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納得できればどんな選択もあり

長いテーブルに間隔をあけて座り、鉛筆と消しゴムを緊張しながら置く。静かにじっと待つ。静かすぎて余計緊張する。試験官の話を聞き逃さないように耳は待つ。

………………

朝から体も頭の動きもどうも鈍い。今日はいつもより早く集合場所に行かなくてはいけないから、早朝からの準備はリズムがくるう。

冬の寒さに固まり、いつものノリで話さない硬い同級生たちと一緒に何を考えてたのか考えてなかったのかも今はもう忘れてしまったけれど、これからのことに気をとられたまま、今まで見たことない大量の大型バスが集まっている広い駐車場に着いて、事の大きさに圧倒された。

当時はセンター試験と呼ばれていた。
もう20年以上も昔の話。

そう、ちょうど昨日一昨日と大学入学共通テストがありましたね。

もちろん今までやってきたことのベストを尽くせるのが一番ですが、体調管理に気をつけながらやっと当日を迎え、とにもかくにも無事全部試験を受け終わることができたことが何よりです。

心から「おつかれさまでした」と学生のみなさんに言いたいです。他方ではいろいろな事情やハプニングで受けられない人生もあります。

選択できるということはそれ以外のことは何かが恵まれているんだと思うんです。それぞれ人によってそもそも選べないものがあります。生きているうちに失って選べなくなってしまうことも出てきたりあります。

私、失敗の数は自慢できるほどたんまり。本人の自分でも思い出せないほどしてきました。ある試験を受けると申し込んでいて、怖くなって当日受けに行けなかった試験も一つでは…ありません(心臓ミジンコサイズ)

20年前のセンター試験も肝心な教科を大ごけしました。終盤にとなりの人が鉛筆を静かに置く姿に余裕で落ち着いているように見えてきてしまい、これはもう自分終わったなとチーンと終了しました。

そこから私は自分の夢を追う勇気を失い全く別の道に進みました。

20代は自分の生き方に葛藤しやってみることは挫折ばかり。

貧乏で苦しかった思い出が多いです。

30代は仕事家事育児と時間に追われるばかりで気づけばもう受験のあの日から20年以上経ちました。今となってはいろいろありながらもおかげさまの今があると思えているので、その夢を追わなかった選択を「未だに後悔している」とは思わなくなりましたが。

後悔はなくとも
あの時逃げなかったら、の「もしも」はなんとなく想像してしまう時もあります。

ただ、たくさんの挫折や失ったものもありましたが、おかげでミジンコはしぶとくなりました。叶わなかったもの失ったものの代わりに別のものを叶えよう、探そう。
いまはそんな気持ちで生きています。

今日は最後に一つの学校を紹介させてください。

先日たまたまある人に教えてもらった短大。

子どもの時に絵が好きだった、実は漫画家になってみたかったという同級生や知り合いに私は結構めぐりあってきました。でも現実それを進路にしていった人は一人しか知りません。

芸術系の進学は自分もご家族もなかなか勇気がいる選択だったり…しませんか?まず考えられるのが職業として食べていけるの?という不安心配と学費。

さまざまな事情で芸術系の進路を諦めた人たちを知っているし、私の考えも無責任なことになってしまうことは承知ですが、経済的に諦めるつもりがこんな学校を知り進学できたという方にたまたま出会えたので、このnoteで今回書いてみようと思いました。

唯一の「公立で芸術系が学べる短期大学」です。
専攻科に進めば4年生卒になり、他の大学に編入する人たちもいるそうです。公立で芸術が学べる短大は全国でここだけだそうです。

全国各地から、あと年齢も若い人に限らず高齢の方も結構通われています。

九州の「大分県立芸術文化短期大学」


こちらの卒業生で芸能人の方一人紹介
見取り図のリリーさん、岡山出身の方ですがこちらが母校です。

あとは京都芸術大学だったと思いますが今の時代オンラインで通学できる学校も。
これからどんどん増えていってほしいですね。


ここぞにエネルギーをそそぎ最短ルートで見つけた先の幸せを得るもあり。
遠回りいくつもの世界をのぞきながら自分の生き方を探求する幸せもあり。

なんだかんだ、なんでも自分が納得できる道が一番、だと作者は思っています。厳しいかな、自分以外の人間は残念ながら誰もその人の人生を代わりに抱えて生きていくことはできない…親であっても…家族であっても…そんな現実だからこそできるだけ悔いなくやってみたいことはできる限りやっていきたい。

In bocca al lupo(イン・ボッカ・アル・ルーポ)
オオカミの口の中へというイタリア語。何かに挑戦する人へ思い切って飛び込んでいけ、頑張れという意味で使われているそうです。
※引用は作者が好きなドラマ「さよならマエストロ」からです。

若い人たちへ
私のようにそんなに若くはもうない人へも


ではまた次回お会いできますように

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