依頼される文章は多種多様。つまり、それだけ仕事があるってこと。
BtoB企業からライターに依頼される文章は、多種多様です。
企業からの依頼というと、セールスライティングを思い浮かべるかもしれません。BtoCならセールスライティングの需要も大きいでしょうが、BtoBの場合、「これいいな、買っちゃお」みたいなライトな購買はほとんど起こりません。なので、いわゆるセールスライティングは、そこまで需要がないように思います(文章ではなく、綿密な商談でクロージングする感じ)。
では、BtoB企業からはどんな文章を依頼されるのでしょうか。思いつくままにあげていきます。
コーポレートサイト
企業のWebサイトに掲載する文章です。
社長にインタビューして社長挨拶を執筆することもあれば、企業理念や事業説明、商品紹介文を作成することもあります。
企業のブランドイメージに直結する部分なので、事前に丁寧なヒアリングが必須です。
できれば実際に会社に訪問し、社風や雰囲気なども踏まえて、それにマッチした文体にするなど、配慮が必要かな...と思います。
会社案内
コーポレートサイトの紙版ですね(正しくは、会社案内のWeb版がコーポレートサイトなんですが)。
Webサイトと違って、紙幅という制約があるため、文字数に配慮しながら端的にまとめる必要があります。
コーポレートサイトと会社案内は、ブランディングにかかわる部分なので、慎重に、丁寧に、きちんとした文章に仕上げるように心がけています。
ブログ・オウンドメディア記事
ブログやオウンドメディアは、ブランディングとマーケティング両方の役割を担っています。
業界のトレンド、製品やサービスの特長、専門用語の解説など、ライターとしてはバラエティに富んだ内容が楽しめるお仕事です。
運営方針によって、SEOを強めに意識する、時にはフランクに、マニアックな内容まで踏み込む、など独自のトンマナ(※)が存在します。
(※)トンマナ:「トーン&マナー」の略。デザインやスタイルに一貫性を持たせるルール。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、もともと「白書(政府などの年次報告書)」という意味ですが、ビジネス分野では、いわゆるダウンロード資料のことを指します。
企業名・名前・メアドといった情報と引き換えに入手できるPDFファイル。あれのことです。
ホワイトペーパーは、個人情報を入力してでも手に入れたくなるような、有益なコンテンツに仕上げる必要があります。
会員サイト
ユーザー向けのサイトやコミュニティページに掲載するコンテンツを依頼されることもあります。
取材記事だったり、ユーザー座談会の記事だったり、イベントレポートだったり。会員向けの内容ということで、くだけた話や突っ込んだ話が出てくることも。
企画次第でさまざまな記事を依頼されるので、その都度、企画の意図を確認し、適切な記事に仕上げる必要があります。
フリーペーパー・会報誌
企業向けに配布するフリーペーパーや、会員向けに発行する会報誌なども依頼されます。
特集記事や広告記事など、一冊の中にさまざまな立ち位置の記事が混在します。まるごと一冊担当することはほとんどなく、その中のいくつかを担当することになります。
その冊子自体の目的、キャッシュポイント(orビジネスモデル)、自分が担当する記事の立ち位置を考慮した上で、取材・執筆にあたります。
導入事例
BtoBライティングといえばコレ、導入事例です。
実際にサービスを使っている企業にインタビューし、そのサービスを導入することでどのように問題が解決したのかを記事にします。
導入事例を執筆する場合、クライアント企業のお客様が取材先となります。失礼のないように、事前にしっかり打合せしておきましょう。
プレスリリース
新製品の発表、企業の重要なニュース、イベントの告知など、公式に発表するためのプレスリリースの作成を依頼されることもあると思います。
PRを専門とするライターさんもいるくらい、需要の大きいジャンルです。
Eメールの文面(ニースレター・ステップメールなど)
メールの文面といっても、日常的な連絡のメールではありません。ニュースレターやナーチャリング(顧客育成)用のステップメールなど、複数の顧客に配信するメールの文面が依頼されます。
説明書・マニュアル
商品やサービスの使い方、メンテナンス方法などを詳しく解説します。正確かつ誤読の余地のない文章を心がける必要があります。感覚的な表現や曖昧な表現は許されません。書き方一つで大きなトラブルに発展しかねない、非常に注意を要する仕事です。
プレゼンテーション資料
セールスプレゼンテーションや会議用のスライドも依頼されることがあります。資料のテキスト部分だけを頼まれることもありますが、パワーポイントなどの完成形で納品できると、喜ばれます。
社内報・周年誌
社内報や周年誌は、BtoBに限らず、BtoC企業からも依頼されることがあります。
私は、社内報のお仕事を受けたことがありません。複数の社員さんにお話を伺うとその企業のさまざまな面を見ることができて、楽しいだろうなぁ...…と。いつか受けてみたいお仕事です。
周年誌に関しては、年表づくりや企業の取り組み、時事ニュースの一覧を作るなど、多くの情報を扱うため、なかなかに神経を遣います。
これは、紙媒体全体に言えることですが、Webと違って、印刷後は修正することができません。間違いのないように何度もチェックを重ねることが大切です。行数、文字数の調整なども細かく行う必要があります。また、紙媒体は後工程がたくさんあるため、〆切厳守です(いや、もちろんWebも〆切は厳守なんですけどね)。
採用、リクルーティング (採用ページ・募集広告)
採用関係も、BtoBに限らず、あらゆる企業から執筆依頼があります。
自社の採用ページに掲載する文章を依頼されることもあれば、募集広告に掲載する文章を依頼されることもあります。募集広告の場合、採用活動をする企業から直接依頼されることは稀で、採用広告を掲載するメディアからの依頼がほとんどです。
採用広告は安定的に需要のある分野なので、採用広告メディアをクライアントにもつと、コンスタントな依頼が見込めます。
プロダクト・サービス
時には、商品やサービスに関わる文章の執筆を依頼されることも。
私は以前、コンサル系の企業さんが顧客向けに提供している講座の教材作成をお手伝いしたことがあります。
動画台本
BtoB企業では、次のような目的で動画を作成することがあります。
・製品やサービスの紹介
・トレーニングやチュートリアル
・専門知識や業界トレンドの共有
・ブランドのストーリーテリング
・イベントや展示会のプロモーション
このような動画の台本制作を、依頼されることがあります。
SNS
Twitter や Instagram、noteといったSNSに投稿する文章の作成を依頼されることがあります。各SNSの特性に合わせた執筆が求められます。
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私が思いつくのはこのくらいですが、それにしても、結構ありますねー。
他にもまだまだあるんじゃないかと思います。
文章が必要とされるあらゆるビジネスシーンで、ライターがお役に立てる。BtoBライティングにおいて、仕事は尽きない。そう感じています。