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戯れうたCOMPLEX(14)

凹んでるヒマなどないんだ今だから希望を語るそれしかないんだ
(2024/07/08)

あの震災から30年の今日となった。前に詠んだもので、自分を励ますようなものがないか探していたら、上の歌が見つかった。もとより、励ますこと「だけ」がいいことなのだとは思っていない。上の歌は、昨年の都知事選の「不本意な」結果を受けて詠んだものである。その後も、いくつもの「不本意な」選挙結果は続いたが、だからといって、負けを認めて受け入れることは、落ち込んで口を閉ざすことなのだとは思ってない。私「たち」の生は続く。続く限りにおいて、希望の灯火を掲げることは必要なのであって、無意味なことなどとは思わない。

しかしそれでもなお、心に傷を負った人や病を得ている人への接し方は、よくよく考えられなければならないと思う。支援する側や、場合によっては「したい/したがる」側の都合でなされてはならないのだ。

気の利いたことはいらないあなたにはいてくれるだけそれだけでいい
(2024/06/19)

「誰がうまいこと言えと」という笑わせ方があるが、辛く苦しい時、深い悩みに囚われている時にも、必要なのは「上手に」対応することなのではない。むしろ、苦しんでいること、困っていることを、いけないことや乗り越えるべきこととして「ではなく」、そうなっている事実をそのまま認めることが必要なことはある。

仏教には「同苦」という考え方があるのだそうだ。他者のそれを、あたかも自分も同じように、自分のことのように苦しみ悩むことという意味であろうか。それは悟った人や修行を重ねた人だけができるものではなかろう。共感を越えたその先に、「同苦」ということがあるのではないか。そういう言葉や考え方があることは、知っているだけでもずいぶんと力になるような気がしている。


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しょうじ@マチナカ書房
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