【本とわたし】 今日は本の日、後編。
前回の続きです。11月1日の今日は「本の日」
読書週間、読書の日、秋は本にまつわる記念日が多いです。この時期は、古本市、ブックフェスティバルなど、読書を促す・読書の魅力を伝えるイベントの開催も多くありますね!
その人の『生きる』が文字となって写し出されている。
その人の生き方に触れて、私の心を動かす。
▼本を読んだら散歩に行こう/村井理子
▶︎実兄の突然死をめぐる『兄の終い』、認知症の義母を描く『全員悪人』、壊れてしまった実家の家族について触れた『家族』。大反響のエッセイを連発する、人気翻訳家の村井理子さん。認知症が進行する義母の介護、双子の息子たちの高校受験、積み重なりゆく仕事、長引くコロナ禍……ハプニング続きの日々のなかで、愛犬のラブラドール、ハリーを横に開くのは。読書家としても知られる著者の読書案内を兼ねた濃厚エピソード満載のエッセイ集。
読書家として知られている村井理子さんが、この数年に救われてきた40冊を、現在と過去のエピソード交えて紹介している。
エピソードはどれも深いものばかり...ゆえに、先が気になって、読む手が止まらない。挿絵のラブラドールのハリーが読者に癒しをくれる...ホッとさせてくれる存在。
▼不滅の哲学 池田晶子/若松英輔
▶︎『14歳からの哲学』をはじめ多くの傑作を遺した孤高の哲学者、池田晶子。彼女が考え抜いたものとは何だったのか。その核心を読み解いた名著『池田晶子 不滅の哲学』(トランスビュー版)に書き下ろしの一篇「不滅の哲学」を加えた増補新版。
私のこころの内側で、見ていること・感じていること
そのままそっと感じる。魂が読んでいる、その一つの作品を。
生と死 魂そして愛を。
▼私の生活改善運動 /安達茉莉子
▶︎日常において、とても些細なことだけれど、気にかかっていること。タオルやシーツ、ゴミ箱、セーター、靴、本棚……。これでいいやで選んできたもの、でも本当は好きじゃないもの。それらが実は、「私」をないがしろにしてきた。淀んだ水路の小石を拾うように、幸せに生活していくための具体的な行動をとっていく。やがて、澄んだ水が田に満ちていく。――ひとりよがりの贅沢ではない。それは、ひとの日常、ひとの営みが軽視される日々にあらがう、意地なのだ。それが“私”の「生活改善運動」である。
あれしましょう、こうしましょう、と何かを強く促さない。エッセイだからまた良いのかもしれない。安達さんの視座を通して、自分の暮らしを見つめてる。私も、私の生活を愛している!
▼つくることば いきることば/永井一正
▶︎創作と生命。いのちの詩として編んだ画集に、より生活に力を与える「生きること」と「つくること」を主題においた言葉を加えた詩画集。 創ることに真摯に向き合ってきたクリエイターの身体と魂から生まれた絵と言葉のハーモニー。
自分がたまたま人間として生まれてきた不思議。ほんとうに不思議。この時代、この世に生を受けた。出会える人も限りある。命もいつ終わるか分からない。ただ今日もの生命を精一杯に咲かせる。
【さいごに】
今年もカレンダーが残り2枚となりましたね。冬がきて、春がきて、夏がきて、また秋がきた。季節がめぐる、めぐる。
秋の深まりとともに、自己内省の深まり、また寒い季節だからこそ、内に籠り、人生の深みを与えるような読書経験を求めているように思います。
今ちょうど、哲学者・評論家である鷲田清一先生の『死なないでいる理由』を読んでいますが、私というひとりの人間、そして私の目に写る他者、他者から見えているわたし。生きること・老いること、滋味豊かなエッセイ。
いつもありがとうございます。
11月もどうぞ宜しくお願いします!