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【感想】Netflix「地面師たち」【ネタバレ注意】

ドラマのあらすじや単純なネタバレは他の多くの方も書いているので。
私は以下の原作本とNetflixのドラマ版の相違点に対する感想をツラツラ書いていきます。

1. 女刑事・倉持(池田エライザ)の登場

原作では、老刑事である辰さん(リリー・フランキー)が単独で、ハリソン山中(豊川悦司)や辻本拓海(綾野剛)らの地面師グループを追いかけます。ですので、倉持(池田エライザ)は完全にドラマオリジナルのキャラクター。

たしかに、定年間近のおっさん刑事が1人で捜査するシーンを映像化しても、"映えない"。なので、見た目を華やかにする観点から若手の女刑事とコンビを組ませたのだろうと安直に思いました。

が、まさかの展開。
さすがに、辰さんが殺されると予想した視聴者は少なかったはず。
特に原作小説を読んでいた層は、辰さんが最後にハリソンを追い詰めていく展開を知っているだけに、まさに予想外の展開でしたでしょう。

辰さんが建物から飛び降りを強要されるシーンでは、ハラハラしながらもさすがにさすがに殺される展開はないだろうと、ある意味安心しながら見ていました。だって、小説では辰さんはほぼ主要キャラの1人ですからね。それこそ、倉持が間一髪で助けに来る的な展開を予想していました。

そしたら、普通に、ハリソンに突き落とされた。割と衝撃でした。
しかも、ドラマや映画でありがちな、実は生きてました的な展開にもならず。まあ、仮にそれをしたらかなり興醒めでしたがね。

辰さんが死んで、倉持だけで追う展開になって、少し期待はずれな形になるかと思いきや、私的にはドラマチックで面白かったです。

まず、バイクにまたがる倉持(というかエライザ)がかっこいいし、迫力がある。辻本(綾野剛)の車に、発信機を取り付けて追っていく展開は、ややベタではあるものの、追跡手段のバイクのカッコ良さで引き込まれました。

あと、「辰さんの復讐」みたいな単純な展開、捜査動機につなげていなかったのも私的には良かった。もちろんその要素、心情描写はありましたが、それが全面で出てくるわけではない。

あくまでも、犯罪者集団である地面師たちを追い詰めたいという正義感に動かされている描写だった点が良かったです。

2. 尼さん・河合菜摘がホスト狂いであること

尼さんである河合の秘密は、石洋を騙す際のツールの1つとして、原作でもドラマでも重要な点です。

小説では、舞台監督と不倫関係にあり、その男性にお金を貢いでいること、その男性と沖縄旅行に出掛けている隙に(河合が東京を不在にしている隙に)、石洋に物件見学をさせる設定となっています。

一方で、ドラマ版では、舞台監督は一才登場せず、ホスト狂いである設定に変更されました。そして、そのお気に入りのホストを地面師たちが脅迫し、河合と沖縄旅行に出かけさせるストーリーでした。

ホストを絡ませるこの設定、私的にはちょっと微妙だったかな。
ドラマ自体が少し安っぽくなってしまった印象はある。
辻本が中年ホストに扮装する場面や、ホストの脅迫ネタを掴むシーンなどで映像としては見所が増えたものの、あまりいらない設定だったかな。
まあ、ターゲットが沖縄に出かける設定であれば何でも良いので、物語の構成としては別に何でもいいわけではありますが。

3.、、、、、

まだまだ書きたいポイントがあるので、記事の反応が良ければ、後日追記していきます。
とりあえず、まだ原作小説を読んでいない方は、一読をおすすめします。

あと、既に「地面師たち」ロスにかかっている方々は、以下の続編本をおすすめします。

「シンガポールのカジノで元Jリーガーの稲田は全財産を失い、失意のどん底にいた。一部始終を見ていた大物地面師・ハリソン山中は、IR誘致を見込んだ苫小牧の不動産詐欺メンバーの一員として稲田に仕事を依頼する。日本に戻り、稲田はディベロッパーの宏彰、支援者の菅原と共に準備に入るが、予定していたプランが突然白紙となる。一方、警視庁捜査二課のサクラは、ある不動産詐欺の捜査過程で地面師一味の関与を疑い、捜査を続けていくうち、逃亡中のハリソン山中が趣味の狩猟で頻繁に北海道を訪れていたとの情報を掴むが――。」

今回のドラマ版の終わり方的に、おそらく、ドラマ版も続編が制作されることになるでしょう。




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