見出し画像

大企業のリアルな課題と向き合い続け、サステナビリティ情報の開示義務化を支える「信頼されるERP」を目指す

企業のサステナビリティ経営へのシフトを支援する、サステナビリティERP「booost Sustainability Cloud」。社内外に点在するデータ収集の効率化、ESGパフォーマンスの管理、経営者の意思決定サポートなどを通じ、グローバルに事業活動をおこなうSX、GXリーダーの企業価値向上に貢献します。
 
同製品は開発初期から、時価総額3兆円越えで世界中に拠点がある規模の大きな企業のために、複雑な要件にも対応できるシステムを目指して機能開発が進められてきました。その結果、サステナビリティ情報開示の義務化により、真っ先に対応を求められる規模の企業にとって、必要な機能が詰まった製品でもあります。
 
改めて、booost Sustainability Cloudのコンセプトや開発方針、特徴的な機能、今後の展望について、取締役CTOでありプロダクト開発を牽引する、高塚 智敬に聞きました。

取締役 CTO 高塚 智敬
株式会社NTTデータにてシニアプロジェクトマネージャとして多数のプロジェクトをリード。国の基幹システム構築(予算20億規模)などをコンサルティングからサービス開始・運用まで担当。その他、東大や京大等とのAI共同研究やNTTG連携を推進。
データベーススペシャリスト(情報処理推進機構認定、国家資格) /PMP プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(米国非営利団体PMI認定)。

「広さ」と「深さ」を兼ね備えた大規模組織向けERP

――サステナビリティERP「booost Sustainability Cloud」の開発にあたって、意識していることを教えてください。

高塚:
「広さ」と「深さ」の担保です。
 
「広さ」の担保とは、幅広いサステナビリティ情報の網羅を指します。脱炭素化のために必要な温室効果ガス排出量の算定だけでなく、ESGに関わるあらゆるデータをカバーし、これから始まる情報開示義務化にも対応できるよう準備しています。
 
「深さ」の担保とは、グループ会社を含めたデータガバナンスを実現するシステムの構築を指します。企業によっては数百の連結対象があり、さらにそれぞれに複数の拠点があります。数千〜数万にもおよぶ拠点数の企業グループであっても、規模が大きくても問題なく運用できる性能、ワークフローを備えています。

――性能、ワークフローについて、具体的に教えてください。
 
高塚:
性能については、日本を代表するような大企業における、大量のグループ会社数・拠点数・活動量・製品数であっても問題なく使用できる環境を提供しています。サーバー設計やアプリケーション設計をはじめ、実装する環境・機能はすべて、大規模組織での使用を前提に組み立てています。

ワークフローについては、各グループ会社・各拠点から正確かつ精緻にサステナビリティ情報を収集できる機能を提供しています。特に規模の大きな組織の場合、複雑な組織体系になっていることが多く、各社・各拠点のデータを抜け漏れなく収集することにコストがかかるものです。
booost Sustainability Cloudでは、サステナビリティ領域に特化しつつ柔軟に収集項目の設定が可能であり、大量の収集データを効率的かつガバナンスを効かせた承認ワークフローの構築を実現できます。経年での組織変更や運用変更にも対応可能でありながら、大量のデータを精緻に収集するための仕組みにより手戻りを最小限に抑えつつ、効率よく承認可能で監査証跡としても活用できるワークフローを整えています。


導入企業とタッグを組み、リアルな課題と向き合いながら機能開発

――開発にあたって特に大事にしていることを教えてください。
 
高塚:
開発のフェーズによって変わります。今は、社会全体が「サステナビリティ2026問題」を乗り越えるために、必要な機能の実装を進めているところです。
 
「サステナビリティ2026問題」とは、サステナビリティ情報の開示義務化にあたって、多くの企業で着手が遅れており、その危機感も不足しているため、このままでは企業価値の低下につながってしまう懸念がある状況のことです。具体的には、2027年3月期から情報開示義務化が始まる見込みで、一部の企業は2026年からの対応が求められる状況です。しかし、サステナビリティデータの収集・利活用を可能とする体制の構築や、その先にあるSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)推進体制の構築について、危機感をもつ企業は少ないです。


サステナビリティ2026問題については、こちらのnoteで解説しています。

引き続き「サステナビリティ2026問題」の啓蒙は会社全体で続けつつ、プロダクト開発としては、導入企業が問題をスムーズに乗り越えられるための、必要な機能実装を続けます。すでにタイムリミットが迫っているなか、開発の優先順位づけは特に気をつけており、外部環境と照らし合わせて「今」やるべきことは何か、提供すべき価値は何かを常に意識して、機能改善・拡充をおこなっています。

特にこだわっているのは、本気でサステナビリティ経営へのシフトを目指す企業と一緒に、製品をブラッシュアップすることです。サステナビリティ情報の管理・活用では、今後の規制動向に合わせてまだまだ拡張や改善の余地があります。本当に役に立つERPをつくるには、外部環境への対応だけではなく、現場に深く入り込み、導入企業にとっての課題をリアルに体感し、ひとつひとつ丁寧に解決していくことが重要だと考えています。

導入企業と定期的にコミュニケーションをとり、課題のヒアリングと、それに対する提案を高速で繰り返し、真に役立つERPをつくりあげていければと考えています。


「3年かかる環境構築をたった1年でやってくれた」

――現在、booost Sustainability Cloudは世界80カ国以上、18.6万以上の拠点で使われています(2024年11月時点)。成果や製品の使い心地など、導入企業から何かフィードバックがあれば教えてください。
 
高塚:
まだまだこれからですが、現段階でも情報開示のための準備については、多くの企業からご好評いただいています。特に、スピーディーな対応について評価されることが多く、たとえばグループ会社が数百社いるお客さまからは「3年かかると想定していたグループ連結でのサステナビリティ情報開示に向けた環境構築を、1年でかたちにしてくれた」という声をいただきました。


――なぜ、スピーディーな導入が可能なのでしょうか?
 
高塚:
大前提として我々は、サステナビリティ経営を支援する専門会社であり、豊富なノウハウが蓄積されています。
 
外部環境含めた幅広いサステナビリティ領域への理解、サステナビリティ経営へシフトするための中長期的なロードマップなど、専業ベンダならではの経験、専門知識が豊富にあるからこそ迷わずに進めます。お客さまからいただく一つの共有から、現場の状況を正確に把握することもでき、先回りした提案も可能です。加えて、お客さまからの要望に、柔軟に対応できる開発体制が整っていることも、スピーディーな対応を実行できる要因の一つです。


「信頼されるERP」を目指して

――booost Sustainability Cloudの展望を教えてください。

「信頼されるERP」を合言葉に、さらなる改善を続ける予定です。
 
booost Sustainability Cloudに限らず、サステナビリティ情報の収集・集計システムは今後、企業にとって必要な基幹システムになると考えています。そのような使われ方をする想定で、機能はもちろん、セキュリティや性能をはじめとする非機能部分の改善も続け、より信頼される製品にしていきます。
 
サステナビリティ情報の開示義務化が差し迫っているなか、我々の開発が遅れることは、お客さまの規制対応が遅れることを意味します。これからもお客さまに伴走し、リアルな課題と向き合いながら、真に必要な機能のスピーディーな開発を続けていきたいです。



いいなと思ったら応援しよう!