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ぜひ、劇場へ!

私が字幕モニターをさせてもらった映画のお知らせです。

私たち聴覚障害者は映画を観るとき、以前は、日本語字幕のつく洋画を選ぶか、DVDになって日本語字幕がつくかもしれないのを待つしかありませんでした。

でも最近は劇場で字幕つき(視覚障害者向け音声ガイド付きも)で観ることのできるバリアフリー上映が広がってきました。

字幕モニターとは、日本語字幕をつける過程で、劇場公開前に、実際に聞こえない立場で、またストーリーを知らない立場で鑑賞し、字幕の見やすさ見づらさなどの意見を出させてもらうミッションで、映画好きの私にとってはとても嬉しいお仕事なのです。

ただぼーっと見るのではなく、(時に、粗探しか?!くらいの集中で)しっかり見る必要もあるため、どの作品も劇場やDVDなどで観るよりも思い入れが強くなっちゃってます。

もしかしたら劇場で公開されても自分では足を運ばなかったかもしれない作品との出会いもあって、「意外な発見」「意外なハマり」があったりするのも楽しみなのです。

が、今回、この作品のときは、いつも私が二つ返事で引き受けることをご存知の担当の方から、改めて、いかがしますか?と聞かれました。
なぜなら、2時間を超えるということだけでなく、いつもの娯楽作品とは異なり、テーマが重く、苦しい場面があるから、とのことでした。

東日本大震災で津波の犠牲になった大川小の子ども達。
我が子もちょうど同じ年頃であの日は学校に迎えにいったことを思い出します。
だから、このできごとは人ごとではないのにも関わらず、テレビなどで報道される断片からしか知りません。

この裁判を含め、交通事故などでも「何が起きたのか」を解明させたい、という、親として当たり前の、切実な思いであっても「損害賠償」を求める形でしか裁判を起こせず、そのため、「子供の命をお金で!?」みたいな批判の声が上がるのを何例も知っていたので、ぜひとも観たい!と思い、お引き受けしたという経緯がありました。

モニターの報告の場では、寺田監督も参加してくださり、一人でも多くの人にこの映画を観てもらいたい、このことを知ってもらいたい、というお気持ちが伝わってきて、私自身も、字幕の話を超えて、作品への思いを直接監督に伝えてしまう、という熱い場になりました。

そしていよいよ今週末から順次公開されます。

映画『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』公式WEBサイト
https://ikiru-okawafilm.com/


アプリ「Hello!Movie」による音声ガイド、字幕メガネ対応のバリアフリー上映。
ただ、字幕メガネ貸出できる映画館が少ないことから、日本語字幕付き上映もたくさん用意されてます。
そして、上映後のトークイベントも各地で開催されます。

バリアフリー上映について(東京・新宿 K's Cinema)
https://www.ks-cinema.com/information/15536/

子どもを持つ親だけではなく、防災関係者だけではなく、学校、地域、行政、司法、、あらゆる人にあらゆる立場から見てもらいたい。

何が起きたのか
なぜ自分の子供が死ななければならなかったのか

それが知りたいだけ

その想いを叶えたいだけなのに、立ちはだかる、いろいろな壁。

彼らの死を無駄にしないためにも、
次、、もちろん次なんで起きない方がいいけれども、
それでも万が一起こるかもしれない「次」に生かすことが、遺された人たちの責任なのではないかしら。
そのためにはまず「知ること」から始まると思うのです。

アイドルや俳優さんによる、夢のような楽しいお話やハラハラドキドキのアクションがあるわけではありません。

でも、そこにいたのは自分の子供だったかもしれない、そこいるのは私だったかもしれない。ドキュメンタリー映画はそういうものなのではないでしょうか。

この映画が、新たなスタートになるといいなぁ、と。
命が消えるということに胸が苦しくなりながら、
登場人物の心ない言葉に胸くそ悪くなりながら、
でも、何か次につながるものが心のどこかに残る。

そんな124分を、私ももう一度、劇場で見たいと思っています。

あの日から12年。
3月11日が近づきます。

皆さんも、いかがでしょうか。




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ぶーみおちゃんぷ
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