見出し画像

データと直感の融合 ジャパンC&京阪杯

・今週の気になる競馬ニュース

先週日曜の京都2Rで落馬負傷したムーア騎手ですが、「ハプニングがあったものの、JRAの皆さんにケアしてもらい元気です。レントゲン施設もあって感動しています。感謝しています。」と元気なようです。スタートでの落馬だったのでそこまでの怪我に繋がらなかったのでしょう。というか、レントゲン施設があることに感動って・・海外には医療設備はないのかな。直で病院行き?それっていざって時に怖いよね。

しかし、元気だと話していたものの水曜の浦和記念をキャンセルし、翌木曜には短期免許自体を取り消して帰国となりました。治療のための帰国とのことですが、日本で無理して乗る必要はありませんからねぇ。母国はシーズンオフですし、ゆっくりと静養してほしいと思います。


また、ドウデュースに騎乗予定だった武豊騎手は、天皇賞・秋の当日に負傷した予後が思わしくなく、ジャパンCはキャンセルすることになりました。仮になんとかカプセルに入って回復促進を目指しても歳も歳ですし、回復が遅いのは仕方ありません。ドウデュースの鞍上は引き続き戸崎が務めるそうですが、期待値が上がりませんねぇ。先週の藤岡弟のようになれるか、見てみましょう。


それからジャパンCは女性騎手の参戦が目立ちます。まず、外国馬イレジンに騎乗するマリー・ヴェロン騎手は2016年秋に騎手デビューし、18年42勝で仏女性リーディング5位、20年には女性騎手年間最多勝を更新する84勝をあげ同1位、総合でも女性騎手初のTOP10入りと活躍しました。その後、21年は77勝、22年は67勝と安定して勝ち星を重ね、イレジンでロワイヤルオーク賞を勝利しフランス人女性騎手初となる仏GⅠ制覇という快挙を達成しており、過去記事でも少し取り上げましたが、どこぞの『顔が良いだけの問題児』とは大違いです。今年もイレジンとのコンビでフランスの伝統GⅠガネー賞を勝っており、何気に期待できるコンビです。


次にムーアの帰国により空いた前年の覇者ヴェラアズールの鞍上に収まったのがホリー・ドイル騎手です。昨年、初めて短期免許で来日した際はわずが2勝に終わりましたが、母国英国では2019年に英国女性騎手最多勝となる106勝を挙げ、翌20年も117勝を挙げ記録を更新。英国リーディングは英2000ギニー(5月上旬)から英チャンピオンS(10月中旬)までが集計期間ですので、上記と若干異なりますが、2020年は94勝でリーディング4位、21年は87勝で同5位、22年は91勝で同2位、今年は89勝で同5位と普通にトップ騎手の成績を残しています。

GⅠは2020年に英チャンピオンズ・スプリントSで初勝利を挙げると、翌21年にグッドウッドC、22年はナッソーSやディアヌ賞(仏オークス)、今年はキングズスタンドSやカドラン賞などを合計8勝を挙げており、こちらも『無謀な挑戦を続ける問題児』が足元にも及ばない存在です。


そして最後は孤高のJRA女性騎手の藤田ですね。正直、準OPでも苦しい馬で参戦できたのはひとえに師匠のおかげでしょう。デビュー以来ずっと根本厩舎所属ですし、師匠もチャンスがあれば経験を・・と思っているのかもしれません。そうした期待を寄せられるのは、競馬に対して真摯に取り組んできたことを評価されてのことだと思いますし、どこぞのスマホとSNSをばかり弄っている輩とはちょっと違いますね。


女性騎手が活躍したらそれはそれで面白いと思いますが、かといって外見や競馬外のことで注目を集めて本業はからっきしのような存在を『女性騎手』だからと持て囃すのも違うと思います。メディアはもちろん、私たちファンもしっかりと騎手としての腕を第一に評価して応援していきたいですね。


・先週の結果

先週は土曜の東スポ杯はパスし、日曜のマイルCSに注力します。事前予想では隠し要素込みの複勝が7番セリフォスと11番エルトンバローズ、馬連で1・2・3→3・4・5番人気のフォーメーション、ワイドで2番人気を軸に3・4・7・10番人気と、4番人気を軸に1・2・5・10番人気と変則だらけの馬券でした。

ところがどっこい、午前中にナミュールに騎乗予定だったムーアが落馬負傷し、乗り替わりとなってしまいます。その鞍上は藤岡弟という鞍上弱化に迷いに迷いましたねぇ。1~5番人気が比較的良く出るマイルCSですから、5番人気のナミュールが切れるか切れないかで回収率に差が出ますし、GⅠで当日乗り替わりで勝った例は今まで無かったハズで、頭は切れると思いました。

ただ、馬連でナミュールを切るということは馬連1~4番人気BOXを買うのとほぼ変わりません。そちらの的中率は60%ですし、手を出しづらい数字にスルーすら頭を過ぎりました。ここで4番人気エルトンバローズが隠し要素込みの複勝に該当していることを思い出し、これが来ると仮定するとワイドは4番人気を軸にした方だけでいいかもしれないと考えます。相手4点のうち10番人気エエヤンのミルコが来るとは思えませんので、1・2・5番人気が相手ということ。

ならば、5番人気ナミュールを切るということは馬連でもワイドでも点数が半分近くに減るということになりますので、そこまで減らすのは怖いということで馬連は予定通り8点、ワイドは2番人気軸を切り、4番人気軸の相手が1・2・5番人気に絞り、後はオッズ的に旨味の無いセリフォスの複勝を切ってエルトンバローズの複勝にしました。ほぼエルトンバローズ軸ですね。

レースは少しバラバラっとしたスタートからエエヤン、セルバーグ、マテンロウオリオン、バスラットレオン、ソーヴァリアントが先手を争います。それらを見るような形で中団を形成するのがセリフォス、エルトンバローズ、ソウルラッシュの人気馬一行。1番人気のシュネルマイスター、5番人気のナミュールは縦長の隊列最後方に位置します。

前半46・5秒というミドルペースで坂を登ると、4角で徐々にバラけてきますが、先団に残った人気馬はセリフォスのみで、ソウルラッシュ、エルトンバローズは一列遅れて直線に入ります。直線では各馬が密集することもなく、かなりスペースがある状況で、セリフォスはいつもの川田らしく大外へ、エルトンバローズはさらにその外、ソウルラッシュは内でジッとして空いたスペースを突きます。

抜け出したセリフォスでしたが、前に残った分、直線では弾けず、残り1Fで脱落し、変わって内からソウルラッシュが抜け出すも、中団の底にいたジャスティンカフェが猛然と襲い掛かります。しかし、それも残り100mで止まり、ソウルラッシュが勝ったかと思ったところに大外からナミュールが一気の脚でなで斬り1着。まさかまさかの乗り替わりⅤとなりました。

軸だったエルトンバローズはセリフォスの外からジリジリとしか伸びず4着まで。上がりを見ると他馬と0.4秒ほど離れていますので、マイルのトップクラスではもうワンパンチ足りなかったですね。シュネルマイスターは毎日王冠のようにラスト1Fしか競馬をしていません。勿体ない。

結局、悩みに悩んだ5番人気ナミュールが勝ち、2着は経済コースを通った3番人気ソウルラッシュが入ったことで馬連は的中。複勝もワイドも惜しい4着でハズレという結果になりました。馬連で44.4倍も付いたので回収率は良かったものの、データでは的中、馬券予想では負け、直感で勝ちという何とも複雑な一戦でした。ムーアの乗り替わりとか関係なく、データ通りで良かったんですよ。直感必要無かったです。馬券力もさることながら、直感もさび付いて来たようで、東京最終週が心配です・・・



ジャパンC

出現数上位(馬番) 対象2000~2022年(2002年を除く)22R
1番(8回)、2・6番(7回)、4・10番(6回)、5番(5回)
1~6番(35回)、7~12番(18回)、13~18番(13回)
出現数上位(人気)
1人(19回)、2人(13回)、3・5人(8回)、4人(7回)、6人(4回)
1~3番人気(40回)、4~6番人気(19回)、7~10番人気(5回)

ここから先は

1,569字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?