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【1分ビブリオ】「山奥ニート」やってます。
学生じゃない、会社員じゃない、職業訓練生じゃない。これがニートの定義だ。「じゃない方芸人」という言葉は聞き馴染みのある方も多いだろう。ニートの定義は、「じゃない方人間」とでも言い換えることができる。
生活保護を受けるほど、働けない訳じゃない。
会社員になるほど、働けない。
自分で起業するほど、積極的じゃない。
自分で死ぬほど、消極的じゃない。
著者の石井あらたさんはこのようにニートを表す。
そして、このような「どの集合体にも当てはまらない人」が世の中を生きていくのはとても難しい、とも。
できる人と、できない人の間には、「できるけど疲れる人」がいる。著者の表現だ。
会社で働いている、だけどしんどい。
学校には通っている、だけど楽しくない
家に帰るしかない、だけど帰りたくない
まさにこんな、「できるけど疲れる人」が、今の社会にはたくさん存在しているのではないか?。
この本は、和歌山の山奥、過疎地域で暮らす通称「山奥ニート」の生活模様を綴った本だ。「働く」ことの価値、「お金」への考え方、生きていくということについて、何か心に問いかけられる。
先に伝えておくとするならば、何らかの思想や生き方を広め、推奨するための本では決してない。こんな風に生きている人もいるんだよ、とそっと発してくれる。
「自分ももっと、幸せに生きられるんじゃないか?だって、ニートにできているんだから。」そんな風に感じられれば、著者の本望なのかもしれない。