本書の著者である藤原亮司さんは、パレスチナの状況を長年にわたり取材されてこられた日本人ジャーナリストの方です。
著者の命がけの多数の取材中のお写真や動画が僕の胸を打ちました。
彼のご友人サミールさんのご家族の支援を呼びかけてらっしゃいます。
このようなジャーナリストの方の行動の発露としての言説に無関心ではいられませんでした。
現地での藤原さんの取材協力をされてこられたサミールさんのご子息、ハムザさんご一家がいまだにガザ北部から出れておりません。
ガザの国境を越えるには、多額のお金が必要であるのはもはや周知の事実となってもおります。
ハムザさんご自身は寄付を募ることに躊躇もされたようです。
この百年前後の歴史を振り返ると、イギリスによる三枚舌外交と植民地主義的シオニズムに辿り着きます。国際社会はパレスチナの方々の状況を単なる〈難民問題〉としてしか扱わず、このような国際的な無視がパレスチナ人の自己決定権と政治的権利を脅かし、PLOや後にはハマスといった組織の台頭を促進する土壌を提供してきました。
安保理決議242がパレスチナ問題を「難民問題」として曖昧に扱い、パレスチナ人を紛争の有効な当事者として扱わなかったことは、PLOとハマスのような組織がなぜ力を得たのかを理解する上で極めて重要です。
彼らは自らの権利と存在を主張し、国際社会に認識されるために積極的行動を取ったのかもしれません。
『シャティーラの四時間』/『恋する虜』ジャン・ジュネ著、『パレスチナとは何か』エドワード・サイード著を何度も読み返していた時期がありました。シオニズム、ユダヤ人の政策は国家を形成しました。
一方、パレスチナ解放運動、世界からはテロと言われ、パラドクス的に彼らは利用されつくしています。
報復に次ぐ報復がもはや集団懲罰的になっています。
2023年10月7日からのパレスチナ側死者数は既に35,000人以上の方々が亡くなられてます。
個人への寄付には様々な考えもあると思います。
寄付が本当にご本人に届くのか、親戚やご両親をなくした情報発信手段を持たないちいさなお子さまや障がいを持ってらっしゃる方々はどうなるのか、など僕も葛藤いたしました。
それでも、どうか、ひと家族でも、と思いました。
まだまだ、必要な金額には達していないようです。
このような文章を僕が書いている間にも、彼らの命がどうなってもおかしくない状況です。
ご支援のほど、よろしくお願いします。
https://gofund.me/9ffd4049
ハムザさん、サミールさんご一家、どうか、ご無事で🙏
※写真のポスターは藤原亮司さん制作です。
ご本人のご了承を得て投稿させていただきました。
参考文献
『ガザの空の下──それでも明日は来るし人は生きる』藤原亮司 著 dZERO
『The Hundred Years' War on Palestine』Rashid Khalidi 著 ProfileBooks
UNRWA事務局長より「ガザ地区:死、疲労、絶望の中で日々の生きるための奮闘」
『パレスチナとは何か』エドワード・サイード著 岩波書店
『恋する虜』ジャン・ジュネ著 人文書院