今週の全米No.1アルバム事情 #21 - 2020/3/28付
皆さんコロナ気を付けてますか?先週末の日本中の様子を見ると、2週間後くらいにクラスター感染による拡大が起きなければいいな、と本当に思います。
さて今週末のBillboard 200チャートの1位ですが、やはり先週気にしてたとおり、3/13に発売された14曲入りのリル・ウジ・ヴァートの『Lil Uzi Vert vs. The World 2』はやはり先週1位初登場の『Eternal Atake』のデラックス・バージョン扱いだったらしく、この2枚のアルバムのポイント総計247,000 EAUs(実売不明)で今週2週目の1位をキープ。この2枚、収録曲もジャケも全然違うんですがね。どうなんでしょう、こういう集計方針。ただ先週の『Eternal Atake』(70%減の86,400 EAUs)だけでも2位のリル・ベイビーの77,000EAUsはゆうに上回ってるから問題なし、ということのようですが何となくチャートファンとしてはスッキリしないところです。
別のソースによると『The World 2』の実売は4,000〜6,000枚とのことなので、先週の実売9,000枚からの減を考えるとトータルの実売は7,000枚くらいかな。まあでも最後に言いますけど来週は新たな一大バトルが予想されてるのでウジの1位はどちらにしても今週までです。
さて一方、今週4位に初登場したのは、先週予測のとおり元ワンダイのナイアル・ホランの2枚目のソロアルバム『Heartbreak Weather』。ポイントは59,000 EAUs(実売42,000枚、今週最多セールス)とまあまずまずの数字を叩き出してますが、前回2017年のデビュー作『Flicker』の1位初登場時の152,000 EAUs(実売128,000枚)に比べるとかなり目減り感は避けられないところ。特に同じメインストリーム・ポップ・ロック路線で昨年末ガツーンとヒットしてたハリーとの差は大きいですね。ざっと聴いたところテディ・ガイガーやグレッグ・カースティンなんかを起用して、楽曲も粒揃いなんですが。あとはここから何曲ヒットが出るかでしょうか。
そして今週もう1枚のトップ10内初登場は、7位に44,000 EAUs(実売3,000枚)で初登場したドン・トリヴァーのソロ・デビュー作『Heaven Or Hell』。あのトラヴィス・スコットのレーベル、カクタス・ジャックからのリリースになる、トラヴィス同様ヒューストン出身のラッパーですが、一般のリスナーにその名が売れたのは今年の1月に初登場1位を記録した、トラヴィスとそのレーベル仲間によるアルバム『Jackboys』にフィーチャーされてから。その時既にシーンからは注目されてたらしいドンが今回満を持してリリースしたデビューアルバムということで、結構期待の、という感じの作品。
サウンド的にも、そこらの最近のトラップ・ラッパーみたいなつまらない画一的なサウンドじゃなく、トラヴィスの舎弟の面目躍如でいろんなサウンドを組み合わせて聴かせるあたりが評価できるところですね。
さっそくあのエラ・メイちゃんがツイッターで支持のつぶやきしてるあたりでもこのアルバムのインパクトが判るというもの。
あと今週でもう一つ話題は、『Frozen II(アナ雪2)』が圏外18位→10位でトップ10復帰したこと。これは、コロナで自宅待機をしている家族向けに、ディズニーがアナ雪2のDVDとストリーミングのリリースを予定より3ヶ月繰り上げて3/14に解禁したことによるらしいね。こんなところでコロナが影響出てきてるというのもある意味時代を反映してるということか。
さて来週の1位予想ですが、3/20〜3/26のリリース・ラインアップでもうこれしかないでしょ!という感じなのが、20日リリースのザ・ウィークンドと、先日一瞬自分のサイトにアップした後引っ込めたのを3/22に正式リリースしたチャイルディッシュ・ガンビーノ(今回がガンビーノとしての最後のリリースになるという噂です)の一騎打ち。リリースが早い分、ザ・ウィークンドに分があるような気がしますが、ガンビーノをなめちゃいけないのは一昨年のグラミーでも証明済みなんでどうなるでしょうか。ではまた来週。