藤田菜七子 重賞初制覇

日曜に行われたカペラSで、JRA唯一の女性騎手、藤田菜七子騎手がコパノキッキングを勝利に導き、JRA史上初の女性騎手による重賞制覇の快挙を成し遂げました。これは素晴らしい。……はいそれ以外に言う事はありません。

いやね、私は前にも言ったように藤田アンチではないんで、素晴らしい事だと思うんです。本当に。ただね、我等が野中君を差し置いて重賞を先に勝った事が悔しくて仕方ないんです。だって、

同厩の先輩やぞ!キャリアハイ年間92勝の先輩と、女性でチヤホヤされる後輩の間に挟まれた次男坊やぞ!哀れに見られても海外飛び出してバリードイルに飛び込んだ日本人やぞ!ローカル競馬場に回らず、中央4場ってか東京、中山に拘って精進しとるんや!馬質は劣るのは仕方ないにせよ、重賞くらい先に勝たせてやりたいじゃないか!

悔しいのぅ~悔しいのぅ~野中が可哀相じゃあ~
若手の有望株じゃぞい~馬質上げる優しさがほしいわぃ~

という心の声が先に出てしまい、どうにも藤田の快挙を喜べんのです。それにコパノキッキングは久々に初戦から追いかけてきた馬なんですが、去年のカペラS、根岸Sを連勝した時には「大知でも勝てるんだから一流騎手ならGⅠは堅い!普通の騎手でも馬券的には勝負なる!」と喜び勇んだものですが、藤田騎乗でフェブラリーSからの3連敗に愕然とし、JBCで失望に近い感情に包まれたのです。誰でも思う『騎手が違えば重賞いくつも勝っていた、いやGⅠだって取れていた』という感情に。

そりゃ女性騎手を大切にする事、ファンやJRAの期待に応えるって意味もあると思う。女性騎手初の重賞制覇を自分の馬で、という名誉も欲しいのだろう。でも、若手を有力馬に乗せて経験を積ませる事ができる馬主って賞賛されて然るべき。コパさんを批判したいが、野中君にこれをやってくれたら批判どころか賞賛するからね。そうなると、この感情はただの僻み。だから、こういった感情を持つ事に自己嫌悪になる時もあるのです。

つまり何が言いたいかと言うと、悔しいのです!努力しても努力しても結果を出しても馬質が上がらん野中君が可哀相なのです!同厩の後輩に抜かれて悔しくないハズがないのです!関東の新人、ルメール、ミルコの同期ってだけで無理ゲーなのに、それに諦めず言葉を勉強して海外に飛び出し、バリードイルで調教つけるまでになったのです!そんな新人は日本ではまず居ません!だからこそ馬主の方には、もう少し野中君の面倒を見てやってほしいのです!

とまぁ己の願望剥き出しになってしまいましたが、あれ?これ藤田の初重賞の記事だよな?なんで野中君中心の記事になってるんだ?と自分でも分からないくらい野中君を応援しているから、これは仕方ない。ある意味、藤田はライバルです。しかも一方的にライバル視するイタいタイプのやつです。だってしょうがないじゃない。同厩の後輩だもの。

まぁ藤田は良くやっている方だと思います。基本、平場しか勝てませんが、それでも中舘騎手のようにローカルでしっかり稼いでリーディング上位に顔を出し、さらに騎乗馬を集める方法は間違ってません。関東じゃそもそものチャンスが少ないんだし、関東若手トップの横山武も同じようにローカルに回って勝ち星を稼いでます。そういう意味では関東では十分勝ち組と言えるでしょう。

そんな藤田は、来年5年目にどれくらいの勝ち星と特別戦の勝利を挙げられるか、勝負の年になると思います。勝ち星はもちろん、特別戦でも好結果を残すようなら重賞でもバンバン乗れるでしょうし、そうなると菜七子人気でGⅠに有力馬で…なんて事も十分考えられますから。逆に特別戦はおろか勝ち星にも恵まれないとなると、重賞勝利はたまたま強い馬に乗せて貰えただけって印象が付いてしまい、平場でしか騎乗馬が集まらない事になってしまい、抜け出すのは大変です。

そのため、春のGⅠシーズンの前までにある程度の結果を出す事が一つの目安となるでしょう。そこでダメなら春は新潟でGⅠを観戦する事になっちゃいますし。とにかく、後輩ながら野中君の高い壁となった今、それを超えた時の野中君の喜びが増すように、その壁を高く維持してもらいたいですね。


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