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ゴールテープだけを見て、スタートラインを見失わないように。
”君の狂気に、惚れている。”
これは、NPO法人ETICが運営するMAKERS UNIVERISITY U-18のキーフレーズ。
私、村上太栞は今から9月ほど前に本プログラムに採択を受けて、同期との出会いや先輩起業家からの応援、伴走を受け取った。大学受験に際してもたくさんの仲間に助けてもらった。このコミュニティに出会えていなかったら今の自分はない、と心から思っているほどだ。
そして、ついこの間のこと、MAKERS UNIVERSITY U-18 9期の祭典「Aha-DAY」の登壇をもってMAKERS生としては一区切りをつけることとなった。※もちろん、ぷっつりと関係が経たれるわけではないと思うので、関係者の皆さん今後ともよろしくお願いしますね笑
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イベントは今年で初開催であったが、皆が認める大成功だったと思う!!!
舞台裏では新たな出会いや仲間との進捗共有をした。MAKERSのカオスな雰囲気にどっぷりと浸かるのは久しぶりのことで、本当に楽しかった。また、これまでの感謝を事務局の皆さんに伝えることができた!
でも、でも。
心の奥底では、自分自身はこの場所にいていいのだろうかと、その資格があるのだろうか、と、ふとした瞬間に思ってしまった。
立ち止まってもいい。悩んでもいいよ。
そもそも、MAKERSというコミュニティが好きなのは、事業やビジネスアイデアありきではなくて、その人の人間性も含めて応援してくれる場所だからだ。他のアクセラやアントレ教育プログラムとの決定的な違いを挙げるならここだ。
MAKERS生だろうが、人間に変わりはなくて、悩みの種は万人平等に訪れるもの。だからこそ、立ち止まってもいい。悩んでもいい。歩みを止めることはむしろ、次の一歩を踏みしめる自信をつけるために必要な時間だ。メンターのつるたまさんはじめ、功績や事業の進捗だけにこだわらなくていいんだと、MAKERS UNIVERSITY U-18という場は私を応援してくれた。
Aha-DAYで感じた、後ろめたさの正体
立ち止まってもいい。悩んでもいい。本当にその通りだ。
この言葉に勇気づけられる人は過去の自分も含めて、沢山いることだし、今回はこの言葉を否定したいわけじゃない。問題なのは、この言葉を受け取る自分自身の姿勢だ。
イベント内の30秒の自己紹介プレゼンで、1年も昔の成果を体裁良く語る自分を俯瞰している冷めた自分がいた。その瞬間、ハッとさせられた。
実際のところ、私は過去の栄光にしがみつき、行動を起こさない逃げ道にしていたのだということ。目標の実現までのロードマップ上じゃ、大した前進でもないのに。全力を尽くしているとは言えない状態にあっても、過去の成果や肩書に縋ることで、それに気づかないようにしてた。
それはまるで、もろい骨組みが崩れたそばから、その場しのぎの接ぎ木をしているみたいに。薄っぺらい人間に成り下がっていた。
「MAKERS UNIVERSITYの一員に恥じないように」それが狂気に向かうのではなくて、自分を取り繕ってよく見せようとする方に向かっていた。まさに、MAKERS UNIVERSITYの姿勢を一番侮辱する行為だった。
思えば、自分の立場を守るためだけに行動する大人や、資格や学歴だけで他人を評価する人がずっと苦手だった。
私の活動領域・国際協力でも、立場だけに物を言わせて、現場を見ないで霞が先でパソコンをカタカタしているような実務者のことがよく思えなかった。
なのに、一番なりたくなかったものに、知らず知らずになってしまっていた。今の自分は、空っぽだ。
肩書にこだわるな
昨月、私は受験を終えた。無事に第一志望の大学への切符を勝ち取った。
しかし、その肩書も、心の深層でいつしか行動を止めてしまう安心材料になっていたのかもしれない。
いよいよ、自分自身が理解できなくなってきていた。
大学入試で評価されたくて活動してきたわけじゃない「はず」だったのに。
逆にいえば、入試が終わって気兼ねなく活動できる今、エンジンがかからない理由などない「はず」なのに…。
思わず自分に問うた。狂気、足りてる?と。
MAKERS UNIVERSITY U-18採択時の資料を見返してみた。
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少なくとも今よりピュアな狂気を持てていたであろう、MAKERS採択時の書類をのぞいてみた。こんな言葉が目に留まる。
"Sometimes you gotta run before you can walk"
「時には歩くより走れだ」
アメコミヒーローの請け売りにすぎないけど、14年近く大切にこの言葉に連れ添ってきたせいか、自分の一部みたいに染みついている。
歩くから余計なものが目に入る。考えすぎる前に、まず走り出してみれば惰性でどうにかなるし、答えへの足掛かりが見つかるかもしれない。という意味の言葉だ。
長々と書いてきたが、なんかこんな小さいことで考え込んでいるのが馬鹿らしくなってきた。笑
入試のためでも肩書を誰かにおごるためでもなくて、自分の好奇心とどうしても叶えたい目標のために。
「型にはまらないように生きていきたい」みたいな、現代社会へのアンチテーゼじゃない。自分にあった型を、一生かけて探していきたい。
選手宣誓。村上太栞は、走り出します。