2021グラミー・ショー生ブログ#8
さあ、次は最優秀ポップ・ボーカル・アルバム部門の発表。WOWOWのスタジオではテイラーかデュア・リパって感じなんだけど自分はテイラーが本命。プリゼンターで登場したのは、先程プレショーの司会をしていたジェネ・アイコと、今年の話題のノミニーの一人、ジェイコブ・コリエー。さあ受賞は...ええええ、デュア・リパが取っちゃうのかー。さっきのパフォーマンスは確かに良かったけどねえ。でもこれで主要部門のアルバム部門受賞はまた少しテイラーに傾いたんじゃないでしょうか。今回のグラミーはさっきのビヨンセもそうだったけど、記録が作られるグラミーかもしれないんで、テイラー受賞で史上3人目のアルバム部門3回受賞のタイ記録を作って欲しいですね。
さて続くはリル・ベイビーのパフォーマンス。いきなりセットではあのジョージ・フロイド事件を彷彿させるような、警察官による黒人への発砲シーンから始まって登場したリル・ベイビーがそのBLMを突き動かした黒人としての苦しさ悲しさやりきれなさをラップで語る「Bigger Picture」をパフォーム。ステージはさながらこのBLMの歴史を再現するようなパフォーマンスが繰り広げられてカオス状態。黒人人権活動家として知られるタミカ・マロリー女史によるバイデン大統領に対して、自由社会の実現を訴えるスピーチや、アウトキャストのキラー・マイク(というより今はラン・ザ・ジュエルズのキラー・マイクと言うべきか)も登場して突き刺すようなラップをパフォームするという、さっきのカーディBとミーガンのパフォーマンスとはまた全然違う意味で、テレビ映像とは思えないほど過激に見える演出。今年からケン・エーリックから新たにショー全体のプロデュースを引き継いだベン・ウィンストンのプロとしての矜持がビンビンに伝わってくるステージ。いやあ胸に刺さったね。
さてショーは続く。次は何と懐かしのベイビーフェイスとジミー・ジャムが登場して、最優秀R&Bパフォーマンス部門の発表。この部門は結構トリッキーで、王道ならビヨンセ、変化球ならグラミー・ダーリン(と思われる)ブリタニーかジェイコブなんだけど...おお、ジミー・ジャムがアーティスト名を発表する前に「ちょっと待って。今記録が作られたよ!女性ソロ、そして男女を問わずソロシンガーとしての史上最多グラミー記録達成!」とアナウンスすると同時にビヨンセが自席で感極まって顔を手で覆う姿がアップに。いや、ここは王道でいいと思います。ビヨンセ、このところ賞を逃してきただけに、これはいい受賞だね。おお、オープンステージのソーシャル・ディスタンス会場にいたアーティストたちがほぼ全員立ち上がってスタンディング・オベーション。今年のグラミー授賞式でもこれはまた別の歴史的瞬間ですね。
さて次は新人賞とROYの主要2部門ノミネートのドジャ・キャットのパフォーマンス。他の主要部門ノミネートアーティスト達と同様に短い紹介ビデオに続いて、さっきのカーディBのコスチュームの上をいくようなメタリックなコスチュームに身を包んで、近未来的なレーザービームが飛び交うステージに登場して「Say So」をオリジナルの80年代ディスコ風ではなく、エレクトロなリミックス・バージョンでパフォームするドジャ・キャット、いやなかなかこれはこれでカッコいいね。後半のラップも冴えてるし、これだったらニッキー・ミナージはいらないって感じ(笑)。Dr.ルークの件もあるけど、このアレンジといい、セクシャルさをあえて封じ込めてパフォーマンスにフォーカスするようなコスチュームといい、何となくそこから一つ距離を置こうとしてるという感じもあるな。いやいや素晴らしい。