短期免許の動静
秋競馬が本格的に始まり、短期免許組の動静がちょいちょい伝わってきました。どんな輩が来るのでしょうか。
■ホリー・ドイル
まず、世界No.1女性騎手の呼び声高いホリー・ドイル騎手が初来日します。期間は10/29の天皇賞ウイークから12/25の有馬記念当日まで。
ドイル騎手は2013年にアマチュア騎手としてデビューし、同年暮れから米国で武者修行を開始します。その後、英国に戻った2016年、33勝を挙げて飛躍の一歩を踏み出すと、2018年に参戦したシャーガーカップでは1着となり、2019年には英国女性騎手年間最多勝となる116勝を挙げ、「イングランドプロフェッショナルジョッキーズアソシエーションの年間女性騎手MVP」を獲得しました。
翌2020年にはプリンセスオブウェールズSで重賞初制覇、英国女性騎手で史上初の1日5勝、ブリティッシュ・チャンピオンズ・スプリントSでGⅠ初制覇などを記録し、前年を上回る活躍を見せ、117勝で年間最多勝を更新。2022年はディアヌ賞(仏オークス)に勝利し、クラシック初制覇および女性騎手初制覇という快挙を達成しました。
ぶっちゃけ、ミカエル・ミシェルなんて目じゃないレベルですね。そんな騎手が美浦を拠点にするってんだから驚きです。平場では軽斤量ですし、どんな成績になるか楽しみです。
■トム・マーカンド
続いて、ホリー・ドイル騎手の夫、トム・マーカンド騎手も初来日です。期間はホリー・ドイル騎手と同様に10/29から12/25まで。
同騎手は2015年に英国の見習い騎手チャンピオンで、2020年に豪州のランヴェットSでGⅠ初制覇し、クイーンエリザベスSも制覇。秋にはセントレジャーで英国GⅠ&クラシック初制覇、英チャンピオンSも制する活躍を見せました。
まだ24歳と若いですが、昨年は英国リーディング2位となる176勝を挙げ、今年も80勝で4位に付けている有望株です。夫婦での参戦は今後無いかもしれませんね。ドイル同様に美浦所属なので、こちらも楽しみです。
■クリスチャン・デムーロ
今年の頭にも参戦したクリスチャン・デムーロ騎手も来ますね。前述の2人同様に天皇賞ウイークからの参戦で、こちらは12/28のホープフルS当日までを予定しています。
同騎手は、一昨年にソットサスで凱旋門賞を勝ち、昨年は115勝で仏リーディング5位、今年も121勝で4位に付けています。なかなかリーディング上位は難しいですが、英仏はリーディング5位以内が条件ですし、凱旋門賞とドバイシーマでGⅠ勝利数でもギリ条件を満たしています。ゆくゆくは日本に移籍・・・となれば面白いんですが、まぁ本人はその気はないでしょう。
■ライアン・ムーア
ムーアは11/12~12/4までの来日を予定しています。エリザベス女王杯からチャンピオンズCの週ですね。最後に短期免許で来たのは2019年ですから3年振りですか。その時はムーアらしからぬ成績でしたし、その後海外でも一時の勢いほど勝てていない印象があります。とは言っても普通にバンバンGⅠ勝っているんですが。
リーディングではなくGⅠ勝利数で条件を満たして来日できる数少ないトップジョッキーですから、貫録のある腕前を披露してもらいたいところです。
■ダミアン・レーン
ぶっちゃけ来ないで欲しいレーン(笑)ですが、スミヨンの騎乗停止を受けて白羽の矢が立ったそうです。今春に2ヵ月取得しているので、今年はあと1ヵ月のみであり、11/12~12/4の予定だそうです。
本人は「この時期に乗れるのはうれしいですね。ジャパンカップにはまだ乗っていませんし、憧れのレースですからね」とコメントしていますが・・ぶっちゃけ来ないで欲しい(←2度目笑)
■バウイルツァン・ムルザバエフ
3年連続で独リーディングのムルザバエフが12/28に騎乗する予定があるそうです。おそらく短期免許でしょうが、翌2023年の1月と2月に本格的に短期免許で騎乗するそうなので、年末から2月末までって事でしょうか。
ドイツを拠点に騎乗している同騎手は、2019年から3年連続リーディングに輝いており、2022年の独ダービーでG1初制覇を挙げたそうです。これ以上に情報がなかなか無いんですよねドイツ競馬って。
GⅠも独ダービー、ディアナ賞(独オークス)、ベルリン大賞、バイエルンツフトレネン(ダルマイヤー大賞)、バイエルン大賞、バーデン大賞、オイロパ賞しかなく、凱旋門賞での活躍から重たい馬場の国というイメージしかありません。
本人は「来年1月と2月はライセンスを付与される予定の日本での騎乗に集中します。違った国で騎乗することによって多くのことを学べるし、2カ月過ごすことを楽しみにしています」とコメントしており、来年早々どんな騎乗を見せてくれるでしょうか。フィリップ・ミナリクの後継にならないかな。
■番外編1 ミカエル・ミシェル
意気揚々と通年免許に挑戦したミカエル・ミシェルは、あっさりと門前払いされました。まぁそうですよね。
そもそも短期免許すら取得できずに通年免許に挑戦しようという根性がスゴいです。この記事でも書いたように、彼女は顔が良いだけの問題児だと思っているので不合格は当然だと思いますが、メディアや一部のファンはそうじゃない人もいるようで・・・個人的には閉口したくなります。
本人は「がっかりしているし寂しいです。でもJRAの騎手になるのは私の夢なので、来年の試験をトライするためにもっともっと頑張ります。今年の試験を受けることはとても良い経験になりました。今は試験とは?というのが分かった気がします。私は決して諦めません。もっともっと勉強して再度挑戦します」とコメントしました。私の感想は「夢って言葉はこうも軽く聞こえるとはなぁ」って感じですね(笑)
まぁ書きたい事は上記の記事に書いているので、良かったらご一読下さい。
■番外編2 ジョアン・モレイラ
ミカエル・ミシェルが不合格となった一方、かつて通年免許に挑戦したモレイラは近日中に香港から退去するようです。なんでも、左股関節の故障に苦しみ、身体的苦痛に加え、心理的なストレスを抱えているそうで、早期の帰国を望んでいるとのこと。
本人は「ブラジルへの帰国は、自分自身と家族にとって現段階で最善の決断だと考えている」とコメントしていますが、これ中国の支配下になった事と関係あるんですかね。
2014/2015年シーズンから3年連続リーディングを獲得後、3年連続2位となり、昨年4年ぶりにリーディングに輝くなど、香港競馬で数々の輝かしい記録を打ち立ててきた同騎手が、そこを離れると決断するからには何かあると考えるの自然で、それが公表されたものだと判断するにはちょっと不自然さを感じます。
「また挑戦する」と言っていた通年免許もいつの間にか過去の戯言となっていますし、勢い余って日本に戻ってこないでもらいたいところです。短期免許=傭兵の流れを作ったのはモレイラじゃないかとすら思ったりしますからね。