週刊青井 #230613
週刊青井は、booost technologiesの代表青井がネットゼロ、ESG、サステナビリティの分野において、気になるニュースをPickし、毎週月曜日に皆さんにお届けするコーナーです。
炭素クレジットとしての価値をめぐって大規模な対立が勃発している
先月、国連から発表された「新たな世界炭素市場を定義する草案」。
“なにが、カーボンオフセットとしてカウントされるか”とトピックに関して、波紋を呼んでいます。
草案の文書によると、「技術ベースのアプローチ(炭素回収等のCDR)」と「自然ベースのアプローチ(森林等)」と分類した際に、前者の「技術的アプローチ」を軽視した表現をしつつ、後者の植樹などの「自然ベースの解決策」に関する評価を高めた表現が使用されています。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は1.5℃シナリオ実現のために、今世紀半ばまでに、世界で確実に大気中から年間数十億トンの炭素を除去する必要があると警告しています。
カーボンオフセットの市場規模は、現在約20億ドルとされていますが、ブルームバーグNEFでは、「今世紀半ばまでに年間1,600億ドルから6,240億ドルまで成長する可能性があると予測している。(ブルームバーグNEFは別の分析で、二酸化炭素除去のみに依存すると市場が2037年までに1兆ドル近くに達する可能性があることを発見した。)」としています。
本草案は、今年11月~12月にかけてドバイで開催されるCOP28気候変動に関する協議に向けて進行中であり、まだ国連内で正式に採用されたものではありません。しかしながら、暗に方向性を示すものとして捉えることもでき、多くの炭素回収系ベンチャーにとっての関心ごとになっています。
「自然ベースのアプローチ」にもメリット、デメリットがありますが、「技術ベースのアプローチ」に関しては「技術的にも経済的にも証明されていない」とされ、実際に回収時にエネルギーを大量に消費することも課題です。
この動向に関しては、引き続き注視していきたいと思います。
参考情報
参考情報ではありますが、弊社booost technologiesでは、プロダクトの拡張を行い、国内クレジット、証書に加えて、海外証書(GO、REC、I-REC等)の管理機能を強化しました。
背景には、欧州向けにビジネスをされているグローバル企業からのCSRD対応やバッテリー規則への対応ニーズが急速に加速していることがあげられます。
欧州対応でお困りの皆様は、一度弊社メンバーへお声がけいただけましたら幸いです。
さあ、より持続可能でNET-ZEROな未来の実現に向け、
今週も頑張っていきましょう!
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