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戯れうたCOMPLEX(06)
私のTwitterアカウントにある通り、私は主としてオンラインでの読書会を複数主催している。
楽しさとおもしろさとを深めつつこころを澄ませ聞き耳を立てる
(2024/07/15)
コロナ禍以降、読書会がオンラインで開かれることが日常的になっている。「読書会」は、この5~10年くらいの間に少しずつではあるが受け入れられつつあると考えているが、私が興味を持ち、見様見真似でも始めてみたいと思ったのは、学部生の終わりの頃だった。まずは三年次から所属したゼミの心地よさに味をしめた。その翌年には他学部の知人が一年生といっしょに「勉強会」を始めていた。これは悪友連中の間でも、かなり話題になったものだ。それをうらやましく思って、見様見真似で私も開いてはみたものの一人として参加者はいなかった。
1985年、岩波新書から『読書と社会科学』(内田義彦著)が刊行された。これ以前から内田の名は知っていたので、迷うことなく購入して線を引きながらこれを読んだ。いま手元にあるのは2007年の55刷で、この本の二冊目である。実はこの本、充実した読書会のための手引書のようなものなのだ。意外に思われるかもしれないが、この本で内田は、会が有用であることよりも「楽しい」ものであることが重要だと説いていると私には思える。少し引用してみたい。
しんどくはあったが、あの時、私は私であった。私の魂は、さまたげを受けずに、あるいはむしろ、受けたさまたげを排除しながら、すくすくと伸び育っていたと今にして思う。「楽しい」とは、このようにして魂がさまたげを排除しながら伸び育っていく時の充実し満たされた情念です。
(内田義彦『読書と社会科学』七ページより)
この本については語りたいことはたくさんあるが、いまはこのくらいにしておこうと思う。
遠方の友と語りて書とともに今日も未来の扉をひらく
(2025/01/09)
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