女川の気温・海水温と気候変動
年々、夏の暑さが酷くなっている気がしますが、気象庁のウエブサイトによると、近年の女川での最高気温は2023年8月28日の36.9度。
昔は涼しく過ごしていたような気がしますが、昭和35年に制作された女川町誌を読むと、
「・・四季の平均気温も大体春は9度、夏は21度、秋は14度、冬は4度で・・」
とあり、昭和26年から30年までの5年間(1951-1955年)の月ごとの平均気温について、8月は以下の通り(出典)。
最高気温 27.7
最低気温 19.9
平均気温 25
試しに、2024年8月と比較してみると(出典)
最高気温 27.7 → 28.9 (+1.2)
最低気温 19.9 → 23.5 (+3.6)
平均気温 25 → 25.8 (+0.8)
それぞれ0.8~3.6度上がっていました。
ここ100年ぐらいの間にどれぐらい気温が上がったのでしょうか。
仙台の場合、以下のように上昇しているそうです。
2024年、50度を超す気温で、サウジアラビアのメッカの巡礼者1300名以上が亡くなるという衝撃的な事件がありましたが、多くの地域で、猛暑、熱中症の危険が身近になっていると思います。
深刻なのは海の変化。2023年6月からの1年間で、三陸沖は6度上昇、世界で最も海水水温が上がった海になったという。
この海水温の影響で養殖が危機的な状況に。
2024年6月の以下のニュースによると、石巻市の雄勝湾でのホヤの水揚げ量が激減。ここの会社のホヤの9割が死滅したという。
岩手でも、ホヤ、コンブ、ホタテの養殖が危機的な状況が報告されています
ノリについても、「2023年は2億8000万枚余りと震災後最も多かった2016年と比べて7割以下となっています。」
これに対して、例えば、高い水温でも生き延びることができるアサリの養殖を検討してたり(出典)、高い水温になることによって可能となる真珠の養殖を検討したり(出典)、しているそうです。
取材した記者が聞いたという以下の言葉が重く心に残ります。
世界的な課題である気候変動が、海のまち女川を直撃している。ここについて理解を深めていけたらと思いました。また、女川を歩いて学ぶことをサポートする記事を目指していますが、気候変動を学ぶきっかけになる女川の場所、モノ、イベントなど、歩いて触れられるものはなんだろうか、こちらも探っていきたいと思います。