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今週の全米No.1アルバム事情 #35 - 2020/7/11付

ううむ、先週末の都知事選の結果もなーーんも変わらず無関心層の票が現状変革を邪魔してる状況も力が抜けてしまうけど、今週も依然ポイント数を減らさないリル・ベイビーの『My Turn』(先週と同じ70,000ポイント、NYタイムスによると実売僅か641枚)が何ととうとう通算5週目の1位をキープしちゃった。

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先週の予想ではハイムの『Women In Music, Pt. III』のぶっちぎりでは!と期待したのだけど、残念ながら僅か27,000ポイント(実売19,000枚で今週のセールストップではありますが)で初登場13位にあえなく沈んでしまったのでした。UKではディラン翁を蹴落として堂々1位なんですがねえ。
いやしかしここ3週間ポイントを伸ばし続けてるリル・ベイビーの人気って一体何。もちろんBLMの風を受けた新曲「The Bigger Picture」の追い風があったとはいえ、今週もストリーミングは先週とほぼ同じの1.06億オンデマンド・ストリーミングですぜ。他に聴くもんないんかいな。一方ハイムは残念でした、ってことで先行シングルの「Summer Girls」聴いてあげて下さい。

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と思ってたらもっと唖然としたのが、先週の56位から今週いきなり2位に急上昇してきたのが、5/23付のチャートで5位に初登場後、下降していたシカゴのラッパー、リル・ダークの『Just Cause Y’all Waited 2』(43,000ポイント、実売2,000枚)。これがまた、最近のヒップホップの常套手段である、デラックス・バージョン発売商法での再上昇で、要はこのコロナ状況で他のジャンルのアーティストはプロモーションの機会が激減しているのをいいことに、単純に新曲追加してデラックスバージョンをリリースしてチャートを制する、という最近ではア・ブギー・ウィット・ダ・フディリル・ウジ・ヴァート、そしてリル・ベイビー自身もやってる手法。君らねえ、そんなチョロいやり方でチャート席巻するんじゃないよ。ホントに。

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そんなこんなで今週もトップ10内初登場はゼロと言う寂しい状態なんですが、もう一枚トップ10に返り咲いてきたのが、先週13位から6位に戻ってきたハリー・スタイルズの『Fine Line』(32,000ポイント、実売6,000枚)。こちらは純粋にシングルの「Adore You」が好調で今週のHot 100では何と2位に上昇して来週はダベイビーを蹴落とす勢いなのと、もう一曲のヒット、ブルー・アイド・ソウルっぽさがいけてる「Watermelon Sugar」も今週16位に上昇しているという、ヒット曲にドライブされての上昇。こういうのが健全でいいよねえ。あ、ウィークンドフューチャーも今週トップ10に返り咲いてますけどね。

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ということで今週のトップ10おさらいです。やっと今週リル・ウジ・ヴァートにプラチナマークが付きました。まあ実質2枚アルバムを1枚カウントだからねえ。それにしてもポスティはいつマークが付くんだろうなあ(順位、先週順位、週数、タイトル、アーティスト)。

1 (1) (18) My Turn - Lil Baby ▲
2 (56) (8) Just Cause Y’all Waited 2 - Lil Durk
3 (4) (11) Blame It On Baby - DaBaby
4 (5) (43) Hollywood’s Bleeding - Post Malone
5 (11) (15) After Hours - The Weeknd
6 (13) (29) Fine Line - Harry Styles ▲
7 (10) (7) The Goat - Polo G
8 (9) (17) Eternal Atake - Lil Uzi Vert ▲
9 (7) (9) Dark Lane Demo Tapes - Drake
10 (12) (7) High Off Life - Future ●

さて来週の1位予想ですが、こうリル・ベイビーが強いと何か予想する気も萎えますけど、7/3-7/9リリースのラインアップもパッとしないなあ。こうなるとやはりヒップホップが強くななるわけで、光ってるのがグッチ・メインの新譜と故ポップ・スモークの遺作。いやあこれはポップ・スモーク来ちゃうんじゃないかなあポップリル・ベイビーの一騎打ちって感じ。ウィリー・ネルソンの新譜もあるけどさすがに、ねえ。では来週。

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