「イチオシ」を選べない理由
映画は2022年公開。てっきり今年だと勘違いしてました。9月に文庫が出ることと混同したのかも。ともあれ要チェックです。
ドラマ版では主人公の湯川学に「実に面白い」「さっぱりわからない」という有名な決め台詞があります。あれは小説では出てきません(少なくとも私の記憶にはない)。「半沢直樹」における「倍返し」も原作では決して代名詞的な使われ方ではない。でもこれらのおかげでキャラクターの色が視聴者にわかりやすく印象付けられ、爆発的な人気を生みました。
プロレスでも猪木さんの「ダー!」や棚橋弘至選手の「あいしてまーす!」みたいな明快な決め台詞があると、その人の姿とセットで頭に残り易い。いわゆる「キャラクタービジネス」における勝利の方程式です。ドラマと小説を見比べて研究すると、創作のヒントを得られるかも。
ところでガリレオシリーズの映画化は2作目の「真夏の方程式」以来9年振りです。同作は小説で読みました。そのうえで映画は見ていません。原作がダメだったということではありません。むしろ没頭できる良質のミステリィで、環境問題との向き合い方も学べました。ただ映像で見たいシーンと触れたくないシーンがはっきりしていて。。。
一見爽やかでなかなかの問題作です。ぜひ。
1作目の「容疑者Xの献身」は原作を何度も読み、映画も見ました。両方で泣きました。DVDも持っています。
東野圭吾さんは同作で2006年に直木賞を受賞しました。異論はありません。でももっと早く獲っていても良かったはず。個人的には加賀シリーズの「悪意」と「私が彼を殺した」が候補にすらならなかったのがいまだに謎です。
東野さんの作品は「外れ」が少ないです。典型的なアベレージヒッター。だから逆にイチオシをなかなか選べない。「東野圭吾だったら何がいちばん好き?」という質問は、けっこう相手の人間性や感性の傾向を探る上で有効かもしれません。ちなみに私は「流星の絆」と答えます。
皆さんの「イチオシ圭吾」はどれですか?