新築マンションを買う経済合理性の考察と35年ローンという融資形態
マンションを買う必要が果たしてあるのか
全額キャッシュで購入するならともかく、住宅ローンを組んでしまうとそれを振りほどいて元に戻るのはかなり難しい。経済合理性で考えれば、物件が築20年の中古マンションで家賃15年分の場合、20年以上は絶対に住むという前提であれば買ったほうが得になる。購入額が家賃の30年分以上なら新築でも買わないほうがいいのと、駅から10分以上の物件は売るにも貸すにも不利になるので買わないほうがいい。また、築10年で大きな不具合が生じなかったマンションは工事精度が高いとみてよい(築1年で補修費が1億円以上かかっているマンションとかはかなり怪しい)。
融資する側にとっておいしい35年ローン
30年以上の安定収入が勤め先に保障されているわけでもなく、物価や金利が30年以上安定し続けるかわからないのに35年ローンを組む人が非常に多いのが実情。35年ローンというのは1960年代に住宅金融公庫が発明したシステムで、銀行からすると手堅くておいしい融資形態であり、仮に返済できなくても保証会社から代位弁済を受ければいいので、銀行は保証会社にどんどんローンを貸し出させるように圧力をかけた。