実店舗における看板について
吉祥寺で運営しているブックマンションは建物の地下にあります。狭い入り口に気づいて、階段を下り、その先に本屋があるので、知らない人はなかなか入ってくることはありません。
もっと目立つ看板を設置したらいいのにと言われることがありますが、実は当初から看板をそんなに重要視していませんでした。というのも、知っている人に来ていただく空間の方がその場を理解してくれている状態での来店なので、お店番をする人にとってもいいと思っていたからです。
ブックマンションのお店番はブックマンション内で棚を借りている方が担当します。そのお店番の方が心地いい状態を作り出すには、ただひたすら多くの方に来ていただくというよりも、事前に店のことを知っている人がわざわざ訪れるようなお店の方がいいと考えたからです。
お店に興味を持って訪れる方と、派手な看板やうたい文句、例えば最大50%OFFSALE中という看板を見てこられるお客さんとでは、心の持ちようが全く違うとおもっていたからです。とはいえ、入りにくいと言う声もあったので、自虐ネタをツイッターに投稿とかもしています。
ただ、最近お店番をされる方が、思い思いに看板やサインボードのようなものを製作しているのを見て、自分の考えは間違っているんじゃないか?と思い始めました。
今回はトッコトッコ文庫さんを例として取り上げますが、下記の投稿に表示されているようなサインをみて来られる方はなんとんくブックマンション内に入られても違和感がないと思ったんです。
また、印刷されたものではなく、手描きで作成されたサインは目の前を通り過ぎる時も目を引き、思わず「おっ」となりました。正月には動く看板も作ってくれていたんですよね。
静岡にある同じ一部棚貸し本屋のヒガクレ荘さんの入り口はなんとも雰囲気があります。
地下や2階は1階に比べると家賃も安いですし、入り口部分の工夫でお客さんを呼ぶことが出来たらいいですよね。看板一つで興味を持ってもらったり、お店の印象も変わると思うので面白いですね。ちなみにブックマンションの前に作って今でも運営している無人の古本屋さんには看板はありません。
ブックマンションの模索は続きます。