応援している騎手

昨今の騎手を取り巻く環境は多くの人がご存知のとおり、一極集中や継続騎乗の激減(毎レースの乗り替わり)が非常に目立ち、上位一部を除く騎手以外は苦しい環境となっています。武豊騎手を超えるどころか、後継となる騎手が見当たらなくなって久しいと感じるのは私だけではないハズです。

騎手の環境云々についてはまた別のnoteでダラダラ話そうと思いますが、今回は今応援している騎手を紹介します。俺も、私も、同じく応援しているよって方、またこれから注目して見てみようかなって方の参考になれば嬉しい限りです。

根本厩舎のアノ騎手を応援!

さて、毎年ではないものの、たまに見る有望株の期待の新人には見向きもせず、紹介したいのは関東の根本厩舎所属、野中悠太郎騎手です。おぉい、根本厩舎といえば藤田菜七子じゃねぇのかよって声が聞こえますね。はい、そういう声は周りから何度も聞いています。しかし、彼はなかなか面白い騎手じゃないかなぁと思うんですよね。

野中悠太郎騎手は、競馬学校第31期生として2015年3月にデビューするも同期デビューにルメール&ミルコがいるという無理ゲーの環境の中、初年度は4勝、二年目11勝、三年目13勝と目立った成績を残せたわけではありませんでした。しかも一年後輩の同厩に今をときめく人気女性騎手、藤田菜七子が所属しており、いくつもの重賞を制覇している同厩の先輩である丸山元気騎手の間に埋もれた形となっていました。いやっ…今もそうなっているフシがありますが。

海外遠征で自分を磨く!

そんな野中騎手は、三年目の2017年にフランスの若手騎手招待競走に参加します。参加騎手は欧州以外にも、豪州、南アフリカ、米国など世界各国から招待されておりましたが、なんと彼はこの競走で2着となりました。この経験に刺激を受けたのか、このまま同厩の先輩後輩の間に埋もれるのはゴメンだと思ったのかどうか分かりませんが、帰国後、早々に師匠の根本先生に相談し、翌年2018年3月からアイルランドでの武者修行を開始します。

とは言っても、そう簡単にレースに騎乗できるわけもなく、さらにビザの問題も重なり遠征後初の騎乗に3ヶ月もかかってしまいます。そのデビュー戦では人気薄を2着に持ってくる上々の出来でしたが、約7ヶ月の遠征期間中、ついに勝利する事は叶わず、27戦して0-3-4-20という結果に終わりました。それでも黙々と調教をこなし、騎乗馬が無くとも競馬場でレースを観戦するなどの姿勢を見ている人は見ていたのでしょうか、あのA・オブライエン厩舎の調教を手伝うまでに成長しました。

帰国後の変化

10月の終わりに帰国すると、遠征前の2ヶ月半で1-1-5-130だった成績が遠征後の2ヶ月で1-3-6-106に上昇し、翌2019年には10月21日現在で22-41-31-515とキャリアハイの成績を残しています。特に注目したいのが、人気薄での3着内率の高さ、つまり人気薄で馬券に絡む高さです。2019年は10番人気以下では23回(騎乗数285回)、8番人気以下だと36回(同383回)であり、人気薄に騎乗した際には約10回に1回は馬券に持ってくる計算になります。

また勝利数こそリーディング40位ほどですが、3着内率を見ると前年0.067⇒今年0.155と前年比で0.088も上げています。これは上位50位までの騎手の中でも4位に入る上昇度であり、馬券に絡む確率が非常に好転している事が分かります。私の基準では、3着内率は0.400を超えたらG1級、0.300~0.350で重賞級、0.250~0.300でオープンクラスと考えているので、もう少し人気馬で結果を出して0.250を超えて欲しいところですね。

来年はまた長期遠征?

今年で減量が取れる野中騎手ですが、本人いわく減量が取れる来年はまた海外に行くとの事。半年を超える長期遠征で大きな経験を積んだ事から、次の遠征も長期で腰を据えるんだろうなぁ。

あと、個人的には、こういう風に若いうちに貪欲に吸収していける若手騎手にドンドンチャンスをあげてほしいと思います。都合があるにせよ二桁人気で2着3着なら結果を出したと言える範囲だと思うし、結果出したヤツに乗っかってみるのも挑戦でしょう。

なもんで惜しいけど、頑張れ野中!応援するぞ!同厩の藤田騎手に負けるな!先輩の意地を見せろ!

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