田舎で~本屋営業日記R4.11.3
2022年11月3日(木)高久書店をオープンしてちょうど1000日を迎えた。
ひとえに当店をご愛顧下さる皆さまのお陰と感謝を申し上げたい。
3年ほど前、書店企業・会社員としての書店員を辞め、敢えて地方で小さな本屋を営もうとしたとき、業界周辺で『無謀だよ』『失敗するよ』と囁く声も聞こえてきた。
それは近年の書店事情を鑑みれば、私自身も当然のことと捉えていたし、それでも持続可能な町の本屋像への挑戦(どうしたら町で本屋を続けられるのか?)は、やはりそこに身を投じてみなければ分からないと日々を重ねてきた。
どんなに恰好のイイ理想を述べても、結果が伴わなければ何事も継続することは出来ない。1000日は、まだまだ道の半ばではあるけれども、少ないながらも健全な運営が出来たのは、「やりよう」へ希望を持たせてくれる途中経過に繋がっている。
当店の売上構成3割~4割は注文と定期購読である。まさにお客さまに支えられた構成比。この数字(割合)は、おそらく大型書店や、チェーン店型の書店では想像もつかない変な数字ではないかと思われる。
私が大型書店をやっていた頃も、注文や定期購読は売上の数パーセント程度に過ぎず1割にも満たなかった。企業書店員の時代、ほとんどのお客さまは「書店の看板」を目指して来ていたのだと思う。
いま、当店を利用されるお客さまは、たぶん私の方を向いて要望を下さっている。365日24時間、この時代ならではの「御用聞き」をしている(生き方としての)本屋。
店頭や配達先で受けるお客さまの注文はもとより、メール、SMS、SNSで頂く注文は時と場所を選ばない。それでも本と本屋を求めてくれるお客さまが沢山いることを大変嬉しく思っている。ここから先、町の本屋にどんな未来が待っているのか分からないけれども、アントニオ猪木さんの言葉を借りれば「行ってみる」しかない。夢とは、やりたいことをやるということだから。
本当にありがとうございます。特に、地域の皆さまの温かさを噛みしめております。明日からも、町の本屋としてどうぞお手伝いさせて下さい。