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戯れうたCOMPLEX(23)

ご存知ではない方もいらっしゃるので書いておくと、各自治体に置かれている図書館では、CDやDVDが借りられることがある。地域に寄って事情は異なるので、詳細については検索されるといいだろう。

こんなことから書いてみたのは、借りてきたCDと、紹介しようとしていた「戯れうた」が符合したからである。借りてきたタイトルは、チェコの国民楽派の祖と仰がれるスメタナ作曲の連作交響詩『わが祖国』だ(ヴァーツラフ・ルクス指揮、コレギウム一七〇四演奏。二〇二一年五月十二・十三日ライブ収録)。

この曲は、一九四六年に始められたチェコ伝統の音楽祭「プラハの春」のオープニングの曲目として、必ず取り上げられる。つまり、このCDは二〇二一年のオープニング・コンサートのライブなのである。二〇二〇年は、コロナ禍のために中止となっているので、待望の演奏会だったろうことは想像に難くない。

ヴァルタヴァの水面に映ゆる高き城故国に響け古の曲
(2024/07/05)

「ヴァルタヴァ」というのは、以前なら「モルダウ」として知られていた『わが祖国』の第二曲であり、さらに「高き城」も「高い城」として第一曲を飾っているものだ。

「プラハの春」音楽祭と言えば、忘れてはならないのが一九九〇年のラファエル・クーベリックとチェコ・フィルによるオープニング・コンサートだろう。国外に逃れて西側での演奏活動を続けていたクーベリックが、四十二年ぶりに故国に帰ったのだった。「ビロード革命」と称えられた、チェコ(当時はチェコスロヴァキア)の民主化革命の果実であった。

おおぞらをつないでうたいわきいずるいのちことほぐよろこびのうた
(2024/07/01)


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1/2~20にかけて発表した「戯れうたCOMPLEX」をpdfにまとめてBOOTHサイトにて販売しています。A5版47ページ、¥300(お試し版は8ページ、¥0)です。ご覧くださいますと幸いです。


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しょうじ@マチナカ書房
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