりや評判が重視される世界で、調騎分離以前の騎手ような事をしながら耐えているわけですし、やはり欧州で武者修行した経験は大きいと思いますし、それを生かして頑張って欲しいと思いますね。

今週の少ない注目馬は土曜メインのヒイナヅキです。新潟では1-1-0-0で、KTMは500万下で0.5、-0.3を記録。中山1000万下でも0.3がありますし、52キロでスルスルっと行けば3着はありそうです。



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