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【本とわたし】1月の読書記録


『運が良いとか悪いとか言う前に、運は天から降ってくるものではなく、自分自身が運ぶものであると認識する。』

偶然に見かけた記事の言葉に、目が留まった。
運は自分自身で運んでくるもの。私もそう思います、、と心の中でつぶやいた。もっと言うと『そう思えるようになりました』という方が正確な表現かもしれない。

運は、私自身のこの手に委ねられている。本質を見ようとするならば、それは自分自身の心=人格にあるということ。

 一月も振り返ってみると、心豊かな一ヶ月だったと思う。それはけして、楽しい・嬉しい・しあわせだけで埋め尽くされた一ヶ月だったというよりは、悲しみや辛さ、憂鬱さを、胸に抱きながらも生きた一ヶ月だった。
 
 精神的にもっと強くなりたいと思った。ひとりでも生きていける!というような強がった気持ちではなくて、悲しみや落ち込みを選ぶなかでも、この気持ちを抱えながら、ちゃんと地に足をつけて歩いていける、そんな心の強さみたいなものを。

強いとは、悲しまないことじゃない。
悲しみながらも、生きていることなんだ。
悲しみを直視する心にこそ、
本当の強さが宿っている。

君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた




 人はひとりひとり『孤独』なんだ、ということの理解も、この一月にまた少し深まったと思う。わかっていると腹の底から思えるにはもう少し時間が必要。『あなたへ』と題して綴った日記には、「この気持ちを誰にわかってもらえるのでしょうか。私はよく泣いてしまうのです・・・」と、言葉にできない思いが綴られていた。でも、そういうわたしでさえも『わたし』なのだから、それを愛する。

人生の問いが、君を育み、
豊かにするのをはっきりと感じる。
悩まないで、でも、安心して考えるといい。
考えることはけっして君を裏切らない。

君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた

この言葉に、救われた。
安心して考えていいんですね。




10冊読みました


▼その世とこの世/谷川俊太郎・ブレイディみかこ

 このお二人の往復書簡。それはそれは深い・鋭い視点で物事を見られていて、あぁなるほど、ほぉ〜、、なんて言葉が思わず漏れてしまいます。
最初の1通目、ブレイディみかこさんから、谷川俊太郎さんに宛てた手紙の中に出てくる、この部分がすごく好きで。

『紅茶にミルクと砂糖は入れますか?』
こんな切羽詰まった状況で「紅茶にミルクと砂糖」なんて、
とふざけているのかと思う人もいるでしょう。

ハッと大切なことを気づかせてもらったし、自分のユーモアのなさにも気づけた。笑 『なんのこと?』ちょっと気になります!と思った人は、立ち読みでもいいから1通目を読んでみてください。読み終えて惹かれたら、この本持ってレジへ。

死に先立つものとして 詩がある
詩に先立つものとして 生がある



▼君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた/若松英輔

若松さんから読書に宛てられた11通の手紙。
静かに泣ける本だった。すごくすごくいい本だった。
こんな簡素な言葉で綴ってしまうのが、なんか悔しい。
だって、すごくいい本ってほんとうは言葉にならなくて。
言葉にできないものが胸にあって。
それはじんわり温かいもので。

ずっとずっとこれからも
この本と共に生きていくのかもしれないって読了後に思った。

目覚めた人が説かれたとおりに
実践する人は
こちらの岸から向こう岸に渡る。


私のこの悲しみも、苦しみも、自分の心で感じてみないとわからない。経験して初めてわかることがある。そういう視点で、今感じている心の悲しみをみてみると、また違った景色が見えてくるように思う。

もうひとりの人は、君の人生を邪魔したりなんかしない。でも、君が困ったときはかならずそばにいる。彼らの仕事は試練を無くすことでもない。
困難を経験しなけれ分からないことが、人生にはある。
悲しみとは何か、苦しみが何であるかを勉強することはできない。
それはどうしても一度は自分の心に感じてみなくてはならない。

他にもたくさんの心に響く文章や言葉と出会えた。
すべてを書き記したら、もっとと欲が出て
止まらなくなってしまいそうだから
止めておくことにします。

大きな悲しみだけではなく、
小さな悲しみ、深い悲しみ、
言葉にできない悲しみを抱えている人に
ぜひ、出会ってほしい本です。



▼なにごともなく、晴天/吉田篤弘


心落ち着かせたい時に、吉田篤弘さんの物語はいいです。
静かで、ゆっくりで、丁寧で、温かくて、じんわりすることもあって。
おすすめです。

仮に世の中がなにごともなく平穏で、皆が晴れ晴れとした日々を送っていたとしても、それは表面的なことであって、誰もが胸のうちに悲しみや痛みや不安を抱えている。悲しみをひとつも持っていない人などいるはずがない。

あとがき

本当にそうですよね。ついつい自分だけがなんで、なんて思いがち。

いえいえそうではないのよ、って自分に言う。
今わたしの隣にいる知らない人も、悲しみをみんな抱えながら、コーヒーを飲んで笑って、生きているということを、本当に分かるということ。

さて今月は『それでも世界は回っている3』が発売されるのでとても楽しみです。



ありがとう

二月も半ばを過ぎようとしていますね。
お元気でお過ごしでしょうか。

最近、人は『心』なんだなぁ、とまた思い巡らせています。
その「心」一つで、行動のすべてが変わるといってもいいくらい。

つねに心を磨き、心を高めていく努力をし続けていくこと。
それはきっと、よい運を自分の手で掴みとっていくことにも繋がりますね。

読んでくれる人がいるから、またnoteを書けます。いつもありがとうございます。
どうぞお元気でいてください。