「普通」に心がざらりとする感じ〜ドラマ「初恋、ざらり」
深夜ですが、珍しく、リアルタイムで観ているドラマ。
風間くん、特にイケメンな感じでもなく、なんか自分に自信もなく、ちょっとしょぼくれたオジサン(というには無理がある童顔ですが)っていう感じ。
そんな、作業着が似合う普通のオッサン(35歳でオッサンなのか、、、)なのに、第1話から、「岡村さん、惚れてまうがな〜」という展開なんです。
小野花梨さん演じる有紗ちゃんには軽度の知的障害があります。
でもそのこと周りに言っていないので、職場でいろいろな失敗をしてしまいます。
職場の人たちからすれば「普通、分かるよね?」と思うことができない、わからない彼女にイラつき、キツく当たります。
そんな中、風間くん演じる岡村さんは彼女が困らないようなサポートをしてくれるのですが、それが私から見ても「なんで?」って言いたくなる言動。
・わかりやすい説明
・理由を添えてさらにわかりやすく
・できなかったことを責めるのではなく、できたことを褒める。
なんか、講習でも受けました?ってくらい。
でもこれまでの流れからは、彼の周りに障害のある人がいた、というようなことは描かれていないし、特別そういう知識があるという感じでもありません。
(お兄さんとの確執?コンプレックス?はあるようですが)
でも彼は、「普通」のことができずに困ってる彼女に、手を差し伸べます。
「普通でありたい」と願うけど、人と同じようにできない自分が歯痒くて、悔しくて、泣きたい彼女にとって、岡村さんは救世主にしか見えなかったに違いありません。
一方、岡村さんは「普通」であることで平穏に生きてきて、でもどこかで「何者」でもない自分に劣等感を持っている感じ。
自分に弱さを持つ人は、他の人の「弱さ」に対しての受け止め方が寛大になるのかなーと思ったりします。
風間くん、ドラマ『silent』の春尾先生もいい感じでしたが、今回も適役!
『勝利の方程式』の時みたいな、ずっと怖ーい顔してるよりも、普通の「良き人」がピッタリな俳優さん。
ただ、金八先生を思い出すと、「すげーいい人に見えるけど、もしかして?」って思わせちゃうところはあるけど。このドラマではどうでしょう。裏の顔、ある??
ともあれ、まだたった3回ですが、このドラマを観ていると、そもそも「普通」ってなんだろう、と思えるのです。
世間が求めてる「普通」の基準みたいなのがあって、
そこからちょっと外れただけで、責められたり、笑われたり、除外されたりしてしまう。
特に、日本は「和を尊ぶ」考えが根付いていて、その和を乱したり、はみ出したりするものを嫌悪する傾向が強く、だからみんな除外されないよう、「普通」にしがみついている感じ。
「普通」であることに必死になって、「普通」であろうとし、「普通」であることに安心するのです。
でも、「普通」ってなんなんだろうね(2回目)
ずっと「普通」でいたいと願っていた有紗ちゃん。次回からは障害のことを相手に、周りに伝えるか、ということが描かれるみたいで、、。
「障害者手帳」や「療育手帳」は「障害があること」を証明するものであり、それは、ある意味、「障害者」としてのレッテルを貼るものでもあります。
「自分」そのままではなく、「障害者」の自分、と見られてしまう。
(世間一般の考える)「普通」でないことを詳らかにしてしまうことで、周りが変わってしまうのでは?と思える怖さ。
外見で分からない障害を持つ身としては、すごく分かるし、でも正解がないから、どんなふうに描かれるのか、期待と不安、、。
でも、、世間が求める“普通” ってなんだろう。
結局、そこに戻ってしまいます。(3回目)
うちの子供たちにとって、「ママが聞こえないこと」は彼女彼らが生まれた時から、当たり前の「普通」。
それは他と多くの家庭から見たら「普通」じゃないのかもしれないけど、我が家ではそれが「普通」。
つまり、人それぞれ、家族それぞれに「普通」の形は違うのではないかしら。
実は、こちらのドラマ、私がどっぷりハマってる『美しい彼』シリーズと同じ坪田文さんが脚本。
だからなのか、セリフひとつひとつ、細かい所作もとても沁み入ります。
「岡村さんのこと考えていたら、頭がいっぱいになっちゃって」
「岡村さんのそばにいてもいいですか?」
そんなふうに、素直に思いを口に出せる有紗ちゃんには、世間一般の「普通」の枠なんかとっぱらって、「自分なり」の「普通の幸せ」を手にして欲しいな。
他の誰が、なんて言おうと、その人その人に幸せの形はあるはずだから。
現在、第1話〜第3話はをTVerで観れます。
ぜひ、追いついて、第4話からをお楽しみください!
今回も長くなりしたが、読んでいただき、ありがとうございました。