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短期免許も取得できずに通年免許受験へ

ついにミカエル・ミシェル騎手がJRA新規騎手試験に挑戦するそうです。ぶっちゃけ、ここで?!?!と思ったの私だけじゃないハズ・・

様々な報道によると、

『ミシェル騎手が、7日に締め切られたJRA新規騎手試験の受験を申請した。コロナで先延ばしになっていたJRA移籍への挑戦を決め、JRA通年免許試験を受験することを、代理人を通じて申請の事実を認めた。』

『過去2年はコロナ感染拡大防止のためビザの取得ができず、来日を断念していたが、入国制限の緩和でビザを取得できる見通しが立ったことでJRA通年免許試験へのチャレンジが決まった。』
とのことです。


ミシェル騎手のコメントは以下の通り
『ファンの皆様、今ここに念願だったJRA通年騎手免許試験の受験の夢が果たせたことをご報告いたします。どれだけの言葉を使い、どれだけ私が幸せかを表現することはできません。

 もちろん、まだ受験する段階で、大変難解な試験が待っています。でも、2年間もずーっと祈り続けたことの実現に、日本への飛行機に乗れることに心より感謝しております。コロナで世界中が苦しいなか、皆様とともにコロナと闘ってきました。

日本のお餅、担々麺、ギョーザは、その間に忘れられないものになっています。そして優しく私を迎えていただいたファンの皆様、その温かさは今でも心に残っています。

 この2年間、調教、レースの後のトレーニングとともに、日本語の勉強は続けてまいりました。ただ、本当に日本語は生易しいものではなかったですが、私は自分の夢をかなえたいとの一心で努力してまいりました。

 受験の際にはベストをつくすつもりです!どうぞ応援お願いいたします!
 ファンの皆様のお陰で私はこの夢にまい進いたします!ありがとうございました』(スポーツ報知から引用)


『私は元気で、新しいアメリカでの生活を楽しんでいます。欧州とは大きく異なり、最初は全ての書類を作成するのが困難でしたが、今では問題なく暮らせています。アメリカでの競馬ぶりも日本のレースに似ているので、好きですよ。スタートして先行し、どの馬も力強いレースをしてくれます。

 JRAが通年免許試験の受験を受け入れてくれて、本当にうれしいです。2年前からこの瞬間を待っていましたが、日本と日本のファンが恋しいです。日本のルールをよく勉強して、日本語も勉強していますが、難しいですね。でも、この試験は夢なので頑張ります。日本のファンが私が試験を受けることを喜んでくれることを願っていますので、私をサポートしてください。』(日刊スポーツから引用)


・・・なかなか言葉が出ませんが、まずは彼女のことをおさらいしてみましょう。



■ミカエル・ミシェル騎手のおさらい
ミシェル騎手は2019年にWASJで初来日し、第3戦で初勝利を挙げました。同年11月末にジャパンCを観戦した際には、通年免許にチャレンジしたいと表明し、翌2020年1月からは南関東の短期免許を取得(川崎競馬場の山崎裕也厩舎所属)。267戦30勝の成績を挙げ、1回の短期免許として2011年のアラン・ムンロ、2017年のライアン・クアトロの地方競馬短期免許取得外国人騎手最多勝利数タイ記録を更新しました。

しかし、はやり病が本格化していた同年4月に、次の行先である米国が閉じていたために短期免許の延長を希望したのですが、年度が変わったために不可とされ、帰国します。その後、7月にイタリアのカルロダレッシオ賞 (G3) で重賞初勝利を挙げ、JRA通年免許試験に向けて弾みをつけたものの、はやり病の感染拡大の影響で来日できずに受験を断念することになります。

ならば短期免許はどうだとばかりに、12月末にJRAの短期免許の審査を通過したと公表しました。ミシェル騎手は通常であれば短期免許取得要件を満たせていませんが、実はJRAは8月に『短期免許制度における女性騎手に対する成績要件の新設』を発表しており、そちらの要件を満たしたために審査が通ったわけです。

ところがどっこい、騎乗を開始する2021年1月と言えば、日本でははやり病の第3波の真っただ中です。短期免許は申請日から騎乗開始まで60日以内というルールがありますので、12月末に申請をして審査を通っていたミシェル騎手は2月末までに騎乗を開始しなければいけなかったのですが、来日後の隔離期間の確保など様々な都合で来日すらできず、結局、短期免許の取得を断念することになりました。

その後しばらく話題を聞かず、約一年後の2021年12月、フランスで落馬負傷し、鎖骨開放骨折・前頭葉血腫・首骨折という重症を負ったとの一方が入ります。一時は騎手生命も危ぶまれましたが、翌2022年3月に無事復帰。5月には米国を拠点にすることを発表し、現在に至ります。



■通年免許どころか短期免許も取れない成績

以前、こんな記事を書きましたが、まぁ今年WASJに参戦したコラリー・パコーやフランスの女性騎手の年間最多勝記録を更新したマリー・ヴェロンに比べると一発屋の匂いがプンプンします。

女性騎手リーディングを獲った2018年以降、ミシェル騎手の成績は急降下しており、2019年の勝ち星は3分の1以下に減少した22勝、2020年と2021年は16勝で、女性リーディングでも16位に終わっています。2022年5月から米国に移籍したのですが、初勝利の一報以降、なかなか勝利の報を聞けません。

これではJRAの短期免許を取得するのは非常に困難ですし、それを考えるのであれば通年免許は・・・と考えるのが自然な流れでしょう。もちろん、成績が伴わなくても競馬学校以外からJRA騎手になった人はいますが、後述するように彼女の場合は成績以前の問題のような気もします。



■日本人の考え方に合うのか疑問
前述のとおり、ミシェル騎手はJRA短期免許を取得したことはありません。通年免許に挑むほど日本移籍を希望するのであれば、まずは短期免許を取得して、日本競馬界に慣れていくことが最適解ではないでしょうか。

そもそも彼女の成績で短期免許を取得できるのは、この時が最後です。女性リーディング1位は2018年の話で、前2年という要件を満たすためには2020年12月までに申請をしなければいけませんでした。その後、初騎乗まで60日間も猶予があるため余裕を持っていたのかもしれませんが、結果的に第3波が収まらず、来日できなかったのは事前の下調べや準備が足りていないからとも考えられます。

どうも私には短期免許を取得できなかったのは、そこまでの思い入れが無かったように思えてしまうのです。もちろん、はやり病の影響だったことは間違いありません。ビザ申請や自主隔離期間なども大変だったと思います。しかし、そうしたことも考慮した上で、確実に来日できるようスケジュールを組むべきだった・・そう思ってしまうのです。日本人だから。



■自分本位に見られる
また、地方競馬の短期免許の延長も、はやり病の影響で米国行きの予定が見通せなくなったために希望したわけです。NAR側は「次年度になるのでビザなどの必要書類を揃えて、もう一度(短期免許)試験に受かれば騎乗できます」って話だったのに、申請しなかったので延長は認められませんでした。申請要件は、身元引受人、調教師からの推薦状、就労ビザ、騎乗技術なので、揃えられなかったとすれば就労ビザではないかと推測できます。しかし、頑なに延長のみを希望して、認めらないと分かったら「吉田照さんががっかりしていた。特別だし、もう一度検討してほしい」と言うのです。

どんな圧力のかけ方だよ。露骨にもほどがあります。日本のルールに従おうという気は無いのでしょうか。自分の都合で予定を変更したいから特例を認めろって再三発言するのは、十分自分本位に見えますね。そんな考えでは、よしんばJRA通年免許を取得できたとしても、日本競馬村でやっていけると思いますか?と思ってしまいます私は。

というか書いてて思ったんですが、関係者から2020年10月のJRA通年免許試験の受験後、11月から3ヵ月間、再び南関東で騎乗するプランがあるとの報道もありましたよね。もしかしたら、その時の短期免許期間(3ヵ月)を確保しておきたくて、2019年度の短期免許を延長しろとゴネたって可能性もありません?だとしたら相当の策士ですぜ旦那。

まぁ証拠も何もありませんが、そう疑われるような行動をしているのは確かです。日本人が使う意味と同じ意味で使っているかどうかは分かりませんが、今でも『私をサポートしてください。』って堂々言う人ですからね。ゴネたり、圧を掛けたりするのはデフォだと思われても仕方ないでしょう。



■日本、米国、欧州とで日和見する
また、この騒動があった2020年4月時点で米国移籍を画策していた事も分かりますね。2022年5月に米国に拠点をすると報道があった際に「(移籍は)何年も前から考えていた。日本の短期免許は難しいとのことで、より騎乗機会が得られる米国に行きます。国際的なジョッキーとして前進していけたらと思う。」とコメントしています。

JRAの通年免許を、と再三再四言っておきながら米国行きですか。これを聞いて私が思ったのは「何年も前から考えていた?それって日本と米国を日和見してんの?」ということ、それから「日本で騎乗機会が少なかったら日本を飛び出すわけ?」ということです。2020年4月時点で米国行きの予定があったということは、その時期にはもう選択肢の一つだったということで、何が何でもJRA通年免許が欲しいという風には見えないのですよ。

通年免許を出すJRA側からしたらできるだけ日本で騎乗してほしいと思うでしょうし、不満があれば出ていきますって態度の人に免許出しますかねぇ。日本という国、JRAという組織を考えたら、そうした選択肢をできるだけ排除し、単願で挑むくらいの覚悟が無ければJRAだって免許を出しづらいでしょうに。

さらに「ダート主体の米国での経験を日本競馬でも生かしたい」と言いますが、同じダートでも米国は土、日本は砂です。日本の芝と欧州の芝もかなり違うと言われるように、日米のダートもまたかなり違うのですが・・馬場の経験を生かせますかね?もちろん経験は経験ですよ。でも、ミシェル騎手ちょっと大丈夫かなぁと思わざるを得ません。

なんというか、全体的に場当たり的というか、日和見主義というか、何かあればお願いするよ、聞いてくれるよね?ダメなら他所良くわって感じが透けて見える感がなんだかなぁって思います私は。本気でJRA騎手になりたいのでしょうか?それなら、もっと日本と日本競馬について学ぼうって普通思いませんか。餅や担々麺、ギョーザ、ファンの温かさは横に置き、自分の職場となる国や組織、制度、施設などを勉強することが不足していませんかね。

だから準備不足って印象が拭えないのです。フラフラしている上に、成績もパッとしない騎手を顔だけでは取らんでしょう。モレイラだって落とされたんですよ。騎乗技術や成績以前に、日本競馬の前提を学び、それに加えミルコみたいに日本で骨を埋めるくらいの一本芯が通った気概がないと通年免許は難しいんじゃないでしょうか。


■まとめ
結局のところ、彼女って顔が良いだけの問題児って感じがするんですよね。語弊のある言い方を承知で言えば、一回良い成績を取ったからって多方に良い顔をし、笑顔で圧を掛けて自分の言い分を通す、みたいな。

報道陣は「(ミシェル騎手は)日本競馬界に好影響を与えうる存在。競馬サークルの多様性がより強調され、日本の競馬界全体が活性化することは間違いない」などと彼女を持ち上げ、歓迎するような記事ばかり書いていますが、多様性が強調されれば良いというわけではありませんし、好影響を与えても悪影響を及ぼす可能性もあるわけじゃないですか。それを断言して、間違いないなどと述べるのは、何か他の意図があるのかなと邪推してしまいすねぇ。

JRAは外国人騎手に神経をとがらせているとまでは言いませんが、注意深く見ているという印象があります。薬物やった騎手もいれば、文句言って途中帰国した騎手もいますし、ブーツなしで騎乗した騎手もいます。そうした騎手には厳しく対応してきましたが、できればそもそも論として面倒ごとを避けたい(できれば来ないでほしい)とさえ思ってるかもしれません。

とすると、今までのミシェル騎手の態度を見ていて、通年免許を与えるかって考えたら、やっぱり一回短期免許で乗ってから・・と考えるんじゃないでしょうか。所詮お役所JRAですからね。

なんにせよ、これで通年免許が与えられたら色々な所で歪を生むというか、波紋が広がるというか、面倒ごとになりそうですね。藤田、古川、今村ときてミシェルですか・・・ねぇなぁ~


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