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戯れうたCOMPLEX(11)
私がパソコンを利用するようになったのはWindows3.1時代のことだが、インターネットが普及するのには、Windows95からWindowsXP辺りを待つことになる。TwitterやFacebookなどのSNSが爆発的な広がりを見せたのは、2010年前後のことと記憶している。いくつかあった「エポック」は、皮肉なことに東日本大震災やコロナ禍といった出来事に関連していたのではないだろうか。
ネット越し五年を経ても声だけでまだ見ぬ友と交わすおはよう
(2024/07/06)
2019年12月以降には、はっきりと新型コロナウイルス感染症の流行への対策が打ち出されるようになって、不要不急の外出が控えられるようになった。外出に際しては、マスクを着用するよう求められていた。既に人々はコロナ禍を「克服」したかのように振る舞っているが、そのコロナ禍があぶり出した問題は、克服されたわけでは決してない。しかしここではコロナ禍を経て、インターネットを介しての通信が浸透したことについて見ておくこととしたい。具体的には、ZOOMやclubhouse、Twitterスペース等の普及についてである。
新型コロナウイルス感染症が世界を覆うことなど誰も予想していなかった2019年のある日、私は精神疾患のオンライン当事者会をZOOMで開いているグループのことを知った。このオンライン会議ツールのことをそれまでは全く知らなかったし、世間的にもまだ認知度は低いものだった。しばらくの間、私はその当事者会を利用していたが、その会は利用者間でのトラブルが元となって空中分解してしまった。
それまでにもSkype等のオンラインツールを利用した読書会を試みていたものの、なかなか一定以上の期間継続させるには至らず苦慮していたが、このZOOMを使った読書会は可能なのではないかと考えるようになった。「オンライン読書会」という言い方を、まだ誰もしていなかったころのことだ。
いつ明けるともわからないコロナ禍での外出の自粛期間の間、盛んだった対面での読書会であっても中止になるか、オンラインでの開催を試みるかのいずれかを選択していたのだろうと思う。2025年になった現在、ZOOMだけではなく、clubhouseやスペース、Discordといった様々なオンラインツールを使っての「オンライン読書会」は、むしろ盛んに開かれるようになったと思う。こうした流れもあって、「まだ会ったことのないオンライン上での知人」たちとの交流を重ねていくことも日常的なこととなったのである。
遠方の友と語りて書とともに今日も未来の扉をひらく
(2025/01/09)
【お試し版pdfを配布しています】
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